平成の終わりに生まれたショッピングモール内の劇場 「なら香芝 天満座」
平成の終わりに生まれたショッピングモール内の劇場 「なら香芝 天満座」
大衆演劇場は「劇場」と「センター」に大別されますが、「劇場」の形態はここ10年で大きな変化を見せています。かつては芝居小屋として単独の建物であることが一般的でしたが、ここ数年はテナント型劇場が増えてきました。
今回訪ねる「なら香芝天満座」はその象徴といえるでしょう。
奈良県香芝(かしば)市の「じゃんぼスクエア香芝」というショッピングモール内にあります。
なら香芝天満座の最寄駅はふたつ。
近鉄下田駅とJR香芝駅。近鉄下田駅の方が近い。

近鉄下田駅前広場

近鉄下田駅から徒歩で約5分
じゃんぼスクエア香芝が見えてきました。
約40の専門店からなる大きな商業施設です。

じゃんぼスクエア香芝に入ります

エスカレーターで劇場がある2階に上がりました。
いかにもデパートなどにありそうなフロア案内板

壁に公演ポスターが貼ってありました。
この貼り方、いかにも天満座って感じがします。

じゃんぼスクエア香芝は2階建てではありますが、中央部分は吹き抜けになっています。

2階天満座スペース前の通路

受付

受付で木戸銭を払って右に目をやるとディスプレイがありました。
ほとんどがシングルCDとカセットテープ…。この劇場って昨年できたばかりではなかった?なぜここに置いてある?売っているのかなあ。とにかくシブすぎる品揃え。真山一郎全曲集、鏡五郎「天野屋利兵衛」etc.…

劇場入口

劇場内後方より
天満座おなじみの黄色い座席台

劇場前方

いかにも天満座なつくり

立派な花道がしつらえてあります

貸出ブランケット
何から何までザッツ天満座な劇場、と思っていましたが、私が訪ねたときはちょうど運営者が変わったばかりのタイミングでした。
2018年にオープンしたものの、客の入りがのびず、小屋をたたもうという話がでた際に、泉州座が運営に乗り出したようです。入口も明るくつくりなおして入りやすくしたとか。

それまで昼の部・夜の部の1日2部公演だったのが、昼の部とその後に続くイブニング公演(1時間の舞踊)という公演形態に変わりました。
「芝居+舞踊」の本公演の後に、もっとショーを観たいお客さんをターゲットに追加舞踊ショー公演を行うというスタイルが現れ始めたのは、現代の大衆演劇業界の世相といえるでしょう。

この日の公演は市川ひと丸劇団。
私好みの芝居と舞踊。四代目座長の公演をもっと観たい。
首都圏に関西の劇団が乗る劇場が増えないかと、いつもながらに思います。

ラストショー
ショッピングモール内という立地とイブニングショー。
大衆演劇業界史の観点から平成という時代の終焉をとらえるとしたら私はこの劇場を思い浮かべるでしょう。
(2019年8月探訪)
大衆演劇場は「劇場」と「センター」に大別されますが、「劇場」の形態はここ10年で大きな変化を見せています。かつては芝居小屋として単独の建物であることが一般的でしたが、ここ数年はテナント型劇場が増えてきました。
今回訪ねる「なら香芝天満座」はその象徴といえるでしょう。
奈良県香芝(かしば)市の「じゃんぼスクエア香芝」というショッピングモール内にあります。
なら香芝天満座の最寄駅はふたつ。
近鉄下田駅とJR香芝駅。近鉄下田駅の方が近い。

近鉄下田駅前広場

近鉄下田駅から徒歩で約5分
じゃんぼスクエア香芝が見えてきました。
約40の専門店からなる大きな商業施設です。

じゃんぼスクエア香芝に入ります

エスカレーターで劇場がある2階に上がりました。
いかにもデパートなどにありそうなフロア案内板

壁に公演ポスターが貼ってありました。
この貼り方、いかにも天満座って感じがします。

じゃんぼスクエア香芝は2階建てではありますが、中央部分は吹き抜けになっています。

2階天満座スペース前の通路

受付

受付で木戸銭を払って右に目をやるとディスプレイがありました。
ほとんどがシングルCDとカセットテープ…。この劇場って昨年できたばかりではなかった?なぜここに置いてある?売っているのかなあ。とにかくシブすぎる品揃え。真山一郎全曲集、鏡五郎「天野屋利兵衛」etc.…

劇場入口

劇場内後方より
天満座おなじみの黄色い座席台

劇場前方

いかにも天満座なつくり

立派な花道がしつらえてあります

貸出ブランケット
何から何までザッツ天満座な劇場、と思っていましたが、私が訪ねたときはちょうど運営者が変わったばかりのタイミングでした。
2018年にオープンしたものの、客の入りがのびず、小屋をたたもうという話がでた際に、泉州座が運営に乗り出したようです。入口も明るくつくりなおして入りやすくしたとか。

それまで昼の部・夜の部の1日2部公演だったのが、昼の部とその後に続くイブニング公演(1時間の舞踊)という公演形態に変わりました。
「芝居+舞踊」の本公演の後に、もっとショーを観たいお客さんをターゲットに追加舞踊ショー公演を行うというスタイルが現れ始めたのは、現代の大衆演劇業界の世相といえるでしょう。

この日の公演は市川ひと丸劇団。
私好みの芝居と舞踊。四代目座長の公演をもっと観たい。
首都圏に関西の劇団が乗る劇場が増えないかと、いつもながらに思います。

ラストショー
ショッピングモール内という立地とイブニングショー。
大衆演劇業界史の観点から平成という時代の終焉をとらえるとしたら私はこの劇場を思い浮かべるでしょう。
(2019年8月探訪)