映画館の座席を導入した、大衆演劇座長がオーナーの新劇場 「華舞台 星天座」
映画館の座席を導入した、大衆演劇座長がオーナーの新劇場 「華舞台 星天座」
「華舞台 星天座」は2021年10月に大阪にオープンした大衆演劇場。
オーナーは大衆演劇役者の澤村千夜座長です。
どんないきさつで千夜座長が劇場を持つことに至ったのか。
それを知りたい方は、現代の大衆演劇ライターの第一人者であるお萩さんが旅芝居専門サイトKANGEKIに記事を掲載しているのでそちらをご覧ください→“華舞台星天座”東大阪市布施に新劇場誕生!オーナー澤村千夜インタビュー
私は2021年12月に星天座を訪ねるために布施駅に降り立ちました。私はまず駅名が気になりました。
お寺で僧侶に渡す金銭を「お布施」といいますよね。
「布施」という駅名がついた土地になにか仏教的由来があるのでしょうか。
昔は布施村・布施町・布施市という地名が存在していようですが、現在はこの地の近辺には布施を冠する地名はなくなってしまったようです。
布施の名前の由来はよくわかりませんでしたが、古くからある町であることは想像つきます。

布施駅近くにあった昭和的アーケード商店街。
「えべっさんの街」と書かれています。
調べてみると、近くに布施戎神社があります。
もともと都留弥神社というのがあって戦後に西宮神社から戎大神 の御霊代を勧請して布施戎神社となったようです。
以外と歴史が浅いですが(といっても60年以上経っています)、布施のえべっさんはすっかり定着し布施の十日戎は毎年大変な賑わいを見せているそうです。
また大衆演芸ファンの中では布施駅は別の面から知られています。
大阪にたった2軒しかないストリップ劇場のひとつ晃生ショー劇場がある所ですね。
ですから大衆文化が根付く土壌がある土地柄なのだろうというイメージも湧いてきます。

布施駅の東側に、近鉄戦と垂直に交差するように東大阪線という府道が通っています。
この道を北に向かいます。

道の右手に星天座が見えてきました。
布施駅から歩いて5分ほどの近さです。

華舞台星天座の建物 正面より

建物に2021年10月8日杮落としオープンのポスターが貼ってありました

建物出入口外に小さいプレハブ小屋があります。
チケット購入などの受付はこちらになります。

劇場内に入りました。
右後方より。

正面後方より

舞台の幕には星天座のロゴが描かれています。

ちなみに定式幕にも星天座のロゴがあります。

前方から後方をみたところ

客席前方

花道

お手洗いは客席前方右側にあります。舞台脇から入ります。

閉館した映画館から譲り受けたという椅子。
座り心地は文句なしですね。

なかなか良い劇場に見えたのですが、個人的にはとても残念な欠点もあります。
それは客席から舞台の見やすさ。
ごらんのとおり、客席にほとんど傾斜はありません。

私が席を決め開演を待っていると、私の前の席に男性のお客さんが座りました。
ちょっとこの状態での観劇はつらいですね。

というわけで私は席を移動しました。
それでも2列前のお客さんの頭が気にならないわけではありません。

お昼の部の公演が終わりイブニングショーになるとだいぶお客さんは減りました。
この程度であればストレスなくステージを見ることができます。
このようにこの劇場は、客席にお客さんが多いときには、(特に後方の席では)高い確率で視界不良によるストレスを感じると思います。
かなり考え抜いて作られた劇場なのでしょうけれど、「見えやすさ」が優先的に考慮されていないのは残念です。
近年多くの大衆演劇場がオープンしました。
そして多くのケースで私は、「客席からの舞台の見えやすさ」の点で、劇場を作ることの難しさを考えさせられました。
更地から本格的な劇場を作るには多大な投資が必要です。収益性の低い大衆演劇業界で今後そのような劇場ができることはほぼないでしょう。
本格的な大衆演劇場を作るのには、劇場に向いている空き物件をいかに探し当てるかにかかっています。
とはいえそんな物件が容易に見つかるはずもありません。興行上の法令などいろいろ条件があると思います。
物件選定にどうしても妥協が生じるでしょう。
大衆演劇場への転用には多くの難題があるでしょうけれども、改修にあたっては「見えやすさ」は優先的に考慮してほしいと思います。
「華舞台 星天座」は2021年10月に大阪にオープンした大衆演劇場。
オーナーは大衆演劇役者の澤村千夜座長です。
どんないきさつで千夜座長が劇場を持つことに至ったのか。
それを知りたい方は、現代の大衆演劇ライターの第一人者であるお萩さんが旅芝居専門サイトKANGEKIに記事を掲載しているのでそちらをご覧ください→“華舞台星天座”東大阪市布施に新劇場誕生!オーナー澤村千夜インタビュー
私は2021年12月に星天座を訪ねるために布施駅に降り立ちました。私はまず駅名が気になりました。
お寺で僧侶に渡す金銭を「お布施」といいますよね。
「布施」という駅名がついた土地になにか仏教的由来があるのでしょうか。
昔は布施村・布施町・布施市という地名が存在していようですが、現在はこの地の近辺には布施を冠する地名はなくなってしまったようです。
布施の名前の由来はよくわかりませんでしたが、古くからある町であることは想像つきます。

布施駅近くにあった昭和的アーケード商店街。
「えべっさんの街」と書かれています。
調べてみると、近くに布施戎神社があります。
もともと都留弥神社というのがあって戦後に西宮神社から戎大神 の御霊代を勧請して布施戎神社となったようです。
以外と歴史が浅いですが(といっても60年以上経っています)、布施のえべっさんはすっかり定着し布施の十日戎は毎年大変な賑わいを見せているそうです。
また大衆演芸ファンの中では布施駅は別の面から知られています。
大阪にたった2軒しかないストリップ劇場のひとつ晃生ショー劇場がある所ですね。
ですから大衆文化が根付く土壌がある土地柄なのだろうというイメージも湧いてきます。

布施駅の東側に、近鉄戦と垂直に交差するように東大阪線という府道が通っています。
この道を北に向かいます。

道の右手に星天座が見えてきました。
布施駅から歩いて5分ほどの近さです。

華舞台星天座の建物 正面より

建物に2021年10月8日杮落としオープンのポスターが貼ってありました

建物出入口外に小さいプレハブ小屋があります。
チケット購入などの受付はこちらになります。

劇場内に入りました。
右後方より。

正面後方より

舞台の幕には星天座のロゴが描かれています。

ちなみに定式幕にも星天座のロゴがあります。

前方から後方をみたところ

客席前方

花道

お手洗いは客席前方右側にあります。舞台脇から入ります。

閉館した映画館から譲り受けたという椅子。
座り心地は文句なしですね。

なかなか良い劇場に見えたのですが、個人的にはとても残念な欠点もあります。
それは客席から舞台の見やすさ。
ごらんのとおり、客席にほとんど傾斜はありません。

私が席を決め開演を待っていると、私の前の席に男性のお客さんが座りました。
ちょっとこの状態での観劇はつらいですね。

というわけで私は席を移動しました。
それでも2列前のお客さんの頭が気にならないわけではありません。

お昼の部の公演が終わりイブニングショーになるとだいぶお客さんは減りました。
この程度であればストレスなくステージを見ることができます。
このようにこの劇場は、客席にお客さんが多いときには、(特に後方の席では)高い確率で視界不良によるストレスを感じると思います。
かなり考え抜いて作られた劇場なのでしょうけれど、「見えやすさ」が優先的に考慮されていないのは残念です。
近年多くの大衆演劇場がオープンしました。
そして多くのケースで私は、「客席からの舞台の見えやすさ」の点で、劇場を作ることの難しさを考えさせられました。
更地から本格的な劇場を作るには多大な投資が必要です。収益性の低い大衆演劇業界で今後そのような劇場ができることはほぼないでしょう。
本格的な大衆演劇場を作るのには、劇場に向いている空き物件をいかに探し当てるかにかかっています。
とはいえそんな物件が容易に見つかるはずもありません。興行上の法令などいろいろ条件があると思います。
物件選定にどうしても妥協が生じるでしょう。
大衆演劇場への転用には多くの難題があるでしょうけれども、改修にあたっては「見えやすさ」は優先的に考慮してほしいと思います。