小屋主は大衆演劇役者、小さなビルの中の手作り劇場 「笑楽座」
2014年11月、大衆演劇激戦区大阪に小さな大衆演劇場が誕生しました。
「笑楽座」といいます。

JR大阪駅から大阪環状線の内回り(西九条方面)に乗って5駅目の大正駅が最寄駅。
大正駅脇に広めの道路(県道173号)が走っています。
地図で確認したところによると、笑楽座はこの道路沿い、約2kmほど離れた場所にあります。
普通はバスを利用する距離でしょう。
散歩好きの私は歩いて行くことにしました。
30分ほど歩きますと左手に大きな建物(大正区役所)が見つかります。
そこからちょっと173号を進んだ右手に笑楽座がありました。

これは笑楽座を通り過ぎて、今歩いてきた方向とは逆に撮った写真。
道路の右手に大正区役所、左手に笑楽座があります。

近年、巨大なオフィスビルの中にも大衆演劇場が生まれています。
笑楽座はそれとは対照的に、小規模ビルの1階につくられた小さな劇場です。

正面

公演時間
昼の部 12:30~
夜の部 17:00~
約2時間半~3時間
(休けいふくむ)
と、ガラスに書かれています。

この日は劇団寿の公演

自動扉入ってすぐ左手に入口扉があります。
その扉を開けますとすぐ靴を脱ぐ場所があります。
靴をビニール袋に入れてあがります。
緑のマットを越えて左手に受付カウンターがあり、ここで木戸銭を払います。
カウンターの女性がてきぱきとお客さんをさばいていました。
「社長」と呼ばれている、スタッフのハッピを来た年配の男性も忙しそう。

劇場内の様子

あらかじめ座椅子が並んでいます。
東京の篠原演芸場でも思うことなのだけれども、あらかじめ座椅子が設置してある場合、前の席と「足を伸ばして座るには足りない距離」であることが多い。体がカタい私にはそれがちょっと苦痛だ。
笑楽座で私が確保した席の前のお客さんも足を伸ばしたいがために席を少し後ろにずらしている。よって私のスペースもさらに狭くなってしまった。
けれど大衆演劇場ではそういうことにまつわるお客さん同士のもめごとはほぼ見たことがない。経験的には大衆演劇場では足の置き場についてはお客さん同士が自然に譲り合う。
私の右の席には男性着席。その方も必然的にあぐらとなる。男二人があぐらで並ぶほどの横幅はない。私の左は通路だったので私は席を左にずらして座りました。
トイレに行ってみますと、この施設にもともとあったトイレに加えて手作りのトイレブースが増設されていました。
劇場用として想定されていなかったスペースを手作りで芝居小屋に改修した感じが至るところに見受けられます。

後方には椅子席

畳カーペットを敷いています。
やはり大衆演劇場は畳がいい。

下手に特別な桟敷席があります。
ここは200円の別料金がかかります。

予告演目の貼り出し

開演を待つ間、「社長」さんがみかんをくれました。
こういうフレンドリーなところが小さい劇場ならではのよさでしょう。
この日は祝日。といえども、それほどお客さんが入らないのではないかと私は予想していました。
駅からだいぶ離れた場所に劇場があることと、劇団寿が前年旗揚げしたばかりのあまり有名でない劇団であることがその理由ですが、私の予想に反して、次々にお客さんが入場してきます。
ついに座席はすべて埋まってしまい、後から来たお客さんは200円支払って下手の桟敷席に座りました。
まさに満員御礼状態で開演時間となりました。
家族と連れ立って来ていると思われるお客さんが多かったのが印象的でした。ご近所の方が家族といっしょにぶらっと出かけにゆく劇場、そういう庶民的な劇場に私は親しみを覚えます。
場内の賑わいを目にして、大阪の大衆演劇を受け入れる土壌…東京が失くしてしまった土壌…が豊かであることをあらためて感じたのでした。
劇団寿の公演が始まりました。
一座を率いるのは寿翔聖(ことぶきしょうせい)座長。
それに子役、寿美空・寿福丸の二人の男の子が大奮闘。
ベテランには中村駒二郎、音羽三美。
それと劇団旗揚げ時に大衆演劇の世界に入ったらしい寿のり助。
とても小さな劇団です。
前述のとおりこの日は満員の大入り。
座長の口上挨拶によると、月の初めは集客がかんばしくなかったようですが、だんだんとお客さんが増えて、このように溢れるほどの満員になったのは初めてだそうです。

寿翔聖座長

寿美空(右)と寿福丸(左)
座員が少ないこともありこの二人が大活躍。

座長の女形
ご覧のとおり下手にナナメにカーテンがあり、舞台と舞台裏を仕切っています。
舞台袖のスペースが十分でないためにこうしているのでしょう。

中村駒二郎と音羽三美(おとわみみ)
私は川崎大島劇場での劇団駒三郎の公演でお二人を見ていました。いまは劇団寿にいらっしゃることを知らなかったので大阪でお見かけしてびっくりしました。
そして、劇団寿のメンバーではないのだけれど、お客さんからのリクエストにこたえて登場したのが、、、

笑楽座の小屋主であり劇団かづみの座長である市川一美!
ここでも私はびっくりしました。
なぜなら市川一美座長は、私が木戸銭を支払った受付にいた女性と同一人物であったことに気付いたからです。
自分の劇場がお客さんで溢れていて、そのステージに立ってうれしいだろうなあと思います。

ラストショー
笑楽座のみなさんの大衆演劇への思いがつまっていることが感じられる劇場。
地元の方々の笑顔と元気の発信地としてまずます賑わっていってほしいなと思います。
(2014年12月探訪)

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「笑楽座」といいます。

JR大阪駅から大阪環状線の内回り(西九条方面)に乗って5駅目の大正駅が最寄駅。
大正駅脇に広めの道路(県道173号)が走っています。
地図で確認したところによると、笑楽座はこの道路沿い、約2kmほど離れた場所にあります。
普通はバスを利用する距離でしょう。
散歩好きの私は歩いて行くことにしました。
30分ほど歩きますと左手に大きな建物(大正区役所)が見つかります。
そこからちょっと173号を進んだ右手に笑楽座がありました。

これは笑楽座を通り過ぎて、今歩いてきた方向とは逆に撮った写真。
道路の右手に大正区役所、左手に笑楽座があります。

近年、巨大なオフィスビルの中にも大衆演劇場が生まれています。
笑楽座はそれとは対照的に、小規模ビルの1階につくられた小さな劇場です。

正面

公演時間
昼の部 12:30~
夜の部 17:00~
約2時間半~3時間
(休けいふくむ)
と、ガラスに書かれています。

この日は劇団寿の公演

自動扉入ってすぐ左手に入口扉があります。
その扉を開けますとすぐ靴を脱ぐ場所があります。
靴をビニール袋に入れてあがります。
緑のマットを越えて左手に受付カウンターがあり、ここで木戸銭を払います。
カウンターの女性がてきぱきとお客さんをさばいていました。
「社長」と呼ばれている、スタッフのハッピを来た年配の男性も忙しそう。

劇場内の様子

あらかじめ座椅子が並んでいます。
東京の篠原演芸場でも思うことなのだけれども、あらかじめ座椅子が設置してある場合、前の席と「足を伸ばして座るには足りない距離」であることが多い。体がカタい私にはそれがちょっと苦痛だ。
笑楽座で私が確保した席の前のお客さんも足を伸ばしたいがために席を少し後ろにずらしている。よって私のスペースもさらに狭くなってしまった。
けれど大衆演劇場ではそういうことにまつわるお客さん同士のもめごとはほぼ見たことがない。経験的には大衆演劇場では足の置き場についてはお客さん同士が自然に譲り合う。
私の右の席には男性着席。その方も必然的にあぐらとなる。男二人があぐらで並ぶほどの横幅はない。私の左は通路だったので私は席を左にずらして座りました。
トイレに行ってみますと、この施設にもともとあったトイレに加えて手作りのトイレブースが増設されていました。
劇場用として想定されていなかったスペースを手作りで芝居小屋に改修した感じが至るところに見受けられます。

後方には椅子席

畳カーペットを敷いています。
やはり大衆演劇場は畳がいい。

下手に特別な桟敷席があります。
ここは200円の別料金がかかります。

予告演目の貼り出し

開演を待つ間、「社長」さんがみかんをくれました。
こういうフレンドリーなところが小さい劇場ならではのよさでしょう。
この日は祝日。といえども、それほどお客さんが入らないのではないかと私は予想していました。
駅からだいぶ離れた場所に劇場があることと、劇団寿が前年旗揚げしたばかりのあまり有名でない劇団であることがその理由ですが、私の予想に反して、次々にお客さんが入場してきます。
ついに座席はすべて埋まってしまい、後から来たお客さんは200円支払って下手の桟敷席に座りました。
まさに満員御礼状態で開演時間となりました。
家族と連れ立って来ていると思われるお客さんが多かったのが印象的でした。ご近所の方が家族といっしょにぶらっと出かけにゆく劇場、そういう庶民的な劇場に私は親しみを覚えます。
場内の賑わいを目にして、大阪の大衆演劇を受け入れる土壌…東京が失くしてしまった土壌…が豊かであることをあらためて感じたのでした。
劇団寿の公演が始まりました。
一座を率いるのは寿翔聖(ことぶきしょうせい)座長。
それに子役、寿美空・寿福丸の二人の男の子が大奮闘。
ベテランには中村駒二郎、音羽三美。
それと劇団旗揚げ時に大衆演劇の世界に入ったらしい寿のり助。
とても小さな劇団です。
前述のとおりこの日は満員の大入り。
座長の口上挨拶によると、月の初めは集客がかんばしくなかったようですが、だんだんとお客さんが増えて、このように溢れるほどの満員になったのは初めてだそうです。

寿翔聖座長

寿美空(右)と寿福丸(左)
座員が少ないこともありこの二人が大活躍。

座長の女形
ご覧のとおり下手にナナメにカーテンがあり、舞台と舞台裏を仕切っています。
舞台袖のスペースが十分でないためにこうしているのでしょう。

中村駒二郎と音羽三美(おとわみみ)
私は川崎大島劇場での劇団駒三郎の公演でお二人を見ていました。いまは劇団寿にいらっしゃることを知らなかったので大阪でお見かけしてびっくりしました。
そして、劇団寿のメンバーではないのだけれど、お客さんからのリクエストにこたえて登場したのが、、、

笑楽座の小屋主であり劇団かづみの座長である市川一美!
ここでも私はびっくりしました。
なぜなら市川一美座長は、私が木戸銭を支払った受付にいた女性と同一人物であったことに気付いたからです。
自分の劇場がお客さんで溢れていて、そのステージに立ってうれしいだろうなあと思います。

ラストショー
笑楽座のみなさんの大衆演劇への思いがつまっていることが感じられる劇場。
地元の方々の笑顔と元気の発信地としてまずます賑わっていってほしいなと思います。
(2014年12月探訪)

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