岩手県にある全国屈指のゴーヂャス大衆演劇場 「森の風鶯宿」
岩手県にある全国屈指のゴーヂャス大衆演劇場 「森の風鶯宿」
今回は大衆演劇場密度がたいへん薄い東北地方の探訪レポートです。
東北地方の大衆演劇場砂漠化が着実に進んでおります。
郡山にあった常打ちセンターの東洋健康センターが2017年に閉館。同じく福島県の常打ちセンターカッパ王國も2020年8月末で閉館。福島の大衆演劇場は都市近郊にはなくなり、到達するのにになかなか骨が折れる温泉地での不定期公演のみとなります。福島の北、大都市仙台がある宮城県が常打ちも単発も劇場ゼロ。演劇グラフ2005年1月号の特集「おっかけガイド」では釜房温泉さくら劇場が宮城県唯一の大衆演劇場として紹介されていましたが2007年には廃業した模様。山形県も大衆演劇場はほぼないに等しい。あの仙台ですらペンペン草一本も生えない宮城・山形の大衆演劇場大砂漠が福島にまで南下しているのです。
その北の岩手県が最近注目のエリア。一関には東北で貴重な常打ち大衆演劇場「山桜桃の湯」があります。桃の湯を縁として、一関の近く(所在は宮城県)にとんかつ屋さんが店内に「金太郎劇場」を設けたのはすでにブログでお伝えしたとおり。2020年1月には北上市に待望の常打ちセンター「ま~す北上」が生まれました。
今回レポートしますのは、雫石町にある高級リゾートホテル「森の風 鶯宿(おうしゅく)」です。ここでは2018年から大衆演劇の単発公演が行われています。

東京から新幹線で盛岡へ。
この写真は東口から見た盛岡駅。
森の風鶯宿の送迎バスはこちらとは逆の西口から出ます。

盛岡駅西口バスターミナル
森の風鶯宿の青い送迎バスが見えます

送迎バスに乗って移動。
鶯宿温泉街は雫石中心地の南にあります。
「ようこそ 鶯宿温泉」の看板が見えてきました。

盛岡駅から約40分で到着しました。
森の風鶯宿は「森の館」「風の館」「うぐいすの館」から構成されます。この写真はメインゲートのある森の館です。でかい!
まだチェックインには早い時間。
大衆演劇が始まる時間までも2時間以上あります。
界隈を散歩しました。

森の風鶯宿は小高い丘の上にあります。
それがわかる場所まで降りて写真をとりました。
大自然の中に森の風の大きな建物が建っているのがわかると思います。
メイン建物の森の館はこの上の写真の反対の側面が見えています。

ホテル敷地内にて。
広大な土地を活用したスケールの大きいホテルであることがわかるでしょう。

敷地にはフラワー&ガーデン森の風という瀟洒な庭が広がっています。
ホテルのパンフレットには「世界的なランドスケープアーティストである石原和幸氏による日本最大級の本格的ガーデニング公園です」と書かれています。

花畑

これはメイン建物の森の館の窓から見下ろしたガーデンの景色
ではホテルの中も探検してみましょう

フロントがあるメインエントランス。
ゴーヂャス

ロビー
ここもゴーヂャス

和モダンな空間もゴーヂャス

大衆演劇昼の部は13時から。
そろそろ開場時間ですので、気になる大衆演劇場に行ってみましょう
森の館3階にある大宴会場「岩鷲」の入口。

岩鷲のロビー
広い。このロビーの空間だけで芝居小屋できるんじゃないか。

開場時間までこのゴーヂャスソファで待つことができますね

ここで靴を脱いで岩鷲に向かいます。
奥の襖の松が殿中な雰囲気を出しています。

場内
カーペット&椅子で洋館仕様になっていました。
ここも広いです!

客席の椅子

前方は指定席。
約50ある指定席は完売しておりました。

前方
花道が設けられております。

場内右手に投光3器設置

場内にジュース・お菓子売り場が設置されていました。
おお、ここは庶民的!
高級ホテルであっても、大衆演劇場内のこういうコーナーは大事。おさえるところおさえてますねー。

今月の森の風の単発公演を請け負っているのは劇団錦。
錦一座薄皮栗まんじゅうが売っていました。

鶯宿温泉街は盛岡駅から離れていますし、交通の便がよいところにあるわけではありません。むしろリゾートの観光客がくつろぎを求めてやってくるような大自然の中にあります。
大衆演劇の公演をやっても地元の方がそんなに集まらないのでは?・・・という私の直感は見事に外れ、開演時間が近づきますとどんどんお客さんがやってきて、あの広い会場の客席がほぼ埋まりました。
岩手いや東北の旅芝居ポテンシャルの高さが見えた気がしました。
13時開演
第一部:お芝居
第二部:舞踊ショー

錦はやと座長
私は後ろの方の席で舞台から遠く、持っていたカメラもコンパクトデジカメでしたが、比較的キレイに役者さんを写すことができました。
この会場の照明がしっかりしていることの証左です。

カムイ☆龍虎若座長
今は単にカムイという名になったのでしょうか。☆がとれただけ?
この時にはまだカムイ☆龍虎名義でした。

公演中の様子

昼の部の公演が終わってチェックイン

大浴場入口
大自然を眺めることができる露天風呂があります

ここはお祭り広場
毎日イベントが開催されているよう

今回私は
【劇団錦一座 観劇付き】森の風特別公演2019!温泉&観劇満喫♪ご夕食は季節の創作和食
というプランにて宿泊いたしました。
温泉も観劇も楽しんで、残る楽しみは季節の創作和食!
夕食開場へ向かいました。
前菜-椀物-造り-中皿-揚物-焼物-食事-留椀-水菓子-甘味・コーヒー
以上のコースを
エレガントな女性スタッフが気品ある佇まいで一皿ずつ提供してくれました。
その一部を写真でご紹介しましょう。

前菜:胡麻豆腐/丸十の檸檬煮/網茸みぞれ和え/合鴨のスモーク/秋刀魚柚子庵焼き

中皿:太刀魚グリル 葱ベシャメルソース 香草バター風味 パン添え

焼物:岩手県産黒毛和牛の焼きしゃぶ 野菜添え 特性タレ

水菓子:モンブラン特製ブラマンジェ

夜はあの広大なガーデンにイルミネーションが灯ります。
私はイルミネーションが好きなのでここで過ごす時間がとてもよかった。

劇団錦夜の部はお祭り広場での舞踊ショー(約30分)
カムイ☆龍虎若座長を中心に若手が踊りました

あるお客さんが、踊っている役者の足元に割りばしおひねりを置きました。
このような旅役者を愛でる文化、気に入った旅芸人にご祝儀する文化を日本全国津々浦々絶やさないためにも、地方での単発公演には意義があると思います。

劇団錦の舞踊ショーの後に太鼓ショーと民謡歌手による唄のショーがあります。
太鼓を叩いているのは、、おお、あの食事会場のエレガントお姉さん!
太鼓衣裳を着て踊るように元気よく太鼓を叩いています。この時の私のグッとくる感は大衆演劇をよく見る方ならご推察いただけるでしょう。芝居で三枚目だった役者が舞踊ショーでクール美形になるあのギャップが与える感興のような。

太鼓ショーの後は餅つき大会。
子供たちや外国人観光客は喜んで参加しています。
ついたお餅はきな粉をまぶしてお客さんに振舞われました。

お祭り広場、最後は踊り大会。民謡歌手の炭坑節に合わせてスタッフとお客さんが一緒になって輪になって踊ります。エレガントお姉さんも踊っていました。
イベントが終わったら再度温泉へ。
湯上り処に無料のアイスキャンデーが用意されています。
満喫度の高い一日でした。

森の風鶯宿はじゃらんで泊まってよかった宿大賞(岩手県1位)に輝いたのですね。
大いに納得します。
岩手県の単発大衆演劇会場は、全国屈指のゴーヂャス公演地でした。
そして多くのお客さんで賑わっていました。
是非絶えることなく続いていってほしいです。
(2019年9月探訪)
今回は大衆演劇場密度がたいへん薄い東北地方の探訪レポートです。
東北地方の大衆演劇場砂漠化が着実に進んでおります。
郡山にあった常打ちセンターの東洋健康センターが2017年に閉館。同じく福島県の常打ちセンターカッパ王國も2020年8月末で閉館。福島の大衆演劇場は都市近郊にはなくなり、到達するのにになかなか骨が折れる温泉地での不定期公演のみとなります。福島の北、大都市仙台がある宮城県が常打ちも単発も劇場ゼロ。演劇グラフ2005年1月号の特集「おっかけガイド」では釜房温泉さくら劇場が宮城県唯一の大衆演劇場として紹介されていましたが2007年には廃業した模様。山形県も大衆演劇場はほぼないに等しい。あの仙台ですらペンペン草一本も生えない宮城・山形の大衆演劇場大砂漠が福島にまで南下しているのです。
その北の岩手県が最近注目のエリア。一関には東北で貴重な常打ち大衆演劇場「山桜桃の湯」があります。桃の湯を縁として、一関の近く(所在は宮城県)にとんかつ屋さんが店内に「金太郎劇場」を設けたのはすでにブログでお伝えしたとおり。2020年1月には北上市に待望の常打ちセンター「ま~す北上」が生まれました。
今回レポートしますのは、雫石町にある高級リゾートホテル「森の風 鶯宿(おうしゅく)」です。ここでは2018年から大衆演劇の単発公演が行われています。

東京から新幹線で盛岡へ。
この写真は東口から見た盛岡駅。
森の風鶯宿の送迎バスはこちらとは逆の西口から出ます。

盛岡駅西口バスターミナル
森の風鶯宿の青い送迎バスが見えます

送迎バスに乗って移動。
鶯宿温泉街は雫石中心地の南にあります。
「ようこそ 鶯宿温泉」の看板が見えてきました。

盛岡駅から約40分で到着しました。
森の風鶯宿は「森の館」「風の館」「うぐいすの館」から構成されます。この写真はメインゲートのある森の館です。でかい!
まだチェックインには早い時間。
大衆演劇が始まる時間までも2時間以上あります。
界隈を散歩しました。

森の風鶯宿は小高い丘の上にあります。
それがわかる場所まで降りて写真をとりました。
大自然の中に森の風の大きな建物が建っているのがわかると思います。
メイン建物の森の館はこの上の写真の反対の側面が見えています。

ホテル敷地内にて。
広大な土地を活用したスケールの大きいホテルであることがわかるでしょう。

敷地にはフラワー&ガーデン森の風という瀟洒な庭が広がっています。
ホテルのパンフレットには「世界的なランドスケープアーティストである石原和幸氏による日本最大級の本格的ガーデニング公園です」と書かれています。

花畑

これはメイン建物の森の館の窓から見下ろしたガーデンの景色
ではホテルの中も探検してみましょう

フロントがあるメインエントランス。
ゴーヂャス

ロビー
ここもゴーヂャス

和モダンな空間もゴーヂャス

大衆演劇昼の部は13時から。
そろそろ開場時間ですので、気になる大衆演劇場に行ってみましょう
森の館3階にある大宴会場「岩鷲」の入口。

岩鷲のロビー
広い。このロビーの空間だけで芝居小屋できるんじゃないか。

開場時間までこのゴーヂャスソファで待つことができますね

ここで靴を脱いで岩鷲に向かいます。
奥の襖の松が殿中な雰囲気を出しています。

場内
カーペット&椅子で洋館仕様になっていました。
ここも広いです!

客席の椅子

前方は指定席。
約50ある指定席は完売しておりました。

前方
花道が設けられております。

場内右手に投光3器設置

場内にジュース・お菓子売り場が設置されていました。
おお、ここは庶民的!
高級ホテルであっても、大衆演劇場内のこういうコーナーは大事。おさえるところおさえてますねー。

今月の森の風の単発公演を請け負っているのは劇団錦。
錦一座薄皮栗まんじゅうが売っていました。

鶯宿温泉街は盛岡駅から離れていますし、交通の便がよいところにあるわけではありません。むしろリゾートの観光客がくつろぎを求めてやってくるような大自然の中にあります。
大衆演劇の公演をやっても地元の方がそんなに集まらないのでは?・・・という私の直感は見事に外れ、開演時間が近づきますとどんどんお客さんがやってきて、あの広い会場の客席がほぼ埋まりました。
岩手いや東北の旅芝居ポテンシャルの高さが見えた気がしました。
13時開演
第一部:お芝居
第二部:舞踊ショー

錦はやと座長
私は後ろの方の席で舞台から遠く、持っていたカメラもコンパクトデジカメでしたが、比較的キレイに役者さんを写すことができました。
この会場の照明がしっかりしていることの証左です。

カムイ☆龍虎若座長
今は単にカムイという名になったのでしょうか。☆がとれただけ?
この時にはまだカムイ☆龍虎名義でした。

公演中の様子

昼の部の公演が終わってチェックイン

大浴場入口
大自然を眺めることができる露天風呂があります

ここはお祭り広場
毎日イベントが開催されているよう

今回私は
【劇団錦一座 観劇付き】森の風特別公演2019!温泉&観劇満喫♪ご夕食は季節の創作和食
というプランにて宿泊いたしました。
温泉も観劇も楽しんで、残る楽しみは季節の創作和食!
夕食開場へ向かいました。
前菜-椀物-造り-中皿-揚物-焼物-食事-留椀-水菓子-甘味・コーヒー
以上のコースを
エレガントな女性スタッフが気品ある佇まいで一皿ずつ提供してくれました。
その一部を写真でご紹介しましょう。

前菜:胡麻豆腐/丸十の檸檬煮/網茸みぞれ和え/合鴨のスモーク/秋刀魚柚子庵焼き

中皿:太刀魚グリル 葱ベシャメルソース 香草バター風味 パン添え

焼物:岩手県産黒毛和牛の焼きしゃぶ 野菜添え 特性タレ

水菓子:モンブラン特製ブラマンジェ

夜はあの広大なガーデンにイルミネーションが灯ります。
私はイルミネーションが好きなのでここで過ごす時間がとてもよかった。

劇団錦夜の部はお祭り広場での舞踊ショー(約30分)
カムイ☆龍虎若座長を中心に若手が踊りました

あるお客さんが、踊っている役者の足元に割りばしおひねりを置きました。
このような旅役者を愛でる文化、気に入った旅芸人にご祝儀する文化を日本全国津々浦々絶やさないためにも、地方での単発公演には意義があると思います。

劇団錦の舞踊ショーの後に太鼓ショーと民謡歌手による唄のショーがあります。
太鼓を叩いているのは、、おお、あの食事会場のエレガントお姉さん!
太鼓衣裳を着て踊るように元気よく太鼓を叩いています。この時の私のグッとくる感は大衆演劇をよく見る方ならご推察いただけるでしょう。芝居で三枚目だった役者が舞踊ショーでクール美形になるあのギャップが与える感興のような。

太鼓ショーの後は餅つき大会。
子供たちや外国人観光客は喜んで参加しています。
ついたお餅はきな粉をまぶしてお客さんに振舞われました。

お祭り広場、最後は踊り大会。民謡歌手の炭坑節に合わせてスタッフとお客さんが一緒になって輪になって踊ります。エレガントお姉さんも踊っていました。
イベントが終わったら再度温泉へ。
湯上り処に無料のアイスキャンデーが用意されています。
満喫度の高い一日でした。

森の風鶯宿はじゃらんで泊まってよかった宿大賞(岩手県1位)に輝いたのですね。
大いに納得します。
岩手県の単発大衆演劇会場は、全国屈指のゴーヂャス公演地でした。
そして多くのお客さんで賑わっていました。
是非絶えることなく続いていってほしいです。
(2019年9月探訪)