WIKIレンタル 大衆演劇探訪記
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秩父の独立峰の中腹 大自然に囲まれた温泉宿での単発公演 「いこいの村ヘリテイジ美の山」

秩父の独立峰の中腹 大自然に囲まれた温泉宿での単発公演 「いこいの村ヘリテイジ美の山」

埼玉県の秩父にある温泉宿「いこいの村ヘリテイジ美の山」を訪ねました。
「美の山」は「みのやま」と読みます。

独立峰である蓑山(みのやま)の山頂に桜を植樹し「美の山公園」が昭和54年に開園しました。美の山公園は雲海の絶景が見られるスポットとして有名です。ヘリテイジ美の山は蓑山の中腹にあります。

最寄駅は秩父鉄道皆野駅。そこから5キロ近くあります。山登りですし駅から歩いて行くという選択肢はない。路線バスはありません。送迎について問い合わせると、ヘリテイジ美の山の団体客の送迎のタイミングに合わせれば皆野駅で拾ってもらえるようでした。時間を自由に使いたかったのでレンタカーで行くことにしました。

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皆野町に入り国道を進む。「皆野町役場入口」交差点に「美の山公園」の案内表示とヘリテイジ美の山の看板があります。看板には「人情時代劇 3/15迄公演中」と書かれています。ここを左折します。

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山道をくねくね登ってゆくと、ヘリテイジ美の山の建物が見えました。

時間に余裕があったので、いったん通り過ぎて美の山公園まで行ってみました。景色がよいことで有名な公園ですが、この日は天気が悪く霞がかっていて、残念ながらブログに載せたくなるような写真は撮れませんでした。

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ヘリテイジ美の山の広い駐車場に駐車して入口へ。

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フロントの上に、若姫劇団のタペストリーが飾ってあります。
そう、私は久しぶりの観劇となる若姫劇団を見るためにここまで来たのです。

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若姫劇団公演の案内幕。若姫劇団は昨年もヘリテイジ美の山で公演を行いました。

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1階ラウンジ
こことは別に開場時間まで待つための部屋が設けられていました。

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2階のけやきの間が会場です。
開場時間は11時45分。

それまで天然温泉に入りました。

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温泉から上がって廊下の窓の外に目をやると、メタセコイアの木の手前に「鳥行水場」と「鳥エサ台」が見えました。いかにも自然公園の近くという感じがします。その奥に何やら看板が見える。「散策路 絶景まで5分」と書いてある。そんなこと書かれたら行かざるを得ない。

いったん館を出て、散策路へ。ハイキングコースのような山の中の道を歩いて行く

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道の先にとてもわかりやすい絶景ポイントを見つけました。

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そこからの風景。ヘリテイジ美の山の全容がわかります。その背後の見晴らしがとてもよい。

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建物のむこうに山地に囲まれた町が見える。霞ががかっていてきれいに見えないのが残念だ。
条件がそろえばここからも雲海の絶景が見えるのかな(見えたとしてもここは宿の私有地なのでお客さん以外が立ち入ることはできません)。
また、宿の口コミでは夜景や星空鑑賞ツアーが人気のようですね。

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11時45分にけやきの間が開場しました。
廊下で待っていた大勢のご老人がいっせいに入場しました。
入口にビニール袋があります。ここで靴を脱いでビニール袋に入れて持参して中に入ります。

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会場後方のテーブル席。
机の上にはすでにお弁当が配膳されている。

若姫劇団の公演観劇は完全予約制。
お弁当+温泉付きの日帰りプランか、1泊2食の宿泊プラン。
チラシを見る限りふらっと観劇だけ来るというのはないようです。

この日は、ざっと70人くらいのお客さんで会場は賑わっていました。

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会場前方は低いテーブル席。

フロントで受付したときに席番号を書いた紙を受け取ります。それと同じ番号札が置かれている席を探して着席。やがてスタッフが紙を回収に来て、食事の準備を進めてくれます。

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舞台の緞帳。味わい深い昭和デザイン。電動で上に開く仕様。

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日帰りプランのお弁当

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お酒やお菓子は後方で買うことができます。

13:00になり若姫劇団の公演が始まりました。
第1部は人情時代劇。この日の外題は「悲恋 十九の春」。

休憩をはさんで14:30~15:30が第2部華の舞踊絵巻

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舞踊ショートップを飾る愛望美座長
幕には「若姫劇団 夢の配達人 愛望美」と書かれています。

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愛望美座長
立ち役がかっこいい

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愛美萌恵副座長

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愛美舞

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若姫有姫(あき)
小学校6年生
この日は芝居も舞踊もしっかりこなしていてとても小学生には思えなかった。
私が以前見たのは6歳のときでした。あまりの成長ぶりに驚きました。

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愛望美座長の番場の忠太郎。
これぞ大衆演劇!と思わせるかっこよさ。

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ラストショー
若姫劇団4名と助っ人の男性役者1名の5名による舞台でした。


この公演でとても印象的だったのが秩父のお客さんの和やかさ。
芝居が始まってもそこらじゅうで話し声が聞こえたりして、私は観劇マナーが気になり、ここのお客さんは観劇慣れしていないのかななどと思ったりしましたが、だんだんとここに来ているお客さんは芝居や芸事を観るのが好きな方が多いんだろうなと思うようになりました。平均年齢60超えだろう客席のみなさんがとても楽しくくつろいでいるのが伝わってくる。特別な場に来たのではなく、日常のこととして観劇に触れいてる感じがする。お客さんが劇団を見に来ているのではなく、地元のお客さんの集会に劇団員がおじゃましているかのようだ。座長のトークにもいちいちよく反応する。座長に客席から話しかけるお客さんが多い。これだけレスポンスが良いと劇団もうれしいことでしょう。
舞踊ショーでは、いわゆるハンチョウはなかったけれど、思い付きっぽい掛け声をかけたり、客席に下りてきた役者の手に直接たたんだ千円札握らせたり、地方単発公演ならではの光景を目にしました。劇場で劇団ファンが見守る中ではレイを付けるタイミングに気をつかうけれども、ここでは皆さん思い思いのタイミングでレイを付けに行っている感じがいい。皆さんマイペースだ。そして他人のマイペース対して寛容だ。
劇団とお客さんの垣根が低い。日常の延長としての楽しい場をみんな(役者もお客さんも)がマイペースに過ごす。これが大衆演劇の理想の姿なのではないか。秩父の人々は伝統芸能へ親しみが深いのだろうなと憶測しました。

帰りに秩父の町を少し散歩しました。

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秩父に来て、見つけたら必ず買うのがちちぶ餅。やわらかくてあんこがたくさん入っていて美味しい。
駅の売店は売り切れてしまうことがあるので、今回は道の駅ちちぶで購入しました。

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そして秩父といえは「みそぽてと」
これを食べないと秩父に来た気がしない。
ちなみに、秩父市のゆるキャラはみそぽてとをモチーフとした「ポテくまくん」です。
秩父のソウルフードでは「わらじカツ」というのも有名です。

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秩父は蕎麦屋さんがたくさんあります。
くるみそばが有名ですけれども、入った店にはなかったので普通の蕎麦をいただいて帰りました。

秩父には三十四の観音霊場(札所)があります。
観音霊場は西国33、坂東33、秩父34で全部まわると100になります。私は全部巡ることを生涯の目標としています。
秩父は札所が秩父界隈にしかないので全部巡りやすい。徒歩と路線バスで巡ると最低5日かかります。つまり1回巡るためには5回秩父に通わなくてはなりません。私は過去に2回巡って、現在3回目を巡っている途中。ですので今回私が秩父に来たのは十数回目になります。
秩父観音霊場の最後の札所が水潜寺(たどり着くまでハード)で、最寄駅の皆野駅から帰ることになります。ですから私にとって皆野は充実感とぐったり感が混ざった自分がいるイメージでした。近くに美の山公園という名所があることは今回探訪するまで知りませんでした。

(2019年3月探訪)

臨海地区の片隅にあった夢の小箱の記録 「みさきスタジオ」

臨海地区の片隅にあった夢の小箱の記録 「みさきスタジオ」

劇団あやめのおっかけで和歌山県にある大衆演劇場「みさきスタジオ」を訪ねることにしました。

みさきスタジオは新宮市にあります。
公演は昼の部のみ。12時開演。

電車検索してみますと、
仮に東京始発の新幹線に乗ったとしても、みさきスタジオの最寄り駅に到着するのは13時18分。
全然間に合わない・・・

私は前日夜から夜行バスで新宮に向かうことにしました。
初めての夜行バスでの大衆演劇遠征です。

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前日夜、バスタ新宿で新宮行きの長距離バスに乗り込む。

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翌朝7時頃新宮駅に着きました。
予想通り、バスの中ではほとんど寝られなかった・・・

最近の長距離バスは、各座席がセパレートされているのですね。
2人並びの席だと隣の方に気を使わなくてはいけないけれど、1人席で自分の席用のカーテンもあり気疲れはしませんでした。

みさきスタジオは新宮市にありますが、新宮市街にあるわけではありません。
みさきスタジオの場所を確認しておきましょう。

以下は新宮駅前で撮った地図の写真。
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新宮駅からJR紀勢本線で南へ2駅離れた紀伊佐野駅がみさきスタジオの最寄り駅です。
そして、新宮駅から紀伊佐野駅に行く電車は1,2時間に1本しかない・・・
新宮駅を出て紀伊佐野駅にお昼頃に到着する電車の時刻は、
11時33分、次に13時18分です。
みさきスタジオの開演時間が12時と昼の部にしては早めなのはこの時刻表を意識してのことかもしれません。
11時33分着の電車に乗れば昼の部に間に合います。

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新宮市のとなり駅の三輪崎駅と、紀伊佐野駅周辺の地図です。
ごらんのとおり、みさきスタジオは港湾地帯にあります。

後述しますが、
「何故こんなところに大衆演劇場が・・・?」という謎立地度が極めて高い場所にあります。

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JR紀勢本線の車内。
扉に津波対策が大きく表示されています。
時間があったので三輪崎駅から紀伊佐野駅まで散歩しましたが、町中には海抜表示が目立ち、南海トラフ地震に対する防災意識がとても強いことが伝わってきました。

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紀伊佐野駅
のどかな雰囲気の無人駅

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駅から少し歩くと国道に出ます。
国道の東側は住宅地ではなく、緑地帯や企業の敷地が連なる港湾地帯。
民家や生活と関連した商業施設はない。
比較的大きな企業の構造物が見える中、遠くから見るとマッチ箱のような緑色の建物がある。

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それがみさきスタジオ。

私はこれまで数多くの大衆演劇場を訪ね、「こんなところに劇場が?」と思ったことはしばしばあります。その多くはノスタルジーを感じる昔ながらの風景(自然や田んぼなど)の中にありました。
みさきスタジオがある一帯はあまりに大衆の生活の息吹に乏しい。

ただ、緑色に塗られた小箱のような建物は、まわりの風景から独立した存在感を放っており、この「何か謎めいた興味をそそられる味わい」は大衆演劇場的ともいえます。

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みさきスタジオ正面

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普通の家の玄関みたいな入口。
本当にここで大衆演劇が行われているのだろうか?
と思いつつよく見ると、

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どうやら本当に

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営業しているようだ。

黒い扉の奥に白い扉。それを開けていよいよスタジオの中へ。

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みさきスタジオ内部

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このような半月の形のテーブルが並んでいる。

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出入り扉近く、客席左後方に投光

客席後方のバーカウンターのようなスペースに小屋主らしきおばちゃんがいました。
木戸銭を支払うと、空腹だった私はここで軽食を販売していないか尋ねました。
ここでは飲食物は販売しておらずお客さんは皆持ち込みをしているとのこと。
近くにコンビにか何かないかと尋ねると、駅の方に大きなスーパーがあるが、ここからはちょっと距離があるという。
おばちゃんは私に自転車を貸すために、どこかで作業していた旦那さんを呼び寄せました。
みさきスタジオはこの老夫婦が細々と経営しているらしい。

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みさきスタジオで借りた自転車に乗ってスーパーへ

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オークワという大きなショッピングモールに到着。
あれこれとカゴに入れてレジに行くと、レジは激混み。
この列を待っていては開演に間に合わないと判断し、カゴの中の商品を棚に戻して、スーパー内のパン屋さんでパンを買いました。

みさきスタジオに戻る。
小屋主?のおじさんに聞くと、以前は昼に大衆演劇、夜にカラオケホールという経営をしていたが、カラオケホールは著作権料の支払いの負担が大きくやってられないので、大衆演劇のみにしたとのこと。
カラオケホールというのはおそらく、歌う仲間達で個室を借り切るカラオケボックスとは違い、他の見知らぬお客さんと一緒に集いステージ上でカラオケを歌う形態なのだろう。関西の方に多いのでしょうか。
「みさきスタジオ」という名前はカラオケホールを意識した屋号だったのですね。

12:00劇団あやめの公演が始まりました。
劇団あやめは公演中の写真撮影はNGなので公演の様子はご紹介できません。

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休憩時間に劇団が販売していたお菓子セット(300円)を買いました。
お客さんは多くなかったけれども、ご祝儀レイを求めるお客さんの割合は多かったです。

終演後、小屋主のマスターに声をかけられました。
紀伊佐野駅から出る電車の本数は少ない。新宮駅行きのバスは本数が多い。バス停まで車で送迎しますよ。とのことでした。

スタジオの外に出ると、劇団あやめのメンバーがお見送り。その横に車が待機していました。
車にはすでに一人お客さんが乗っていました。この方はみさきスタジオの常連さんのよう。スタジオのマスターはこのお客さんのために行きと帰りに勝浦まで送迎しているそう!勝浦はここから新宮駅よりも遠い。なんてサービス精神が大きいマスターなんでしょう。

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みさきスタジオの最寄のバス停ではなく、よりバス本数が多い三輪崎のバス停まで送迎してくれました。勝浦のお客さんにとっては逆方向で、遠回りの寄り道をしてくれた格好になります。
間もなくバスがやってきて新宮駅まで移動。

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思いがけず時間が空いたので、新宮駅近くにある「浮島の森」に寄りました。南北96m・東西55mの島が池に浮かんでいる。島が水より比重の軽い泥炭でできているので浮かぶのです。私は十数年ぶりに浮島に降り立ちました。


みさきスタジオは残念ながら2019年1月の公演をもって大衆演劇の公演をやめてしまいました。
あの人情味ある小屋主夫婦はその後どうされているのでしょうか。
大衆演劇場としての存在期間は、まるでつかの間の夢だったかのような短さです。
あの緑色の小箱はやがて誰の記憶からも消えてゆくのでしょう。
本ブログは、海の近くの人通りの少ない一角に夢のように現れて消えた演劇場のささやかな記録です。

(2018年11月探訪)

3種の源泉掛け流し コスパの高い日帰り温泉での特別公演 「多宝温泉 だいろの湯」

3種の源泉掛け流し コスパの高い日帰り温泉での特別公演 「多宝温泉 だいろの湯」

新潟県の弥彦山の近くに岩室温泉という有名な温泉街があります。
その近くに「多宝温泉だいろの湯」という日帰り温泉施設があります。
そこで「中村鷹丸と鷹の會」が1ヶ月公演を行っていることを知り行ってみることにいたしました。

岩室温泉街へはJR越後線の巻駅もしくは岩室駅からバスに乗ってゆくことができます。ただしバスの本数はとても少ない。私は予定の電車に乗り損ねてしまい、岩室駅から歩き(とても時間がかかる)かタクシーで行くことにしました。

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岩室駅
ちょうど駅前にタクシーが1台待機していましたので利用することにしました。

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タクシーの車窓から。
ご覧のとおりとても長閑な地域です。

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時間に余裕があったので、岩室温泉街を散策してから歩いて行くことにしました。
温泉街のとある店に公演ポスターが貼ってありました。

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岩室温泉街からしばらく歩いてだいろの湯に到着しました。

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源泉を汲み上げる設備でしょうか。

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入口

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靴箱に靴をしまいます。

その後受付。靴箱の鍵を渡してロッカーの鍵を受け取ります。
入浴料は800円。

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タオルもついています。

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施設は大きい。
広い浴場、食堂、ラウンジ、宴会場、大広間、個室 など

だいろの湯は、泉質の異なる3種類の源泉を100%かけ流ししています。
特に硫黄分の強い源泉はいかにも温泉に来た気分になります。
これでタオル付き800円は安い。
ちなみに「だいろ」とはかたつむりとのことで、地元の「岩室甚句」の中の語から引用したそうです。

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寿司職人さんもいて旬の食材を使った魚料理を味わえます。

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私は食事処で握り寿司をいただきました。

演劇&舞踊公演は2階の大宴会場で行われます。
観劇無料。来場者は誰でも観ることができます。

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宴会場入口

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宴会場後方より

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前方のテーブルの札が置かれているところは予約席です。
団体さんの予約が何組か入っているようです。

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舞台

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宴会場後方

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中村鷹丸座長ののぼり。
三代目中村鷹丸座長は、かつては「与ろずや柴舟お目通り」の唄でおなじみの与ろずや柴舟さんと「与ろず劇」という劇団名にて活動していましたが、5年くらい前から柴舟さんとは別行動となり、「中村鷹丸と鷹の會」として活動しているようですね。

だいろの湯の唯一の弱点?はリラックススペースがないことでしょうか。
1階の大広間や2階の宴会場で寝っ転がっているおばちゃんを多数みかけます。

14時頃になりますと、宴会場内にBGMが流れ始め、お客さんも集まってきます。
14時の開演直前にはかなりのお客さんで賑わっていました。
ざっと数えますと団体客40名弱に加えフリーのお客さんは50人くらいいたと思います。

そりゃあただでさえ人気の高そうな日帰り温泉に、無料で公演も見られるとあっては人が集まりますよね。
お客さんの平均年齢は(私の見立てに自信ありませんが)65歳くらいだったでしょうか。

14:30 開演
第一部お芝居
休憩をはさんで
第二部舞踊ショー
16:30 終演

お芝居は演目を2日おきに変えているそう。この日は「潮来の雨」 鷹丸座長は女衒屋の親父の役でした。
背景幕はありませんが、木戸や壁代わりの衝立等の大道具はありました。

舞踊ショーは日本舞踊中心。座員は全員女性です。舞踊ショーは写真撮影可でしたが、カメラを持っているのは私くらいでした。
(写真のネットへのアップは禁止とのことでしたのでここには掲載しません)
こういう客層の場合は現代舞踊はいらないことを実感。素朴で品のある日本舞踊がいい。
ご祝儀レイは結構売れていて、おばあちゃんたちがうれしそうに中村鷹丸座長の帯にレイを差し込んでいました。地元の方々がこの公演を楽しみにしていることが伝わってきました。

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帰りは岩室温泉バス停まで歩いてバスで岩室駅まで移動しました。
この岩室バス停の場所が旅の前にネットで調べてもよくわからず、当日うろうろ探して見つけました。

今回の旅では失敗がありました。
だいろの湯に行こうと思っていた日が休演日だったのです。公演日の確認は基本のきですが、ネットでその情報を見つけられず、まあ日曜日に休演はないだろうと勝手な判断をしていました。ところがチラシをよく見ると休演日が載っていてちょうど行こうとしていた連休のうち2日が休演だったのです。旅の直前に気づきあわてて旅のプランを組み立て直しました。

今大衆演劇の公演内容は全体として明らかにある方向性(派手な洋舞など)に向かっております。
それとはまったく正反対の大衆演劇の有り様を見た印象的な探訪でした。

(2018年9月探訪)

到達困難度高し! 山奥のスキー場で行われる旅芝居 「ゆきだるま温泉」

到達困難度高し! 山奥のスキー場で行われる旅芝居 「ゆきだるま温泉」

新潟県にある「ゆきだるま温泉雪の湯」では毎年10月か11月に1ヶ月だけの大衆演劇公演を行っています。

ゆきだるま温泉は新潟県上越市のスキー場キューピットバレイ併設の温泉施設です。
温泉は一年中営業しています。
スキーのオフシーズンの集客イベントとして大衆演劇公演を始めたようです。

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ゆきだるま温泉の最寄駅はほくほく線の虫川大杉(むしがわおおすぎ)駅。
ほくほく線は北越急行株式会社が運営する六日町駅~犀潟駅を結ぶ鉄道路線です。

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東京から新幹線に乗り,、越後湯沢駅で乗り換え。上越線で5駅で六日町に着きます。
六日町駅からほくほく線のスノーラビット号という急行列車に乗りました。

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虫川大杉駅着
写真の通り、駅のまわりには農地と山ばかり。
商店は見当たらない。

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虫川大杉駅前。なんもな~い。

虫川大杉駅からスキー場までの送迎バスはスキーのオフシーズンは運行していません。
大衆演劇公演期間は「だるまバス」という送迎バスが「平日のみ」運行しています。
では、電車での旅人が土日祝日にどうやってゆきだるま温泉に行けばよいのか。その手段は「ない」と言い切ってしまってよいのではないでしょうか。
路線バスで近くまで行けるかもしれない、どこかからかタクシーを呼ぶことができるかもしれない、しかし、そこまでしてわざわざ土日祝日に電車を使って行くことはないでしょう。

虫川大杉駅は最寄駅といっても、ゆきだるま温泉まではとても遠い。
キューピットバレイはかなりの山奥にあるのです。

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キューピットバレイスキー場。
10月なのでさわやかな緑が広がっています。

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広~い駐車場の奥に見えるのが・・・

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ゆきだるま温泉雪の湯の建物です。

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建物に入って右手に靴をしまいます。
扉の中に入って左手に受付があります。靴箱の鍵は自己保管。受付で渡す必要はありません。

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「旅芝居公演」ののぼりがあります。
大衆演劇ではなく旅芝居としてあるのがよいですね。

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公演は13時30分から。開場は13時。
それまで食事と温泉を楽しむことにします。
2階に食事もできる広間(レストランだるま亭)があります。

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テーブル席もあります。

奥に見えるカウンターに食券を提示します。

私はおすすめらしい「釜一番」という釜飯の定食にしました。
時間がかかるので予約もできるということで、私は食事提供時間を指定して予約し、先にお風呂に入ることにしました。

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お風呂の入口は1階です。
大自然の中の温泉地は気分がリセットされるようで心地良いですね。

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お風呂からあがって、広間でくつろいでいると、預かったベルが鳴りました。食事ができた合図です。釜一番をいただきました。

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13時になり、公演会場がある3階へ上る階段が開放されました。

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公演会場

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前方

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前方から客席を見る

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公演後最後の挨拶


公演中の座長の口上挨拶によると、ここはなかなかお客さんの集客が厳しいようです。
お客さん2名の日もありました、と言っていました。
この到達困難度からすると仕方ないような気もします。

しかし逆に考えてみますと、普段娯楽がない地域に、短期間で公演を打てることが大衆演劇の強みです。
この山奥の旅芝居公演の知名度が上がってゆくことを祈っております。

(2018年10月探訪)

着けば楽園 帰りはタイヘン 瓦の町の大衆演劇場 「安田温泉やすらぎ」

着けば楽園 帰りはタイヘン 瓦の町の大衆演劇場 「安田温泉やすらぎ」

今回レポートするのは
新潟県にある常打ち大衆演劇場、「安田温泉やすらぎ」内にある「劇場 かわら座」です。
主に東京大衆演劇協会の団体が乗っている劇場です。

次のとおり3項目に分けて掲載します。
・安田温泉やすらぎ編
・劇場かわら座編
・交通アクセス編


■安田温泉やすらぎについて

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安田温泉やすらぎは新潟県阿賀野市にあります。
2004年に阿賀野市が誕生する前の住所は安田町でした。
おおまかな場所は地図のとおり。

はっきり申せば田舎にあります。
かなり交通に不便な場所です(詳細は交通アクセス編で)

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まわりにはの農地が広がっており、遠くに峰々が見えます。
真冬は視界は一面の雪景色になります。

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(館内で放映されていたVTR映像)
近くには瓦を製造する工場がいくつかあります。
この辺りは江戸時代から瓦作りがさかんで、安田瓦は全国三大瓦の産地のひとつだそう。
いろんな瓦作品を見学できる「やすだ瓦ロード」という散策コースもあります。

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安田温泉やすらぎ入口付近

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2階建てで横に長い建物。

そもそも「安田温泉やすらぎ」はいかなる施設なのか。
各所には「保養センター・ホテル」と表記されています。
保養センターというのはあまり馴染みのない名称ですが、
宿泊施設付き健康ランドと思っていただければよいでしょう。
営業時間は9:30~22:00

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入口

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建物入ってすぐの靴箱に靴をしまいます。
続いて自動販売機でチケットを買います。
奥の受付で靴箱の鍵とチケットを渡します。

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料金案内掲示

日帰り入浴料金は800円です。
大衆演劇や岩盤浴は別料金となります。
日帰り入浴と観劇のセット券は2,160円。

お風呂に入らずに観劇のみの券もあるようです。1,700円

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1階に食事が出来る広間があります。
この写真は朝に撮ったので人がいませんが、休日昼間はかなり賑わっています。

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食事提供口、下膳口

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※食事の仕方
1.自動販売機で食券を購入
2.食券と番号札を交換
3.食事ができると放送で呼び出しがかかる

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売店でも食材や飲料を買えます。

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売店の店先にはいろんなつまみが並んでいる。


メインのお楽しみはもちろんお風呂。
1階奥に浴場があります。
内湯と露天風呂があり、露天風呂が「安田温泉」となっています。
安田温泉は琥珀色に濁っていてしょっぱい。ナトリウム他の成分がたくさん入っているのだろうなと思わせる保養所らしいお湯です。

2階にも浴場はありますが温泉ではありません。宿泊室の近くにあり宿泊客に便利なお風呂です。
2階には秋田の玉川温泉の北投石を使用した岩盤浴もあります。私は岩盤浴も体験しました。汗がたくさんでて気持ちよかったです。

安田温泉やすらぎでは宿泊することもできます。

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私が宿泊した2階の客室

とても清掃が行き届いてます。
安田温泉やすらぎの館内はどこもキレイ。

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夕食
部屋食でした。

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朝食
朝食開場は1階の広間です。


■劇場かわら座について

大衆演劇場かわら座は2階にあります。
月~金は昼の部のみ(12:30開場、13:00開演)
土日祝は昼と夜(夜は17:30開場、18:00開演)

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日帰り入浴をしない観劇利用のみのお客さんのための券売機

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劇場かわら座入り口。
スタッフにチケットを渡します。

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かわら座内部

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長テーブル&座布団

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指定席には座椅子が置かれている

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舞台前方
広い舞台です。

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花道

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後方
過去公演の劇団のポスターがずらりと並んでいます。
座布団と椅子席もあります。

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黒板に座員連盟が書いてあります。
この黒板に味わいがあって好きです。

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場内の至るところに観劇時の注意事項の貼紙が。
こんなに注意貼紙が多い劇場も珍しい。

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大入りになると点灯する提灯

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公演中の様子


さて、かわら座公演については、いろんな劇団からの噂を耳にしていました。
とにかく平日のお客さんが少ないと・・・。
客席に社長とその奥さんしかいないこともあるなどと言っていた劇団さんがありました。
私が訪ねた2回とも土日でそれなりにお客さんが入っていました。ただ、地元の常連さん同士が「いつもは3,4人しかいないのに今日はたくさん入っているね」のような会話をしているのは聞こえました。

やっぱり立地が悪すぎるのでしょうか。。。


■交通アクセスについて

やすだ温泉やすらぎのお客さんのほとんどは自家用車で来ていると思います。

大衆演劇観劇のために自家用車以外の手段で行くにはどうすればよいのか?

まず「土日・祝日」は送迎バス(有料)を利用しましょう。
新潟駅南口10:30発 やすらぎ11:15頃着
やすらぎ16:30発 新潟駅南口17:30頃着
ただし行きも帰りも予約したお客さんが揃い次第出発するので、ギリギリの時間に行くのではなく早めにバスに乗り込むとよいでしょう。

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新潟駅南口遠景
送迎バス乗り場はこのあたり

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ここにやすらぎの送迎バスが停まります

乗るときか降りるときに、運転手さんが料金箱かわりのペットボトルを持っていますのでそこに運賃を入れます(私が利用した際は300円でした)。

大事なのは前日までに予約をすることです。
私はうっかりそのことに当日まで気づかず困ったことがあります。
またやすらぎのホームページには送迎が「期間限定サービス」と書かれている(ただしその期間についての言及はない)ところも気になる。

問題は平日です。

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やすらぎの前にもバス停はありますが、ご覧のとおり本数が少ない。

それでも「行き」の場合はなんとかなります。
新潟から信越本線に乗り新津駅で乗り換えて羽越本線2駅目に水原(すいばら)という駅があります。
水原駅の近くに市営バスの「五頭タクシー前」というバス停があります。
寺社線というバスで「五頭タクシー前」9:20発、「安田温泉やすらぎ前」9:52着というバスがあります。
また市営バスの大室線でも水原駅近くから「庵地(五十嵐瓦工業前)」バス停に10:13に着くバスがあります。庵地から安田温泉まではすぐです。

問題は帰り。上記路線の上り最終がえらく早く、大衆演劇を見ていたら終わってしまう。
(大室線は15:43で、大衆演劇が長引かなければ可)

ちなみやすらぎから水原駅までは約7.5km
タクシーで3,000円はかかるでしょう。

この出費をおさえたい場合はどうするか。
高速バスを利用するというのが残された手段です。

やすらぎから約3mのところに、高速バス「安田インター前」のバス停があります。
平日 安田インター前 17;48発 新潟駅前 18:37着
土日 安田インター前 16:18発 新潟駅前 17:07着
これに間に合えばバス代580円で済みます。
やすらぎから安田インター前まで普通に歩けば45分くらいかかるでしょう。
この区間のみタクシーを利用するという手もあります。

私ははじめて安田温泉を訪ねた際、前日までの送迎予約を忘れていました。
当日朝連絡すると、行きはたまたま別のお客さんの予約があったので一緒に乗せてくれるとのこと。
帰りは予約がなかったので運行しませんとのことでした。日曜日なのに、送迎バス利用のお客さんがいないなんて・・・
この日、タクシーを使いたくない私は、大衆演劇昼の部終了後、安田温泉から安田インター前バス停まで雪景色をみながら早歩き&小走りで向かいました。

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ここが安田インター前バス停。待合室があります。
ここにバスが来る4分前の16:14に着きました。

安田温泉やすらぎは、館内はキレイでスタッフも親切で心地良いのですが、不便な立地だけが残念です。

上記の情報は2018年の私の旅記録をもとにした情報です。
新潟県外から平日にここを訪ねようとしている方がいらっしゃいましたらくれぐれもよく下調べをしてください。
土日祝に行く場合も前日までの送迎予約をお忘れなく。

(2018年探訪)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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