大阪平野の東端で賑わっている商店街にオープンしたミニ劇場 「瓢箪山劇場」
大阪平野の東端で賑わっている商店街にオープンしたミニ劇場 「瓢箪山劇場」
2022年7月大阪に新しい大衆演劇場がオープンしました。
近鉄奈良線瓢箪山駅から徒歩2分の「瓢箪山劇場」です。
2022年7月5日の東大阪経済新聞のネットニュースには以下のように書かれています。
大阪市内で、九条笑楽座(大阪市西区)、此花演劇館(此花区)、水車小屋(生野区)の3つの大衆演劇場を運営するプランツ・プロモーションが運営する「瓢箪山劇場」。田岡忠雄社長は劇場の運営のほか、全国の劇団の公演スケジュール調整などを行っており、「これまではホテルや温浴レジャー施設などで公演していたが、新型コロナの影響でお客さんが集まらなくなった。披露する場がないので劇場を作っている」と話す。
杮落し公演を務めたのは、姫猿之助座長率いる劇団あやめ。
上記ネットニュースには猿之助座長のコメントも紹介されていました。
神社巡りが好きで同劇場近くの瓢箪山稲荷神社によく参拝に訪れていたと言い、「瓢箪山に劇場ができて不思議な感じ。旅回りでいろいろな地域に行くが、これだけ活気があってフレンドリーな商店街は珍しい。自分の知っている土地なので活性化につながれば」と猿之助さん。「特に見ていただく機会のない若い人や初めての方にも見てほしい。瓢箪山の人に大衆演劇を知ってもらえるように頑張りたい」と笑顔を見せる。
劇団あやめは私の推し劇団ということもあり、さっそく瓢箪山劇場の7月公演を訪ねました。
瓢箪山は大阪平野の東の端にあります。それより東部は生駒山地に向かって傾斜のある土地となります。

瓢箪山駅東側の踏切。この写真の右手が駅舎。
踏切の南北にアーケード商店街があります(北側に「サンロード瓢箪山」、南側に「ジンジャモール瓢箪山」)。実はこれらのアーケード商店街は、高槻市から泉佐野市に通じる国道170号線(旧道)なのです。日本でもめずらしいアーケード国道です。
瓢箪山劇場に行くにはこの写真に見えているジンジャモール瓢箪山(瓢箪山南口出口が近い)に入ります。

瓢箪山の商店街は活気があります。
ブログ掲載のためにあえて人通りの少ないタイミングで写真を撮りました。

このたこ焼き屋さんの先を左折

しばらく進むと道の右手に瓢箪山劇場が入っているビルが見えました。

劇場はビルの地下。
階段を下りて劇場に向かいます。

「瓢箪山劇場」の提灯
その下、劇場出入口前に小さいカウンターがあります。ここが木戸口となっており、木戸銭とチケットを交換します。

劇場内部から出入口を見たところ。
劇場の左後方に出入口があります。
この出入口は自動扉ですが人感センサーがついていません。普通自動扉は閉まる途中でも人が近づいたらそれを察知してまた開きますが、ここの自動扉は人が近づいても容赦なく閉まってしまうので注意が必要です。

劇場最後方右手より

正面後方より

劇場前方

花道、、と言っていいのかな。舞台下手から鳥屋口に至る通路。
私がこれまで見た劇場の中で最小・最狭の花道。

劇場下手前方から後方をみたところ。
私が目視で数えたところ、座席は全部で48ありました。
この他に使われていない折り畳みのパイプ椅子がありましたので、お客さんが多い場合は座席を臨時増設するのだと思います。

劇場の椅子

場内前方の座席には傾斜がついていません。
後方の席に少し段差が設けられています。

お手洗いは劇場外、階段の下

定式幕を開けた舞台の様子。
客席も舞台もコンパクトな劇場です。
狭めの舞台とはいえ、劇団あやめの初音きらら花形が例によってアクロバティックな前転・バク転をやることができる広さでした。
舞台の床にほとんど高さがありません。なのに客席に傾斜がないということは、、。
2列目以降のお客さんは前の席のお客さんの頭が邪魔でかなり見えにくいのは必定。
劇団あやめの役者さんも、舞台上で座ってしまうと後ろのお客さんが見えないので、なるべく座らないよう意識して演技していると言っていました。
当日は日曜の昼の部ということもあってか大勢のお客さんで賑わいました。
瓢箪山は活気のある商店街がある町。大衆演芸を受け入れる土壌があるでしょう。
ふだん大衆演劇を見ることのなかった地元のお客さんをたくさん取り込んでいるようですね。
この日の公演は、劇団あやめのいつもながらの迫力あるステージ。庶民的な町の皆さんにとって劇団あやめの派手派手なパフォーマンスは刺激になったことでしょう。
ところで私はこの町の名前「瓢箪山」がとても気になっておりました。
その名前の由来となった場所に行ってみました。

瓢箪山稲荷神社。
瓢箪山劇場の近くにあります。
このあたりには古墳群があり、その中でも6世紀に造られた最大の古墳(双円墳)をその形状から「瓢箪山古墳」と称するようになりました。この瓢箪山古墳の西斜面に建てられたのが瓢箪山稲荷神社です。ですからこの写真に見える社殿の奥が瓢箪山古墳ということになります。瓢箪山の地名はこの古墳に由来しているのです。
最近大衆演劇の口上挨拶で、大阪の大衆演劇界は苦境に立たされているとよく聞きます(特に夜の部の集客が厳しい)。業界を活気づけるために、これまで大衆演劇場がなかった場所、それも大衆の息吹が旺盛な場所に劇場をオープンさせるというのはとてもよいことだと思います。瓢箪山の駅周辺を歩いて、ここは芝居小屋が似合う街だと思いました。ただ、業界が沈んでゆくのと同調するかのように新しくできる劇場の質が落ちてゆくのは残念に思います。業界の経済規模が小さくなっているから大きな投資が難しいのはわかるのですが。。
瓢箪山劇場は正直クオリティが高いとはいえない劇場ですが、庶民の活気に抱かれたとてもよい立地にあります。東大阪にある気軽に寄れる芝居小屋として今後も賑わっていってほしいと思います。
(2022年7月探訪)
2022年7月大阪に新しい大衆演劇場がオープンしました。
近鉄奈良線瓢箪山駅から徒歩2分の「瓢箪山劇場」です。
2022年7月5日の東大阪経済新聞のネットニュースには以下のように書かれています。
大阪市内で、九条笑楽座(大阪市西区)、此花演劇館(此花区)、水車小屋(生野区)の3つの大衆演劇場を運営するプランツ・プロモーションが運営する「瓢箪山劇場」。田岡忠雄社長は劇場の運営のほか、全国の劇団の公演スケジュール調整などを行っており、「これまではホテルや温浴レジャー施設などで公演していたが、新型コロナの影響でお客さんが集まらなくなった。披露する場がないので劇場を作っている」と話す。
杮落し公演を務めたのは、姫猿之助座長率いる劇団あやめ。
上記ネットニュースには猿之助座長のコメントも紹介されていました。
神社巡りが好きで同劇場近くの瓢箪山稲荷神社によく参拝に訪れていたと言い、「瓢箪山に劇場ができて不思議な感じ。旅回りでいろいろな地域に行くが、これだけ活気があってフレンドリーな商店街は珍しい。自分の知っている土地なので活性化につながれば」と猿之助さん。「特に見ていただく機会のない若い人や初めての方にも見てほしい。瓢箪山の人に大衆演劇を知ってもらえるように頑張りたい」と笑顔を見せる。
劇団あやめは私の推し劇団ということもあり、さっそく瓢箪山劇場の7月公演を訪ねました。
瓢箪山は大阪平野の東の端にあります。それより東部は生駒山地に向かって傾斜のある土地となります。

瓢箪山駅東側の踏切。この写真の右手が駅舎。
踏切の南北にアーケード商店街があります(北側に「サンロード瓢箪山」、南側に「ジンジャモール瓢箪山」)。実はこれらのアーケード商店街は、高槻市から泉佐野市に通じる国道170号線(旧道)なのです。日本でもめずらしいアーケード国道です。
瓢箪山劇場に行くにはこの写真に見えているジンジャモール瓢箪山(瓢箪山南口出口が近い)に入ります。

瓢箪山の商店街は活気があります。
ブログ掲載のためにあえて人通りの少ないタイミングで写真を撮りました。

このたこ焼き屋さんの先を左折

しばらく進むと道の右手に瓢箪山劇場が入っているビルが見えました。

劇場はビルの地下。
階段を下りて劇場に向かいます。

「瓢箪山劇場」の提灯
その下、劇場出入口前に小さいカウンターがあります。ここが木戸口となっており、木戸銭とチケットを交換します。

劇場内部から出入口を見たところ。
劇場の左後方に出入口があります。
この出入口は自動扉ですが人感センサーがついていません。普通自動扉は閉まる途中でも人が近づいたらそれを察知してまた開きますが、ここの自動扉は人が近づいても容赦なく閉まってしまうので注意が必要です。

劇場最後方右手より

正面後方より

劇場前方

花道、、と言っていいのかな。舞台下手から鳥屋口に至る通路。
私がこれまで見た劇場の中で最小・最狭の花道。

劇場下手前方から後方をみたところ。
私が目視で数えたところ、座席は全部で48ありました。
この他に使われていない折り畳みのパイプ椅子がありましたので、お客さんが多い場合は座席を臨時増設するのだと思います。

劇場の椅子

場内前方の座席には傾斜がついていません。
後方の席に少し段差が設けられています。

お手洗いは劇場外、階段の下

定式幕を開けた舞台の様子。
客席も舞台もコンパクトな劇場です。
狭めの舞台とはいえ、劇団あやめの初音きらら花形が例によってアクロバティックな前転・バク転をやることができる広さでした。
舞台の床にほとんど高さがありません。なのに客席に傾斜がないということは、、。
2列目以降のお客さんは前の席のお客さんの頭が邪魔でかなり見えにくいのは必定。
劇団あやめの役者さんも、舞台上で座ってしまうと後ろのお客さんが見えないので、なるべく座らないよう意識して演技していると言っていました。
当日は日曜の昼の部ということもあってか大勢のお客さんで賑わいました。
瓢箪山は活気のある商店街がある町。大衆演芸を受け入れる土壌があるでしょう。
ふだん大衆演劇を見ることのなかった地元のお客さんをたくさん取り込んでいるようですね。
この日の公演は、劇団あやめのいつもながらの迫力あるステージ。庶民的な町の皆さんにとって劇団あやめの派手派手なパフォーマンスは刺激になったことでしょう。
ところで私はこの町の名前「瓢箪山」がとても気になっておりました。
その名前の由来となった場所に行ってみました。

瓢箪山稲荷神社。
瓢箪山劇場の近くにあります。
このあたりには古墳群があり、その中でも6世紀に造られた最大の古墳(双円墳)をその形状から「瓢箪山古墳」と称するようになりました。この瓢箪山古墳の西斜面に建てられたのが瓢箪山稲荷神社です。ですからこの写真に見える社殿の奥が瓢箪山古墳ということになります。瓢箪山の地名はこの古墳に由来しているのです。
最近大衆演劇の口上挨拶で、大阪の大衆演劇界は苦境に立たされているとよく聞きます(特に夜の部の集客が厳しい)。業界を活気づけるために、これまで大衆演劇場がなかった場所、それも大衆の息吹が旺盛な場所に劇場をオープンさせるというのはとてもよいことだと思います。瓢箪山の駅周辺を歩いて、ここは芝居小屋が似合う街だと思いました。ただ、業界が沈んでゆくのと同調するかのように新しくできる劇場の質が落ちてゆくのは残念に思います。業界の経済規模が小さくなっているから大きな投資が難しいのはわかるのですが。。
瓢箪山劇場は正直クオリティが高いとはいえない劇場ですが、庶民の活気に抱かれたとてもよい立地にあります。東大阪にある気軽に寄れる芝居小屋として今後も賑わっていってほしいと思います。
(2022年7月探訪)