WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 豊富な湯量の温泉と大衆演劇特化の専用劇場 「桃太郎温泉」
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豊富な湯量の温泉と大衆演劇特化の専用劇場 「桃太郎温泉」

今回は岡山県の大衆演劇場「桃太郎温泉」を目指します。

桃太郎温泉のホームページに「岡山桃太郎温泉送迎バス路線」という案内を入手できます。
それによると、JR岡山駅西口からは9:00および10:30に送迎バスが出発するようです。

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週末の連休の初日の土曜日に岡山駅西口バス乗り場に来ました。
「湯迫温泉健康村」「やま幸」や閉館したらしい「乃利武」への送迎バスもここが乗り場でした。

ところが10:30近くになっても桃太郎温泉の送迎バスがこない。
渋滞で遅れてるのかもしれないと思ってしばらく待つ。
10:40になってもこない。おかしい。桃太郎温泉に電話をする。
「バスは10:00出発です。10:30に出るのは日曜日です」
なんじゃそりゃ~。バス案内には「毎日」としっかり書いてあるではないか。

まあ、こういうことは大衆演劇界では珍しいことではない。
HPで予告されていた演題が行ってみたら変わっていたり、
HPに書いていないのに、開演時間が変更になっていたり、公演が休みになっていたり。

路線バスで桃太郎温泉に向かうことにしました。

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岡山駅の東口のバスターミナルに移動して、宇野バスを利用します。
先ほどの電話での指示では「黒田団地」というバス停で降りるとのこと。

団地?
私は桃太郎温泉が郊外の民家が少なめのところ、言ってしまえばひなびたところにあると勝手に想像していました(湯迫温泉や乃利武がそうだったので)。集合住宅が並ぶ街中にあるのだろうか。

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バスは岡山駅を出発すると北の方に向かいました。

市街地を過ぎると車窓はどんどん田舎っぽくなってゆく。
どうみてもこの先に「団地」が出現するとは思えない。
自然の景色を目で追いながら路線バスに揺られるという旅の旅情は好きなのだけれども、今はバスを間違えているのではないかと気がかりで落ち着かない。

心配しましたがバスは無事「黒田団地」というバス停に停車してくれました。

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バス亭のまさに目の前に桃太郎温泉がありました。

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桃太郎温泉と併設のホテル
桃太郎温泉は幹線道路沿いにあります。

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ちょっと離れた場所から。
どこに「黒田団地」があるのだい?
団地の謎は結局解けずじまいでした。

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「大衆演劇開催中」
お~やってるやってる

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「湯元」がありました。
平成6年にカナダ油田採掘企業総勢25名が採掘を行い、温泉日量450tを湧出することに成功した、と館内の案内に書いてありました。この豊富な湯量により、岡山県初の全浴槽かけ流しで営業しているとのことです。

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温泉運搬車もありました。

では桃太郎温泉館内に入ります。

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受付を済ませて進むと正面に歓迎のパネルと館内図。
2階建ての施設で、1階に温泉施設、2階に大衆演劇施設があります。

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超ミネラルウォーター。
飲むと桃太郎のように元気になれそうだ。

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センターは全国にあるけれど、「種」を売っているところにここの土地柄を感じる。

では大衆演劇場がある2階へ。

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2階への階段の途中にあった掲示

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多くの大衆演劇場はプリンターによる掲示に移行している。
手書きの掲示の味わいこそ大衆演劇場の味わいでもある。

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2階。
向こうに見えるのは大広間。
大広間の食事サンプルが左手のショーケースに並んでいます。

以前私は全国の大衆演劇場をその形態から3つに分類したことがあります。

A 劇場
B センター(大衆演劇をする場所が飲食所を兼ねている)
C センター(大衆演劇をする場所は舞台公演専用の場所である)

ここ桃太郎温泉は上記BとCを併せ持つ大衆演劇場です。
すなわち、
昼の部(芝居+舞踊ショー)は専用の劇場で行う。
夜の部(舞踊ショー)は飲食できる大広間で行う。
のようになっております。

初めて来た私はそんなことを知らないものだから、昼の部も大広間で行うものと思ってしまい、最初は広間でぽつねんと佇んでいました。
やがて「何かが違う」と感じ取り、別の場所にある劇場の存在に気づいたのでした。

そういえば同じ岡山県の「やま幸」もBとCを併せ持つ公演場所でした。

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大広間の横の廊下を進むと劇場へ続く通路があります。

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劇場入口

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場内後方より

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左前方から入口方面を見て。

なかなかいい感じで芝居小屋の雰囲気がでています。
センター内の劇場で床がナナメなのも珍しい。

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後方は座椅子。

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前方にあるのは、座椅子とふつうの椅子の中間くらいの椅子。(なんて呼ぶのだろう)
このような高さの椅子はほとんど見たことがない。

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緞帳

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花道も立派なものが拵えられています。
そして驚くことに花道の床にライトが仕込まれている。

この劇場を設計したのは相当の手練れの方と見ました。
設計した方に取材してこの劇場製作への思いをいろいろ聞いてみたい。

この日は、錦はやと座長率いる劇団錦の公演です。
開演時間が近づくと、劇場内はたくさんのお客さんが集まって賑やかになってきました。
でも、よくある地方のセンターののんびりした雰囲気とは違う。
あちこちのお客さんから「熱心なファンですオーラ」がたちこめている。
実はこの日の翌日に錦はやと座長の誕生日公演があり、遠方から劇団錦ファンの方々がやってきていることがわかりました。
私はこの日の夜は桃太郎温泉併設ホテルに泊まろうと思っていたのですが満室で予約できませんでした。
まさか満室とは、、と思ったのですが、その理由がここでわかりました。

全国のあちこちからコアな劇団錦ファンが詰めかけているようです。
「14年間追っかけているんだ」といった会話も漏れ聞こえました。

第一部お芝居は「かなわぬ恋の花かんざし」
弁太郎(錦はやと)とその弟分の政吉(カムイ☆龍虎)が同じ女に恋をして対決する、といった場面がありました。

私が劇団錦を観るのは数年ぶり。
前回三吉演芸場で観たときはカムイ☆龍虎は小学生だった。
ずいぶん背も伸びたし、もうこんな役ができるようになったのかとその成長ぶりが感慨深い。
カムイ☆龍虎熱烈ファンっぽい若い女の子も観に来ていた。
そりゃそうか今や「美3BOYS」だものな。

第1部お芝居の時間は12:30~13:30となっているけれど、この日は長引いて、お芝居後の口上挨拶が終わったのが14:00。第2部舞踊ショーは14;30からがいつもの時間。桃太郎温泉では第1部と2部との間にお客さんの昼食の時間を確保する、という方針があるようで、第2部は14:50からの開始と決まりました。

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舞踊ショー
カムイ☆龍虎の女形
劇団は若い座員が多い。今はやりたい芝居やショーができないかもしれないが、数年後若手が成長したら楽しみな劇団だ。

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錦はやと座長

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私は「3枚目的な役を受け持つ味わいのあるベテラン役者」が好きだ。
劇団錦の翼ゆうきさん(写真右)もそんな役者さんのひとり。
カムイ☆龍虎との相舞踊。

お昼の部が終わったら、夜の部が始まるまで温泉へ。
「岩風呂」「元湯」「檜風呂」いろんな種類のお風呂がすべて源泉掛け流し。うれしいな。
「韓国黄土風呂」というのもあった。これは屋外にあるごく小さな小屋に狭い出入口から入るオンドル式のサウナである。寝床が4床にカマボコのような竹の枕が置いてある。こういう一風変わった施設に私は興味をそそられる。

夜の部は大広間で行われます。

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大広間。
ステージから一番遠いところより。
遠いエリアはテーブルと椅子の席、近いエリアは低い長机と座布団の席。

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ステージ

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桃太郎弁当(1600円)を注文

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夜の部、舞踊ショーの幕が開きました。

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カムイ☆龍虎のきりっとした舞。
和の所作を受け継ぐ若手が成長するのはうれしいものだ。
彼の芸名が「☆」付きでなくなるのはいつになるのだろう。

終演後は桃太郎温泉の送迎バスで岡山駅まで帰りました。

単なる郊外の温泉施設ではない。岡山県屈指の湯量を誇り立派な劇場を擁する宿泊施設付温泉だとは、幹線道路を通過するドライバーのどの程度が知っているのだろうか。
是非多くの方に桃太郎温泉での大衆演劇体験をしてもらいたいなと思います。

(2014年6月探訪)

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東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
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