WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2021年12月
fc2ブログ

大衆娯楽の新たな扉を開く新興演劇 賀美座の専用劇場 「シアターYOROKOBI」

大衆娯楽の新たな扉を開く新興演劇 賀美座の専用劇場 「シアターYOROKOBI」

2021年11月13日、賀美座が大阪に専用劇場「シアターYOROKOBI」をオープンしました。

たまに劇団員がオーナーとなっている大衆演劇場がありますが、それとは違います。
基本的にこの劇場で公演をうつのは賀美座のみ。賀美座の居城ともいえるシアターなのです。
そして〈大衆演劇=旅芝居〉から一線を画したジャンルとして〈新興演劇〉を謳っています。
新興演劇とはなにか?とりあえず大衆演劇と商業演劇の中間くらいのジャンルと思っていただければよいでしょう。

シアターYOROKOBIでまずおさえておきたいのは、昼の部と夜の部とで営業形態が違うことです。
昼の部は、前半芝居・後半舞踊ショー。つまり大衆演劇と同じプログラムです。
夜の部は、「SHOW & RESTAURANT YOROKOBI」として営業します。飲んで食べつつステージを楽しむショーレストランです。こちらは既存の劇場での大衆演劇とはだいぶ違いますね。


オープンの翌月にシアターYOROKOBIの昼の部・夜の部を楽しんできましたのでレポートしたいと思います。

まずは昼の部から。

yorokobi03.jpg
地下鉄御堂筋線江坂駅1番出口
地下鉄といっても地上を走っています

yorokobi05.jpg
江坂駅1番出口を降りて、御堂筋線に直行する道路を東に3分ほど歩くとダイエーが見えてきます。その奥にあるのがシアターYOROKOBIが入っているビル

yorokobi06.jpg
ビルに大きく描かれたサイン。
「465日」がシアターYOROKOBIの別表記となっているようです。

yorokobi07.jpg
ビルの1階は薬局。このビルの2階・3階が劇場フロア。

yorokobi09.jpg
ビルの入口

yorokobi10.jpg
エレベーターでエントランスがある2階へ移動します

※写真撮影とブログ掲載はご許可いただいております
yorokobi13.jpg
2階エレベーターを降りるとすぐエントランスが見えます。
正面に受付カウンターがあります。
座席表を見て座席を決めて入場料を払います。(夜の部は料金後精算です)

yorokobi15.jpg
エントランスにはバーカウンターがあります。

yorokobi17.jpg
昼からお酒を注文できるということで、開演までの時間にカクテルを飲みました。

yorokobi20.jpg
エントランスから劇場内へ

yorokobi23.jpg
シアターYOROKOBI昼の部の様子

yorokobi25.jpg
前方から客席を見たところ

yorokobi27.jpg
高い天井。すばらしいシアターです。

yorokobi30.jpg
独特な形のステージ。小劇場演劇を思わせる舞台セット。豊かなライト。

開演前はクラシック音楽が流れていました。
場内の雰囲気は大衆演劇と全然違います。

昼の部が開演。
お芝居が始まりました。

この日の芝居は主人公が目が見えない人物ということもあり、背景幕のようなものを使いませんでした。さきほどステージにあった舞台セットをそのまま使いました。大衆演劇の芝居を抽象舞台で行うような面白さがありました。場面ごとの照明が凝っているところも大衆演劇の進化版という印象を受けました。マイクを使用しないところ、暗転があるところも大衆演劇とは違いますね。

約60分で芝居が終わり、数十分の休憩。またクラシック音楽が流れています。

yorokobi33.jpg
場内に貼ってあった劇場ルール
舞踊は動画撮影もOKなのですね。(ちなみに私は動画OKは好きではありません。動画撮影に夢中になったお客さんがカメラやスマホを高く掲げたり大きく動かしたりして他のお客さんの観劇の邪魔になるからです)

yorokobi35.jpg
休憩中の場内。ステージ上の舞台セットが転換されました。

後半の舞踊ショーが始まりました。

yorokobi37.jpg
舞踊ショーの様子

yorokobi40.jpg
様々に変化する照明

yorokobi43.jpg
お客さんノリノリの場面

60分以上行われた舞踊ショーが終わりました。
これで昼の部終了。劇団員がエントランスでお客さんのお見送りをしました。


続きまして夜の部をレポートいたします。

夜の部は18時30分開場です。

yorokobi45.jpg
夜のビルディング

エレベーターで2階に上がりエントランスで受付。座席を指定します。飲み物や食べ物も注文。
料金は帰りに精算です。

yorokobi47.jpg
夜のシアターYOROKOBI
「SHOW & RESTAURANT YOROKOBI」会場です。

クラブミュージックのような現代的な音楽が流れています。

客席が昼とは全く変わり、テーブルが配置されています。

yorokobi50.jpg
夜の座席図。
4人掛けテーブルと2人掛けテーブルがあります。

yorokobi53.jpg
2人掛けテーブル

夜の部は2回のショータイムがあります。
ご飯ものなど時間がかかる料理は1回目と2回目のショータイムの間の時間にテーブルに届きます。

yorokobi55.jpg
1回目のショータイムは19時から。
お酒を飲みながら、つまみを食べながら楽しみました。

1回目のショータイムが終わりました。しばらくすると劇団員が客席に現れてそれぞれ散り散りになってお客さんのテーブルにご挨拶にまわりました。この劇団員とお客さんの交流の時間も「SHOW & RESTAURANT YOROKOBI」のウリですね。テーブルにつく劇団員が次々を変わってゆき皆さんとお話できてとても楽しかったです。

yorokobi57.jpg
私のテーブルに来てくれた宝華紗宮子若手リーダーと不動倭座長

2回目のショータイムが始まりました。

yorokobi60.jpg
賑やかな舞台

yorokobi63.jpg
不動倭座長のソロ舞踊

yorokobi65.jpg
普通の大衆演劇の舞踊ショーよりも群舞が多く見ごたえがあります。

2回目のショーが終わると夜の部終了です。
劇団員がエントランスでお見送りします。

最後にシアターの3階を紹介しておきましょう。

yorokobi67.jpg
3階にはこのようにお客さんが自由に使えるテーブルとソファがあります。コインロッカーとトイレも3階にあります。

以上、新興演劇賀美座の公演をご紹介いたしました。


気になるシアターYOROKOBIの入場料もお知らせしておきます。
(2021年12月の情報です)

昼の部
3,300円(税込)
まさに大衆演劇と商業演劇の間の価格といったところです。

夜の部(2022年からの料金システム)
アルコール飲み放題付き入場料 5,000円(税込)
ソフトドリンク飲み放題付き入場料 4,000円(税込)
巷のショーレストラン・ショーパブと比較すれば安いと思います。料金的に見れば夜の部は「大衆ショーレストラン」といった感じかなと思いました。

まだシアターYOROKOBIは始まったばかり。試行錯誤を重ねながら営業時間や料金システムが変わってゆくと思いますので、来訪前には必ずホームページをチェックしてください。

* * *

思えば、賀美座の前身となる剣戟はる駒座倭組が発足間もなく川崎大島劇場に乗ったのが2014年2月。私は、それまで見てきた大衆演劇にはない自由な発想のパフォーマンスとエンタメ精神に胸が高鳴り、倭組のファンとなったのでした。あの時、私は大衆演劇の新たな展開が始まったと思いました。それから数年、不動倭座長率いる賀美座は私の想像をっ超える勢いで変化・進化していっています。ますます目が離せません。

このブログを読んで「シアターYOROKOBI」に少しでも興味を持った方は是非是非一度行ってみてください。エンタメ集団賀美座が楽しいひとときを提供してくれますよ。

リンク
シアターYOROKOBI ウェブサイト
YOU TUBE 不動倭のやまチャンネル

(2021年12月探訪)

笑撃のサンタ芝居! 劇団美松 聖なる夜の特殊狂言 in大島劇場

笑撃のサンタ芝居! 劇団美松 聖なる夜の特殊狂言 in大島劇場

私のホーム劇場、大島劇場に12月にのったのは劇団美松
その予定演目表を見ていたらとても気になる日がありました。

mmt_211224_02.jpg
24金 ヨル <特殊狂言>メロン記念日2.5 聖なる夜の出来事 クリスマスプレゼント
と書かれています。

特殊狂言?? メロン記念日って何?
どうもこの夜だけの変わった芝居が行われるようです。
うーむ気になる。クリスマスプレゼントも気になる。

12月24日、クリスマスイブの日、大島劇場に向かいました。

mmt_211224_03.jpg
大島劇場到着
劇場前の連名表

劇場に入ると、すでに美松ファンと思われる方々が車座になって畳の客席でプチ宴会していました。
このほのぼのした雰囲気は大島劇場ならでは。

mmt_211224_04.jpg
場内の壁の掲示。
24日(金) ヨル クリスマスプレゼントあります!

18時開演

第1部はクリスマスプレゼントコーナー

mmt_211224_05.jpg
サンタ姿の松川さなえ太夫元が進行します。
劇団員が袋にいろいろ詰めてプレゼントを用意したとのこと。
中身はそれぞれ違うみたいです。

mmt_211224_07.jpg
プレゼントがたくさんはいった箱をかついで、サンタ姿の座員さんが客席におりて一人一人にプレゼントを配ります。

mmt_211224_10.jpg
私がもらったプレゼント。
劇団美松のブロマイドとお菓子が入っていました。

全員にプレゼントを配り終えると、さなえ太夫元からサプライズプレゼントのお知らせが。
劇団に残っていたグッズ(DVDやカレンダー含む)や太夫元の私物のグッズ、全部で15点くらい入った袋を1名様にプレゼント!
ここでジャンケン大会となり、最後まで勝ち残ったお客さんが豪華プレゼントをゲットしました。

プレゼントコーナーが終わり太夫元から第2部お芝居のご案内。
この日の芝居はさなえ太夫元が小祐司座長に無理やり作らせた芝居とのこと。セリフが決まってないので、芝居の尺がどのくらいになるのか予想つかないと言っていました。

休憩をはさんで第2部お芝居「メロン記念日2.5 聖なる夜の出来事」開幕

舞台はとあるスナック。クリスマス仕様に店を飾っている。この店に働いているのは3人。オカマの店長(大和歩夢)、ゆうや(南雄哉)、そして黒人でアフロのジョー(松川小祐司)。全員サンタのコスチュームを着ている。店の前に酔いつぶれているサンタクロース(藤川雷矢)を見つけ、3人はサンタクロースを店内に引き入れる。話を聞くと、このサンタはクリスマスプレゼントを届けるためにフィンランドから日本に来たはいいけれど、日本の家には煙突がなくて困っていた。とあるキャバレーに入ってシャンパン5本飲んで酔ってしまった。そこはぼったくりの店で200万円を請求され、逃げてきたのだという。
この後、サンタを追ってぼったくりキャバレーの店員(市川華丸)と店長(藤川真矢)がスナックにやってくる。200万円の支払いをめぐって、サンタクロースとスナック店員、キャバレー店員がわちゃわちゃやりとりする。

ざっくり言うとこんな話でした。登場人物6名全員がサンタの格好をしているというまさに異色の芝居。展開と演出が決まっていた箇所がところどころありましたが基本はアドリブ中心のようでした。
劇団員はその場その場で面白がりながらやっているようでしたが、大島劇場のお客さんのノリがよく、けっこうウケていました。私もこのユルユルのアドリブが妙におかしくて楽しく観劇しました。
途中、ピストルを発砲し、発砲後突然音楽が鳴り出し、実は誰かの携帯着信音だった、ということが3回続く場面があるのだけれど、ゆうやが舞台上でリアルに誰かと通話していて、通話先の女の人の声をマイクで拾って流すということをやっていて笑いました。相手は菊小鈴さんだったのかな。
オカマ店長と華丸店員が打ち合いの喧嘩をする場面では、突然オカマ店長が華丸店員にリアルキスして、華丸店員が一瞬その気に目覚める、というのもおかしかった。
一番真面目に?役作りしていたのは本物のサンタクロース役の雷矢さんで、メイクが難しいとつぶやいたり、ちゃんとサンタに見えただろうかなどと気にしたりしていました。

楽しい芝居が終わって口上挨拶

mmt_211224_13.jpg
ジョー役のメイクとコスチュームのまま口上挨拶を行う松川小祐司座長。

メロン記念日という芝居は、オカマ役の大和歩夢副座長を主役にしたシリーズで、全3回が完結したものの、今回特別クリスマスバージョンとして復活したようでした。

口上挨拶後半はさなえ太夫元に代わって、またプレゼントコーナー。
今回の芝居で出演者が使用したサンタのコスチュームの帽子をサイン付きでプレゼント、という企画です。
またジャンケン大会が始まりました。

mmt_211224_15.jpg
私はジャンケンに勝ち、帽子ゲットの権利を手に入れると、続くくじびきで藤川真矢さんの帽子が当たりました。

休憩をはさんで第3部舞踊ショーへ

やっぱりクリスマス的な曲が多かったです。

mmt_211224_17.jpg
市川華丸

mmt_211224_20.jpg
南雄哉

mmt_211224_23.jpg
藤川真矢

mmt_211224_25.jpg
藤川雷矢の女形

mmt_211224_27.jpg
藤川雷矢+タバコ

mmt_211224_30.jpg
大和歩夢副座長の女形

mmt_211224_33.jpg
大和歩夢副座長

mmt_211224_35.jpg
松川小祐司座長の女形

mmt_211224_37.jpg
松川小祐司座長

mmt_211224_40.jpg
松川小祐司座長のかっこいい登場シーン

mmt_211224_43.jpg
松川さなえ太夫元

mmt_211224_45.jpg
ラストショーの曲は「サンタさん」

mmt_211224_47.jpg
ラストショーのラスト
真ん中にちょっと変な人がいるのわかります?

mmt_211224_50.jpg
実はこれ南雄哉さんです。芝居の中でも鼻割り箸して踊る場面があったのです。

以上で劇団美松のクリスマスイブ公演のレポートを終わります。
クラシックな旅芝居を期待して来た人がみたら怒りそうな芝居でしたが、クリスマスにこれだけクリスマスに特化した舞台に仕立てるのも楽しくてよいと思いました。私は今後、これ以上にふざけた大衆演劇の芝居を見ることがあるのだろうか。
ともあれ、サービス精神いっぱいの劇団美松のみなさんありがとうございました。

(2021年12月24日観劇)

北海道中西部の温泉ホテルでの単発公演 「くりやま温泉ホテルパラダイスヒルズ」

北海道中西部の温泉ホテルでの単発公演 「くりやま温泉ホテルパラダイスヒルズ」

今回は2年振りの北海道遠征のレポートです。

今回の目的地は、北海道夕張郡栗山町にあるくりやま温泉ホテルパラダイスヒルズ。
2021年10月・11月に大衆演劇公演を行っていました。

私は10月下旬に旅に出立しました。

kuriyama05.jpg
ホテルパラダイスヒルズの場所はここ。
札幌からも、新千歳空港からもそう遠くないところにあります。

kuriyama03.jpg
羽田空港から新千歳空港へ向かいます。

新千歳空港からレンタカー屋に移動して車に乗りました。

目指すホテルに直行すると早く着きすぎてしまうので、午前中は栗山町から20kmほど離れた岩見沢の街を散策することにしました。

kuriyama07.jpg
岩見沢市の人口は約8万人。街中に繁華街があります。
ちなみに栗山町の人口は約12000人です。

kuriyama10.jpg
私は知らない街を散歩する際、ついスナック街を探してしまう。
スナックの数や雰囲気がその街の庶民文化の活性度のバロメーターのように思えるのです。

お昼が近づいてきましたので、ホテルパラダイスヒルズに向かいます。

kuriyama13.jpg
国道を走っていると看板と幟が見えてきました。
この脇道に入ります。

kuriyama15.jpg
ホテルが見えてきました。

kuriyama16.jpg
ホテルと隣接して、栗山さくらキャンプ場があります。

kuriyama17.jpg
ホテルパラダイスヒルズの建物

kuriyama20.jpg
入口を入りますとゲートがありました。ここで消毒・検温をします。
ゲートをくぐってすぐ左のフロントでチェックイン。
私は大衆演劇観劇(昼・夜)付き宿泊プランを予約していました。チェックインの際に、演劇場の座席表から好きな席を選び、指定席券を受け取りました。

kuriyama23.jpg
今日宿泊する部屋です。
和洋折衷のつくり。

kuriyama25.jpg
ホテルに貼ってあったポスター。

ホテルパラダイスヒルズでの公演は劇団駒三郎が二か月間受け持ちます。
ここホテルパラダイスヒルズでは昨年も劇団駒三郎が単発公演を行いました。

ポスターに載っているのは三好辨太郎座長と南條友李愛若座長。駒三郎総座長は写真はなく名前のみ。
そう、劇団駒三郎は昨年体制が変わりました。
南條駒三郎座長は長谷川駒三郎と名前を変え総座長となり、副座長だった三好辨太郎が座長になりました。

昼の部が近づいて来ましたので大衆演劇場に移動します。
ホテルの1階に大衆演劇場(イベント会場)と温泉施設があり、上階が客室です。

kuriyama27.jpg
1階イベント会場へ向かう廊下。

kuriyama30.jpg
イベント会場入口

kuriyama33.jpg
イベントホールの半分を使って大衆演劇公演スペースが設置されていました。

kuriyama35.jpg
舞台前方から後方を見たところ

kuriyama37.jpg
ホールの後方は、観客席ではなくレストランの形状となっていました。

kuriyama40.jpg
前方

kuriyama43.jpg
投光の前など、一部座椅子席があります。

kuriyama45.jpg
花道

13時第一部お芝居開演。
この日は「会津の親子」という長丁場の芝居で、第一部は14時15分頃終わりました。
その後、三好辨太郎座長による口上挨拶。レイの販売。お客さんは全部で13人くらいでしたけれどレイは5人くらいの方が買っていました。

14時35分頃第二部舞踊ショー開演

kuriyama47.jpg
舞踊ショーの様子

kuriyama50.jpg
三好辨太郎座長
私は三好辨太郎座長の実直でスタンダードさを感じる演技が好き。

kuriyama53.jpg
南條友李愛若座長
肩書が人をつくるというけれど、若座長になってぐっと貫禄がついてきました。

kuriyama55.jpg
今回の私の注目は南條まりあ。栗山中学校に通う中学生。
明るく元気がよい。舞台が華やかになります。芝居はまだこれからだけど踊りはなかなかいい。まだ中学生なのにオトナの女に扮する舞踊が達者。今後注目したいと思います。

15時30分頃昼の部終了。
役者さんは廊下に出てお見送り。

私は客室に戻ってお風呂へ。
露天風呂もあり気持ちよい。
私の好きなサウナもありました。サウナ・水風呂・休憩を3セット。ととのいました。

夜の部は18時から昼と同じイベント会場で行われます。
舞踊ショーのみの1時間公演です。

夜の部の後はすぐ夕食となります。夕食会場もイベントホール。
劇団お見送りの後、そのまま廊下で待機。夕食の準備が整うとスタッフから声がかかりました。

kuriyama57.jpg
すき焼きと毛ガニはすでにテーブルに並べられています。
それ以外はバイキング。

kuriyama60.jpg
道産牛のすき焼き

食事の途中で劇団の若手が1名食事会場にやってきました。
どうやら劇団の方の夕食も同じ会場で同じ食事をとるようですね。
予約プランをよく見ると「ご夕食は公演に出演した劇団員とともにお楽しみください!」と書いてありました。

夕食の後はまたお風呂。
至福の心地で就寝。

kuriyama63.jpg
朝食はレストランで。
このレストランは夜はちゃんこ鍋を出しているようです。

kuriyama65.jpg
朝食

北海道の旅2日目。
朝食の後は車で洞爺湖に向かいました。

kuriyama67.jpg
快晴の洞爺湖

洞爺湖はカルデラ湖。
洞爺湖や近くの有珠山は日本のジオパークに登録されています。

洞爺湖には大きな島が浮かんでいます。

kuriyama70.jpg
観光船に乗って、洞爺湖の島に向かいました。

kuriyama73.jpg
観光船から見た洞爺湖温泉街。

洞爺湖観光の後は昭和新山・有珠山へ。

kuriyama75.jpg
昭和新山
昭和19年、畑だった場所に火山活動が起こって地面が隆起。噴火を繰り返し溶岩ドームが盛り上がって、現在の形にまでなったそうです。

昭和新山のすぐ近くにあるのが有珠山。2000年にも噴火したという活火山です。
有珠山ロープウェーに乗りました。

kuriyama77.jpg
有珠山ロープウェー山頂駅にて

kuriyama80.jpg
山頂駅から眺めた洞爺湖と昭和新山のパノラマ写真

ロープウェーで降りて来た後は熊牧場に入りました。
たくさんの熊が飼育されています。
熊用のクッキーの自動販売機があります。

kuriyama83.jpg
熊たちはクッキーを持っている観光客を見つけるとそわそわしだします。
手を振ったり爪を鳴らしたりしてクッキーをねだります。熊にも芸をしこめるんですねー。

この後、登別温泉の宿に泊まりました。
源泉100%、源泉かけ流しのザ・登別の湯(白濁した硫黄泉)を楽しめる宿を選びました。

北海道の旅、三日目。

登別温泉を出発した私は、そこから車で30分ほどのところにあるウポポイ(民族共生象徴空間)に行きました。簡単に言えばアイヌ文化を紹介する施設で2020年7月にオープンしました。

ここでアイヌについて現在の私の認識を記しておきます。

--
北海道で38000万年前の磨製石器が発掘されているとおり、旧石器時代から北海道に人類は住んでいた。
かつては北海道と本州はつながっており、同じ文化を持つ同じ民族が住んでいた。
本州でも北海道でも縄文式土器が造られるようになり縄文人が住む縄文時代となる。
5世紀頃、北方からオホーツク文化を持つ民族が北海道にやってきた。
オホーツク人と縄文人の混血が進み、その子孫によるアイヌ文化が13世紀(鎌倉時代後期)に成立する。
やがて狩猟採集社会のアイヌは和人との交易を始める。
江戸時代、松前藩との不平等な取引に不満を持ったアイヌが蜂起するが鎮圧され、アイヌは松前藩に服従することとなる。
明治時代、明治政府による開拓が進み北海道の人口が急増する(以降昭和になっても飛躍的に人口が増え続け相対的にアイヌの人口比率はごくわずかとなる)。
明治政府はアイヌ民族の風俗習慣を禁止してゆく。アイヌ民族も日本語を覚えるようになる。明治政府が北海道の土地の所有権を決めてゆく過程でアイヌから土地が奪われる。
明治23年にはアイヌを保護するという名のもとに、アイヌに農耕民族化を勧め、小学校を設置して日本国民として教化する法律が制定される。
戦後GHQの農地改革によってアイヌは多くの土地を失う。明治以降の長い年月の間に同化が進み、アイヌ固有の伝統文化が失われるなか、見世物興行で身をたてる「観光アイヌ」も増えてゆき、形骸化された儀式が披露されるようになる。観光としてのアイヌ産業にはアイヌの血脈をもたない人々もかかわるようになる。

2009年に有識者の懇談会でアイヌは北海道の先住民族という見解が示される。
この頃から「アイヌは先住民族だ」とする活動が活発になる。
2019年にアイヌ新法が成立。その背後に「アイヌは先住民族」(だから先住民族を迫害した和人は償いをしなければならない、先住民族であるアイヌを優遇しなければならない)とするイデオロギーを持った人々がある。以降アイヌ政策に対して巨額の税金が投入されるようになる。
現在人種としてのアイヌ民族はないが、誰でも希望すればアイヌのグループに入ることができ、古来のアイヌの血を継承していないがアイヌのグループに所属する者が存在する。さらに近年は、アイヌ政策に巨額の金が投じられているようになり、その利権に与ろうとする者が多い。そしてアイヌ利権に与ろうとする者(アイヌグループに所属する者や地方行政にかかわる者)が「アイヌは先住民族」「アイヌは迫害を受けた」とする活動に加担している。
--

以上はあくまで私個人の認識であり、間違っている点があるかもしれませんし、違う認識を持っておられる方も多かろうと思いますが、苦情・クレームはご容赦ください。

upopoy.jpg
さて、アイヌ新法後のアイヌ政策の象徴ともいえるウポポイに興味がてら行ってきました。
後で調べたところ、ウポポイには年間数十億円といった維持管理費等の金が投入(もちろん税金)されているようですね。
さすがに立派な建物でした。が、アイヌという13世紀から8世紀にわたって根付いた民族文化を紹介する施設としてはあまりにもモダーンなデザインに違和感がありました。
展示施設には、「古来のアイヌ民族の文化や生活を忠実に紹介しよう」というより「アイヌを観光資源として最大限活用しよう」という方向性が感じられました。
アイヌ文化は今なお現役の文化だというメッセージが無理に強調されている印象があり、とても現代的に脚色されたアイヌ文化を見せつけられた心持ちがしました。
アイヌの問題といえば、明治から昭和にかけてアイヌの方々が受けてきただろう差別が思い当たります。その事実をしっかり記録しておくことは社会的に意義があると思いますが、どうもその辺はあまり説明しない方針のようでした。
ホールでは、伝統文化(踊りなど)の実演やアイヌの伝説にまつわるアニメーション上映がありました。内容がアイヌ文化に忠実なのかどうかはわかりませんが、どちらもそれなりに楽しめました。アニメーションはクオリティが高くとてもいいなと思いました。実演の方も、演出がしっかりしており、出演者がちゃんと稽古を積んでいることが感じられ、単純に演芸として見て楽しめるものでした。さすが大金が投入されているだけあって出し物が洗練されています。
アイヌ民族博物館ではアイヌの歴史を紹介する上映もありました。上記のとおり私は、北海道の先住民族は縄文人であり、アイヌ民族はそこに侵略してきたオホーツク人の末裔と認識しているのですが、この施設で見た映像作品からは、アイヌこそが北海道の先住民族でありそれを後から来た和人が迫害した、という印象を受けました。確かに数世紀にわたってアイヌ民族は北海道に暮らしていましたから先住民族としてもよかろうと思います。ただ現在はアイヌの血をひく方々は生活の上では日本人と同化しているのですからことさら特別視する必要はないのではないかと思っています。ウポポイでは、現在も日本人とは別個に生粋のアイヌ民族がいて、アイヌ民族は特別に扱わなければいけないという印象操作があるように感じました。私はアイヌの方々も我々も縄文人の血を受け継ぐ同じ日本人だと思っています。
私は民族の共生や民族の文化の保存・継承はとても大事なことだと思っており、アイヌ民族の血を継承する方々の誇りを尊重したいと思っていますが、ことウポポイに関しては正直胡散臭さを感じました。

アイヌの問題は他人事のように思えない面もあります。というのは、アイヌ文化が観光地において現代人の興味の対象となるように変容してきたように、大衆演劇という文化も時代に合わせて大きく変容してきているからです。古き良き文化の継承が途絶えてしまうことには誰しもさみしさを感じます。でも、変化すればするほど本来のものと乖離してゆくアイヌ文化とは違い、大衆演劇にはもともと「これぞ正当な大衆演劇文化」というものはありませんから、変化したその有り様がその時代の大衆演劇文化ということができるでしょう。古典芸能と違い、変化できることが大衆演劇の強みといえます。

ウポポイの後は苫小牧へ。
苫小牧は水揚げ日本一のホッキ貝が名物です。

kuriyama85.jpg
ということで、苫小牧の市場で、ホッキ貝・ウニ・イクラの三食丼をいただきました。

この後は新千歳空港近くでレンタカーを返して帰途につきました。
大衆演劇・ジオパーク・海の幸と満喫できた旅でした。

(2021年10月探訪)
プロフィール

notarico

Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR