WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 集客条件クリアにみえてそうでもないセンター 「天然温泉湯ぱらだいす佐倉」
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集客条件クリアにみえてそうでもないセンター 「天然温泉湯ぱらだいす佐倉」

千葉県の佐倉にあまり賑わっていない大衆演劇場があるという。

いままでいろいろな大衆演劇場を見てきて思うのは、
お客さんがたくさん入るところとそうでないところとではどうしてこんなにも顕著に差がでてしまうのか、ということ。
大衆演劇場の集客要因を自分なりに考えてみるのですが、そう簡単にわかるはずもなく、かなり多面的かつ深い分析が必要だろうと思われるばかりです。

佐倉市の人口は約17万人。
中規模の都市ですが、大都市の千葉市からも近いですから(千葉駅から佐倉駅まで電車で20分弱)地域的な要因はあまりないように思えます。
では他になにかマイナス要因があるのでしょうか。そんなことを気にしながらとある休日に佐倉に向かいました。

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JR佐倉駅のすぐ横にそびえ建つビルディング。ここに湯ぱらだいすはあります。
駅前ということで立地として申し分なし。
ただし佐倉のもう一つの主要駅京成佐倉駅からは離れており歩いて行くには遠い距離です。

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さっきのビルを反対側から見たところ。
キレイな建物です。

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入口の券売機で入場券を購入。
お風呂+観劇で1,250円。
集客にかなり影響を与える要因である料金も相場より安いです。
(演劇グラフなどを見るともっと高い料金が書いてありますが値下げしたのでしょうか)
なお、このビルの1・2階にはフィットネスジムが入っています。

お風呂にも入ってみました。
「湯ぱらだいす」というくらいなので、広いスペースに何種類かのお風呂があります。
お湯は施設の地下からくみ上げているという「佐倉温泉」。
もちろん露天風呂やサウナもあります。
でも休日なのに男湯にお客さんはほとんどいない・・・

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大衆演劇は5階の大宴会場で行われます。
「湯ぱら劇場」というようです。

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早い時間に来たのでお客さんはあまりいません。
会場時間前にお客さんが並んで、会場とともに自由席を奪い合うといういろんなセンターでよくみかける光景はないのでしょうか。
テーブルの幅も大きめ、テーブル同士の間隔も広め。大きい窓ガラスから明かりをたくさん取り込んでとても開放的な印象がある会場です。

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この日は予約が結構はいっていたようです。
前の方の席の多くは指定席になっていました。

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会場後方。

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会場のサイドにはテーブル席があります。

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とてもうれしいのがこの座椅子。
2種類選べます。高い方は315円。値段は相場ですが椅子のリッチさが違います。

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テーブルの上に湯のみが伏せて置いてあります。これが「場所とり」のサイン。
センター公演での場所とりというと、「座布団にタオルを広げる」というのが一般的ですが、何か我欲をあらわにしているみたいであまり美しい光景ではありません。湯ぱらだいすは今まで見た中で一番お上品なやり方です。

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窓からの風景。遠くまで見えて、また空が大きく見えて気持ちよいです。

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開演時間になるとそれなりにお客さんが集まりました。(それでもセンター公演としてはやはり少ないと思います)
日曜日かつ劇団ファンの予約が多かったからでしょう。
口上挨拶で座長が「平日もこれだけ来てくれたら・・・」とぼやいていました。

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公演が始まり、その音のひどさに驚きました。音が割れている。かつ耳をふさぎたくなるような大音量。
これは劇場というより劇団の音響担当に問題があるのだと思いますが、たまたまこの日だけひどい音響であったのかどうかは疑わしい。劇場の方も音が聞こえているなら劇団に指摘するべきでしょう。お芝居を楽しむどころか大変なストレスでした。こんなのではまた来たいとは思えません。
たまたま自分が運が悪かったのか。他の劇団のときにも来て、劇場の音響施設自体に問題があるかどうか確認しなければなりません。


というわけで、料理の値段と味に不満もなかったし、音響がまずかった以外は、とても快適な環境の大衆演劇場だと思いました。
ではなぜお客さんが少ないのでしょうか。
団体客を迎え入れるための送迎用の車も何台かありました。
単に営業不足・宣伝不足でしょうか。そういえば受付の人はあんまり公演のことがよくわかっていなかった気がする。会社としてあんまり力を入れていないのでしょうか。
ひとつの感想としては、あんまりご老人が楽しんでくつろげる環境ではないかな、ということがあります。キレイすぎて落ち着かない、我が家のようなぬくもりに乏しい、という意見があるかもしれません。
大衆演劇場はどこもそこなりのアットホーム感があります。こういう近代的なビルではかえってそこにハンデがあるかもしれません。もちろん新しくキレイな施設で賑わっているセンターもありますから、何がしかの工夫が足りていないのではないかと思います。
湯ぱらだいすが今後どのような営業戦略をうつのか遠まきながら気にしていたいと思います。
(2011年7月)

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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