今宮戎神社の十日戎とたつみ演劇BOX宝恵かご道中
今宮戎神社の十日戎とたつみ演劇BOX宝恵かご道中
2020年1月10日、大阪へやってきました。
1月10日といえば関西で有名なお祭り「十日戎(とおかえびす」の日です。
「えべっさん」という呼び名の方が親しみやすいですね。
今宮戎神社の十日戎では「宝恵駕籠行列(ほえかごぎょうれつ)」という大規模な行列が行われます。
今年はたつみ演劇BOXがこの行列に参加するということで見物に来ました。

大阪ミナミの象徴的な場所、道頓堀川に架かる戎橋に来ました。グリコの巨大看板があるところです。
ここが宝恵駕籠行列のスタート地点となります。

戎橋に戎舞台が設けられています。

戎舞台の横に看板がかけられていました。
「戎橋」「戎舞台」の由来
戎橋の橋名の由来は、そもそもこの橋が、今宮戎神社への参詣の道路に架けられたことから「戎橋」の名が付けられたものです。
江戸時代には、毎年の十日戎に、市中の人々は皆この橋を渡って、戎さんに詣り、往き帰りの群衆で橋上は大へん賑わいました。
この戎舞台は、今宮戎神社と戎橋の、往昔からのこうした深いつながりに因んで、毎年一月十日の「十日戎」の祭日に、この場所に仮設される古例を復興したものです。

まず猿田彦を先頭として衣装を着飾った人々が大勢やってきました。
駕籠に乗る方々は船乗り込みにて参上します。
紅白幕に飾られた船が戎橋をくぐってやってきて行列出発地点に着岸しました。
出発のセレモニーが行われ、「ほえかご、ほえかご」という威勢のよい掛け声に乗って宝恵駕籠行列が始まりました。
たつみ演劇BOXは別の会場でイベントを行った後に宝恵駕籠行列に合流します。
私は本隊の出発を見届けた後、たつみ演劇BOXのセレモニー会場であるなんばパークスへ移動しました。

そのチラシ
今宮戎神社「十日戎」宝恵かご道中
新春トーク&舞踊ショー たつみ演劇BOX
と書かれています。

10時前になんばパークスJRA前に来ました。

たくさんの方が集まっています。
熱心な方は8時から来ていたそうです。
この会場では豪華景品があたる福引きが行われます。
たつみ演劇BOXファン以外では福引目当ての方が来ているようです。
福引抽選券は限定200枚。
10時10分頃スタッフが抽選券を配布し始めると、皆がスタッフのもとに群がります。
私も群がった末に抽選券を入手しました。
10時20分セレモニーが始まりました。
だが、また両座長は到着していない。
今回の企画は、浪速区商店会連盟が主催し、朝日劇場とたつみ演劇BOXの協力により実現したものです。
まずは浪速区商店会連盟会長より挨拶がありました。
その後、議員さん2名と浪速区長が挨拶しました。
でもまだ両座長は到着していない。
司会がなんとか場つなぎしているところに、小泉たつみ・小泉ダイヤ両座長到着!

挨拶する両座長

たつみ演劇BOXによる舞踊ショー
会場には両座長だけでなくTEBオールキャストが集まり、劇場での舞踊ショーさながらのステージが行われました。

11時頃舞踊ショーが終わった後はおまちかねの福引。
両座長が抽選箱から当たり番号をひきます。
残念ながら私ははずれ。

さてなんばパークスでのセレモニーが終わり、いよいよたつみ演劇BOX宝恵かご道中。
まずは女形のダイヤ座長が駕籠に乗り込みます。

まちに飛び出す旅役者(どこかできいたようなフレーズ)。

近くの駐車場、いやモータープールというべきか、ここで駕籠に乗る人がチェンジ。
たつみ座長が駕籠に入り、宝恵駕籠行列本隊の到着を待ちます。

賑やかに本隊の行列が到着しました。長い!
たつみ演劇BOX一行は本隊行列の中ほどに合流しました。

TEB座員も一緒に街中を練り歩きます。
TEBファンもTEBを取り巻いて一緒に移動。
今宮戎神社が近づいてきたところで、すべての駕籠に乗っていた方々は駕籠を降ります。

これがたつみ座長が載っていた駕籠。
たつみ座長は体が大きいのでずっとここにいるのが大変そうでした。

ここからは全員歩いての行列となります。

今宮戎神社
ここで行列はおしまい。
この後劇団の方々は祈祷を受けたそうです。
境内は参詣客で賑わい「商売繁盛で笹持ってこい」の掛け声が響き渡っています。

福笹授与所
多くの参詣者はこの福笹を持ち帰ります。

笹を受け取ったら福娘に飾り?をつけてもらいます。
我も我もと集まって福娘は大変そう。あと福娘を撮ろうとカメラを持って群がる男も多かった。

私が驚いたのは、神社の外、参拝客が通る道路に並ぶ屋台の数。
こんなにたくさん、そしてこんなに長く屋台が並んでいるのは見たことがない。
この後、旅芝居専門誌KANGEKIを発行しているアトム株式会社オフィスを表敬訪問。
KANGEKIを作っている現場を拝見させていただきました。
もとは旅芝居関係では衣装ケースを扱っていたのが、今では広く大衆演劇関係の事業を手掛けるようになったそうです。
私にとって垂涎ものの、今はどこにも売っていない昔の大衆演劇関係誌が本棚に並んでおりました。
アトムスタッフの皆さまありがとうございました。
聞くところによると「えべっさん」は夜の賑わいがすごいとのこと。
異様なテンションの人々が街に溢れているらしい。
なるほど。だったら、それを見ずして大阪のえべっさんを見てきたとはいえないな。

というわけで夜も今宮戎神社に来ました。

この日は平日。当然夜の方が仲間で繰り出してくる人が多い。
昼間とはまた違った活気に満ちています。
多くの者がこぞって本殿の裏の壁をばんばん叩いている。
あそこを叩くとなにかご利益があるのだろうか?
私もわけもわからず波のうねりのような群衆に揉まれながら壁を触ってきました。

さて、今回の大阪遠征で私は朝日劇場のたつみ演劇BOX公演も観ました。
朝日劇場のチラシのデザイン大好きです。
東京で見そびれていたあの「夜叉ケ池」が幸運にも私の滞在期間中にかかったのです。

久しぶりの朝日劇場。
* * *
「夜叉ケ池」
初演は数年前の辰巳小龍さんのお誕生日公演ですね。
すごい芝居だなと思いました。
まず大衆演劇でこれをやろうという志がすごい。さすが小龍さん。
泉鏡花の原作戯曲の台詞はとても難解だ。普段旅芝居役者が口にしている口調とはまるで違う。
大衆演劇役者にとってこの台詞を覚えるのは相当大変でしょう。
でも長い台詞をたやすく発しているたつみ座長すごい・・・。
舞台下手には大きな鐘楼。大道具の仕掛けにも感嘆した。朝日劇場のスタッフもすごい。
クライマックスは、これは本当に大衆演劇かと思わせる見事な照明と音響。大衆演劇の感想で「スペクタクル」という語を用いたくなる日がくるとは思わなかった。
いろいろすごいなと思ったのですけれど、正直申しまして私はこの芝居についてゆけていませんでした。
まったく予備知識なしで観てしまい、状況を追いきれず、鏡花の美文を味わう余裕がありませんでした。
ただ二役を演じた小龍さんには集中力を注いで観ていました。小龍さんの役者魂を感じているだけで私は幸せでした。
後日私は鏡花の原作戯曲を読みました。難しい。1913年(大正2年)に発表した戯曲とのこと。100年前との感覚の違いを埋める想像力が要求されます。
消化不良の観劇としないためには、鏡花の幻想世界に馴染んでおく必要がありました。
私は必ずや再度たつみ演劇BOXの「夜叉ケ池」を観たいと思います。そしてこの芝居にかける小龍さんの気合をしっかり受け止める自分でありたいと思います。

舞踊ショーでの辰巳小龍さん


この日は三河家諒さんがゲスト出演。
眷属の姥を演じました。

たつみ演劇BOXの辰巳小龍さんは人生において「心技体」が充実している時期にいらっしゃるのだと思います。
また何かすごいものをやってやろうという気力と体力をお持ちでしょう。
そんな期待を持ちつつ、ふだんの公演においても常に完成度の高いパフォーマンスをされる小龍さんを応援し続けたいと思います。
2020年1月10日、大阪へやってきました。
1月10日といえば関西で有名なお祭り「十日戎(とおかえびす」の日です。
「えべっさん」という呼び名の方が親しみやすいですね。
今宮戎神社の十日戎では「宝恵駕籠行列(ほえかごぎょうれつ)」という大規模な行列が行われます。
今年はたつみ演劇BOXがこの行列に参加するということで見物に来ました。

大阪ミナミの象徴的な場所、道頓堀川に架かる戎橋に来ました。グリコの巨大看板があるところです。
ここが宝恵駕籠行列のスタート地点となります。

戎橋に戎舞台が設けられています。

戎舞台の横に看板がかけられていました。
「戎橋」「戎舞台」の由来
戎橋の橋名の由来は、そもそもこの橋が、今宮戎神社への参詣の道路に架けられたことから「戎橋」の名が付けられたものです。
江戸時代には、毎年の十日戎に、市中の人々は皆この橋を渡って、戎さんに詣り、往き帰りの群衆で橋上は大へん賑わいました。
この戎舞台は、今宮戎神社と戎橋の、往昔からのこうした深いつながりに因んで、毎年一月十日の「十日戎」の祭日に、この場所に仮設される古例を復興したものです。

まず猿田彦を先頭として衣装を着飾った人々が大勢やってきました。
駕籠に乗る方々は船乗り込みにて参上します。
紅白幕に飾られた船が戎橋をくぐってやってきて行列出発地点に着岸しました。
出発のセレモニーが行われ、「ほえかご、ほえかご」という威勢のよい掛け声に乗って宝恵駕籠行列が始まりました。
たつみ演劇BOXは別の会場でイベントを行った後に宝恵駕籠行列に合流します。
私は本隊の出発を見届けた後、たつみ演劇BOXのセレモニー会場であるなんばパークスへ移動しました。

そのチラシ
今宮戎神社「十日戎」宝恵かご道中
新春トーク&舞踊ショー たつみ演劇BOX
と書かれています。

10時前になんばパークスJRA前に来ました。

たくさんの方が集まっています。
熱心な方は8時から来ていたそうです。
この会場では豪華景品があたる福引きが行われます。
たつみ演劇BOXファン以外では福引目当ての方が来ているようです。
福引抽選券は限定200枚。
10時10分頃スタッフが抽選券を配布し始めると、皆がスタッフのもとに群がります。
私も群がった末に抽選券を入手しました。
10時20分セレモニーが始まりました。
だが、また両座長は到着していない。
今回の企画は、浪速区商店会連盟が主催し、朝日劇場とたつみ演劇BOXの協力により実現したものです。
まずは浪速区商店会連盟会長より挨拶がありました。
その後、議員さん2名と浪速区長が挨拶しました。
でもまだ両座長は到着していない。
司会がなんとか場つなぎしているところに、小泉たつみ・小泉ダイヤ両座長到着!

挨拶する両座長

たつみ演劇BOXによる舞踊ショー
会場には両座長だけでなくTEBオールキャストが集まり、劇場での舞踊ショーさながらのステージが行われました。

11時頃舞踊ショーが終わった後はおまちかねの福引。
両座長が抽選箱から当たり番号をひきます。
残念ながら私ははずれ。

さてなんばパークスでのセレモニーが終わり、いよいよたつみ演劇BOX宝恵かご道中。
まずは女形のダイヤ座長が駕籠に乗り込みます。

まちに飛び出す旅役者(どこかできいたようなフレーズ)。

近くの駐車場、いやモータープールというべきか、ここで駕籠に乗る人がチェンジ。
たつみ座長が駕籠に入り、宝恵駕籠行列本隊の到着を待ちます。

賑やかに本隊の行列が到着しました。長い!
たつみ演劇BOX一行は本隊行列の中ほどに合流しました。

TEB座員も一緒に街中を練り歩きます。
TEBファンもTEBを取り巻いて一緒に移動。
今宮戎神社が近づいてきたところで、すべての駕籠に乗っていた方々は駕籠を降ります。

これがたつみ座長が載っていた駕籠。
たつみ座長は体が大きいのでずっとここにいるのが大変そうでした。

ここからは全員歩いての行列となります。

今宮戎神社
ここで行列はおしまい。
この後劇団の方々は祈祷を受けたそうです。
境内は参詣客で賑わい「商売繁盛で笹持ってこい」の掛け声が響き渡っています。

福笹授与所
多くの参詣者はこの福笹を持ち帰ります。

笹を受け取ったら福娘に飾り?をつけてもらいます。
我も我もと集まって福娘は大変そう。あと福娘を撮ろうとカメラを持って群がる男も多かった。

私が驚いたのは、神社の外、参拝客が通る道路に並ぶ屋台の数。
こんなにたくさん、そしてこんなに長く屋台が並んでいるのは見たことがない。
この後、旅芝居専門誌KANGEKIを発行しているアトム株式会社オフィスを表敬訪問。
KANGEKIを作っている現場を拝見させていただきました。
もとは旅芝居関係では衣装ケースを扱っていたのが、今では広く大衆演劇関係の事業を手掛けるようになったそうです。
私にとって垂涎ものの、今はどこにも売っていない昔の大衆演劇関係誌が本棚に並んでおりました。
アトムスタッフの皆さまありがとうございました。
聞くところによると「えべっさん」は夜の賑わいがすごいとのこと。
異様なテンションの人々が街に溢れているらしい。
なるほど。だったら、それを見ずして大阪のえべっさんを見てきたとはいえないな。

というわけで夜も今宮戎神社に来ました。

この日は平日。当然夜の方が仲間で繰り出してくる人が多い。
昼間とはまた違った活気に満ちています。
多くの者がこぞって本殿の裏の壁をばんばん叩いている。
あそこを叩くとなにかご利益があるのだろうか?
私もわけもわからず波のうねりのような群衆に揉まれながら壁を触ってきました。

さて、今回の大阪遠征で私は朝日劇場のたつみ演劇BOX公演も観ました。
朝日劇場のチラシのデザイン大好きです。
東京で見そびれていたあの「夜叉ケ池」が幸運にも私の滞在期間中にかかったのです。

久しぶりの朝日劇場。
* * *
「夜叉ケ池」
初演は数年前の辰巳小龍さんのお誕生日公演ですね。
すごい芝居だなと思いました。
まず大衆演劇でこれをやろうという志がすごい。さすが小龍さん。
泉鏡花の原作戯曲の台詞はとても難解だ。普段旅芝居役者が口にしている口調とはまるで違う。
大衆演劇役者にとってこの台詞を覚えるのは相当大変でしょう。
でも長い台詞をたやすく発しているたつみ座長すごい・・・。
舞台下手には大きな鐘楼。大道具の仕掛けにも感嘆した。朝日劇場のスタッフもすごい。
クライマックスは、これは本当に大衆演劇かと思わせる見事な照明と音響。大衆演劇の感想で「スペクタクル」という語を用いたくなる日がくるとは思わなかった。
いろいろすごいなと思ったのですけれど、正直申しまして私はこの芝居についてゆけていませんでした。
まったく予備知識なしで観てしまい、状況を追いきれず、鏡花の美文を味わう余裕がありませんでした。
ただ二役を演じた小龍さんには集中力を注いで観ていました。小龍さんの役者魂を感じているだけで私は幸せでした。
後日私は鏡花の原作戯曲を読みました。難しい。1913年(大正2年)に発表した戯曲とのこと。100年前との感覚の違いを埋める想像力が要求されます。
消化不良の観劇としないためには、鏡花の幻想世界に馴染んでおく必要がありました。
私は必ずや再度たつみ演劇BOXの「夜叉ケ池」を観たいと思います。そしてこの芝居にかける小龍さんの気合をしっかり受け止める自分でありたいと思います。

舞踊ショーでの辰巳小龍さん


この日は三河家諒さんがゲスト出演。
眷属の姥を演じました。

たつみ演劇BOXの辰巳小龍さんは人生において「心技体」が充実している時期にいらっしゃるのだと思います。
また何かすごいものをやってやろうという気力と体力をお持ちでしょう。
そんな期待を持ちつつ、ふだんの公演においても常に完成度の高いパフォーマンスをされる小龍さんを応援し続けたいと思います。