WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 秩父の独立峰の中腹 大自然に囲まれた温泉宿での単発公演 「いこいの村ヘリテイジ美の山」
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秩父の独立峰の中腹 大自然に囲まれた温泉宿での単発公演 「いこいの村ヘリテイジ美の山」

秩父の独立峰の中腹 大自然に囲まれた温泉宿での単発公演 「いこいの村ヘリテイジ美の山」

埼玉県の秩父にある温泉宿「いこいの村ヘリテイジ美の山」を訪ねました。
「美の山」は「みのやま」と読みます。

独立峰である蓑山(みのやま)の山頂に桜を植樹し「美の山公園」が昭和54年に開園しました。美の山公園は雲海の絶景が見られるスポットとして有名です。ヘリテイジ美の山は蓑山の中腹にあります。

最寄駅は秩父鉄道皆野駅。そこから5キロ近くあります。山登りですし駅から歩いて行くという選択肢はない。路線バスはありません。送迎について問い合わせると、ヘリテイジ美の山の団体客の送迎のタイミングに合わせれば皆野駅で拾ってもらえるようでした。時間を自由に使いたかったのでレンタカーで行くことにしました。

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皆野町に入り国道を進む。「皆野町役場入口」交差点に「美の山公園」の案内表示とヘリテイジ美の山の看板があります。看板には「人情時代劇 3/15迄公演中」と書かれています。ここを左折します。

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山道をくねくね登ってゆくと、ヘリテイジ美の山の建物が見えました。

時間に余裕があったので、いったん通り過ぎて美の山公園まで行ってみました。景色がよいことで有名な公園ですが、この日は天気が悪く霞がかっていて、残念ながらブログに載せたくなるような写真は撮れませんでした。

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ヘリテイジ美の山の広い駐車場に駐車して入口へ。

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フロントの上に、若姫劇団のタペストリーが飾ってあります。
そう、私は久しぶりの観劇となる若姫劇団を見るためにここまで来たのです。

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若姫劇団公演の案内幕。若姫劇団は昨年もヘリテイジ美の山で公演を行いました。

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1階ラウンジ
こことは別に開場時間まで待つための部屋が設けられていました。

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2階のけやきの間が会場です。
開場時間は11時45分。

それまで天然温泉に入りました。

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温泉から上がって廊下の窓の外に目をやると、メタセコイアの木の手前に「鳥行水場」と「鳥エサ台」が見えました。いかにも自然公園の近くという感じがします。その奥に何やら看板が見える。「散策路 絶景まで5分」と書いてある。そんなこと書かれたら行かざるを得ない。

いったん館を出て、散策路へ。ハイキングコースのような山の中の道を歩いて行く

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道の先にとてもわかりやすい絶景ポイントを見つけました。

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そこからの風景。ヘリテイジ美の山の全容がわかります。その背後の見晴らしがとてもよい。

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建物のむこうに山地に囲まれた町が見える。霞ががかっていてきれいに見えないのが残念だ。
条件がそろえばここからも雲海の絶景が見えるのかな(見えたとしてもここは宿の私有地なのでお客さん以外が立ち入ることはできません)。
また、宿の口コミでは夜景や星空鑑賞ツアーが人気のようですね。

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11時45分にけやきの間が開場しました。
廊下で待っていた大勢のご老人がいっせいに入場しました。
入口にビニール袋があります。ここで靴を脱いでビニール袋に入れて持参して中に入ります。

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会場後方のテーブル席。
机の上にはすでにお弁当が配膳されている。

若姫劇団の公演観劇は完全予約制。
お弁当+温泉付きの日帰りプランか、1泊2食の宿泊プラン。
チラシを見る限りふらっと観劇だけ来るというのはないようです。

この日は、ざっと70人くらいのお客さんで会場は賑わっていました。

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会場前方は低いテーブル席。

フロントで受付したときに席番号を書いた紙を受け取ります。それと同じ番号札が置かれている席を探して着席。やがてスタッフが紙を回収に来て、食事の準備を進めてくれます。

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舞台の緞帳。味わい深い昭和デザイン。電動で上に開く仕様。

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日帰りプランのお弁当

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お酒やお菓子は後方で買うことができます。

13:00になり若姫劇団の公演が始まりました。
第1部は人情時代劇。この日の外題は「悲恋 十九の春」。

休憩をはさんで14:30~15:30が第2部華の舞踊絵巻

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舞踊ショートップを飾る愛望美座長
幕には「若姫劇団 夢の配達人 愛望美」と書かれています。

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愛望美座長
立ち役がかっこいい

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愛美萌恵副座長

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愛美舞

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若姫有姫(あき)
小学校6年生
この日は芝居も舞踊もしっかりこなしていてとても小学生には思えなかった。
私が以前見たのは6歳のときでした。あまりの成長ぶりに驚きました。

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愛望美座長の番場の忠太郎。
これぞ大衆演劇!と思わせるかっこよさ。

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ラストショー
若姫劇団4名と助っ人の男性役者1名の5名による舞台でした。


この公演でとても印象的だったのが秩父のお客さんの和やかさ。
芝居が始まってもそこらじゅうで話し声が聞こえたりして、私は観劇マナーが気になり、ここのお客さんは観劇慣れしていないのかななどと思ったりしましたが、だんだんとここに来ているお客さんは芝居や芸事を観るのが好きな方が多いんだろうなと思うようになりました。平均年齢60超えだろう客席のみなさんがとても楽しくくつろいでいるのが伝わってくる。特別な場に来たのではなく、日常のこととして観劇に触れいてる感じがする。お客さんが劇団を見に来ているのではなく、地元のお客さんの集会に劇団員がおじゃましているかのようだ。座長のトークにもいちいちよく反応する。座長に客席から話しかけるお客さんが多い。これだけレスポンスが良いと劇団もうれしいことでしょう。
舞踊ショーでは、いわゆるハンチョウはなかったけれど、思い付きっぽい掛け声をかけたり、客席に下りてきた役者の手に直接たたんだ千円札握らせたり、地方単発公演ならではの光景を目にしました。劇場で劇団ファンが見守る中ではレイを付けるタイミングに気をつかうけれども、ここでは皆さん思い思いのタイミングでレイを付けに行っている感じがいい。皆さんマイペースだ。そして他人のマイペース対して寛容だ。
劇団とお客さんの垣根が低い。日常の延長としての楽しい場をみんな(役者もお客さんも)がマイペースに過ごす。これが大衆演劇の理想の姿なのではないか。秩父の人々は伝統芸能へ親しみが深いのだろうなと憶測しました。

帰りに秩父の町を少し散歩しました。

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秩父に来て、見つけたら必ず買うのがちちぶ餅。やわらかくてあんこがたくさん入っていて美味しい。
駅の売店は売り切れてしまうことがあるので、今回は道の駅ちちぶで購入しました。

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そして秩父といえは「みそぽてと」
これを食べないと秩父に来た気がしない。
ちなみに、秩父市のゆるキャラはみそぽてとをモチーフとした「ポテくまくん」です。
秩父のソウルフードでは「わらじカツ」というのも有名です。

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秩父は蕎麦屋さんがたくさんあります。
くるみそばが有名ですけれども、入った店にはなかったので普通の蕎麦をいただいて帰りました。

秩父には三十四の観音霊場(札所)があります。
観音霊場は西国33、坂東33、秩父34で全部まわると100になります。私は全部巡ることを生涯の目標としています。
秩父は札所が秩父界隈にしかないので全部巡りやすい。徒歩と路線バスで巡ると最低5日かかります。つまり1回巡るためには5回秩父に通わなくてはなりません。私は過去に2回巡って、現在3回目を巡っている途中。ですので今回私が秩父に来たのは十数回目になります。
秩父観音霊場の最後の札所が水潜寺(たどり着くまでハード)で、最寄駅の皆野駅から帰ることになります。ですから私にとって皆野は充実感とぐったり感が混ざった自分がいるイメージでした。近くに美の山公園という名所があることは今回探訪するまで知りませんでした。

(2019年3月探訪)

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東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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