WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2020年05月
fc2ブログ

「和」と「海」を堪能できる和倉温泉の大衆演劇場 「宿守屋寿苑」

「和」と「海」を堪能できる和倉温泉の大衆演劇場 「宿守屋寿苑」

今回は石川県の和倉温泉にある宿守屋寿苑(やどもりやじゅえん)を訪ねます。

金沢駅から能登半島方面に延びる電車JR七尾線に乗って約1時間半。七尾駅に到着しました。
七尾駅でのと鉄道に乗り換えます。JR七尾線は本数が少ないですがのと鉄道はさらに本数が少ない。
私が乗ったJR七尾線はのと鉄道への接続が悪く、七尾駅時間をつぶすこととなりました。

juen03.jpg
七尾の町を散策してから七尾駅に戻りました。
左がJRの改札、右がのと鉄道の改札。

17時58分に和倉温泉駅に到着しました。
冬なのでもう外は暗い。
宿守屋寿苑からは車の送迎のお申し出がありましたが、私はそれをお断りして歩いて向かうことにしました。

juen05.jpg
駅から20分くらい歩きますと「海の和風館 宿守屋寿苑」前に着きました。

今日はここで宿泊して明日大衆演劇を観劇します。

juen07.jpg
客室
入口近くは普通の和風ホテルの佇まいですが奥の小上がりに注目

juen10.jpg
海が見える窓の近くに掘りごたつがあります

juen13.jpg
昔ながらのテイストでいて瀟洒な趣きがある和のデザイン

宿守屋寿苑の和室はとても居心地がよい

夕食は食事処の半個室で「能登キュイジーヌ"旬"コース」という和の料理。
1品づつ食卓に供されるコース料理です。
その1部をご紹介しましょう。

juen15.jpg
能登近海鮮魚の造り5種盛り

juen17.jpg
あたたかい旬菜4種盛り

この後、黒毛和牛のローストビーフ地元野菜添えがでました

juen20.jpg
鰤大根

ご飯、汁物、デザート、コーヒーと続きます。
とても美味しゅうございました。

お食事の後はお風呂でくつろいで就寝。

juen23.jpg
翌朝。
昨日は暗くてよくわかりませんでしたが窓から海がみえます。宿守屋寿苑は海に面して建っています。ということは全部屋オーシャンビューが臨めるのかな。
この写真は部屋の中(掘りごたつスペースのとなり)にある眺望風呂。

juen25.jpg
朝食の和食も凝っています。

juen27.jpg
宿守屋寿苑は和倉温泉街の東の方にあります。
館内の窓から西側を眺めました。大きな温泉旅館がたくさん見えます。

大衆演劇公演は13時から。
チェックアウトしてから公演開始まで時間が空きますので和倉温泉街を散歩することにします。

juen30.jpg
ありました、日本一の旅館「加賀屋」

juen33.jpg
和倉温泉街の西の端にあるのが能登湾を一望できる「多田屋」
多田屋の若女将には以前仕事でお世話になったことがあります。

juen35.jpg
2011にリニューアルしたという町の温泉「総湯」
和倉温泉の源泉は熱いのですが、熱交換器を設置することで加水せずに楽しめます。さらに入浴料は銭湯料金。故に地元の方に人気があります。
私も総湯に入りました。私の最近のマイブームのサウナは無料でした!

juen37.jpg
総湯のお向かいにあるアイスクリーム屋さん。
お風呂の後だとなお美味しい。

さて大衆演劇の時間が近づいてきました。

juen40.jpg
宿守屋寿宴に戻ってきました。

juen43.jpg
建物に入ってすぐ左にフロントがあります。そのちょっと先に大衆演劇用の受付が設置されていました。

juen45.jpg
1階ロビー
開場時間までここで待つこともできます。

juen47.jpg
大衆演劇場は2階の宴会場です。

この日は花柳願竜劇団の公演です。

juen50.jpg
入口近くに外題が貼ってありました。
おっ今日の芝居は「暗闇の丑松」だ。

juen53.jpg
もちろんお座敷に上がるには靴を脱ぎます。
靴を入れるビニール袋が用意されています。小さいですが靴置き棚もあります。単にここで靴を脱ぎっぱなしにしているのは慣れている常連さんでしょうか。

juen55.jpg
大衆演劇場内後方より

juen57.jpg
前方は座椅子席

juen60.jpg
後方は椅子席

13時、花柳願竜劇団の公演が始まりました。

juen61.jpg
第1部お芝居が終わって口上挨拶と物販。
口上を務めるのは花柳竜乃若座長。お芝居では主役の丑松を演じました。
竜乃さんは2019年3月に若座長に就任されたようですね。現在劇団の世代交代の過渡期というところでしょう。

14時30分に第二部が始まりました。
花柳願竜劇団といえば生バンド。楽しみ。と思ってたらオール舞踊ショーでした。
生バンドを見られなかったのは期待はずれだったのだけれど、舞踊ショーはとてもよかったです。

juen64.jpg
花柳願竜座長
花柳願竜劇団は大阪や東京の芝居小屋ではない比較的地方の公演地を巡ることが多かったと思います。お客さんの質・数や客席の雰囲気など変化が大きかったことでしょう。お客さんとのコミュニケーションをとる座長を見ておりますとまさに百戦錬磨の旅芸人と思わせるものがあります。

juen65.jpg
花柳竜乃若座長
背が高くて舞台映えします。かっこいい。他に類を見ないタイプの女大衆演劇役者だと思います。
舞踊の所作がとてもしなやか。

juen68.jpg
二代目香賀峰子
以前は学業を優先されていたと思いますが、今はすっかり旅役者ですね。

juen70.jpg
花柳さつき
今日は見られなかったけれど次回こそさつきさんのアコーディオンが見たいです

juen71.jpg
花柳竜乃若座長とあつし若頭

juen73.jpg
ラストショー

思い返せば女形はなかったですね。大衆演劇の舞踊ショーでは女形を入れるのが必須みたいな風潮がありますけれど私は全然なしでもよいと思っています。
花柳願竜劇団の舞踊オンリーショーなかなか良かったです。

舞踊ショーが終わったのは15時30分すぎ
私が乗りたい電車は15時47分に和倉温泉駅を出る電車
公演が終わるやいなや私は急いでフロントへ。前もって宿の方に車送迎をお願いしていました。

juen75.jpg
車だとあっという間に和倉温泉駅につきます。

juen77.jpg
こんなものが駅に置いてあります。
前日に七尾の町を歩いた際も街中にでっかいこれが置いてありました。
これは「でか山」の車輪とのこと。
毎年5月に七尾市で開催される青柏祭(せいはくさい)では日本最大級の曳山(でか山)が曳かれるそうです。

帰りは金沢から新幹線に乗って東京へ。
北陸新幹線ができてから石川県への旅がとても便利になりました。

(2020年2月探訪)




モール温泉の老舗そして北海道大衆演劇の老舗 「笹井ホテル」

モール温泉の老舗そして北海道大衆演劇の老舗 「笹井ホテル」

北海道、帯広駅から北東方面にほど近く、「モール温泉」で有名な十勝川温泉があります。
モールというのは亜炭を指すドイツ語だそう。この地には太古に自生していた植物が堆積し炭化せずに残った亜炭・泥炭が眠っている。この亜炭層から湧出する温泉は世界でも珍しい泉質をもつという。モールに含まれる「フミン物質」というのが肌をスベスベにして皮膚を再生する作用があるということが観光パンフレットに書かれています。

十勝川温泉の中心地にはホテル・旅館がいくつもあります。
そのうちのひとつ「笹井ホテル」は大正15年創業の老舗。ここで大衆演劇公演が不定期で開催されています。
笹井ホテルのWEBサイトに過去の公演パンフレットが掲載されています。1985年2~4月の公演のものがありますから、30年以上も旅芝居役者を迎い入れてきたことになります。移れば変わる世の習い、10年も経てば大衆演劇公演地が多数なくなってしまうこの業界で、これだけ実績を積んできたのですから、北海道を代表する大衆演劇場といってよいでしょう。

十勝川温泉の由来は明治33年に自然湧出している温湯を住民が利用したのが始まりという。明治末期に湯治場となり、大正時代に温泉旅館ができた頃は「笹井温泉」と呼ばれていたそう。

レンタカーを運転し笹井ホテルに到着しました。

sasai03.jpg
笹井ホテルの現在の姿

私は宿泊&観劇で利用します。

sasai05.jpg
客室

客室でしばし落ち着いた後は気になるモール温泉へ。
褐色でぬるぬるした温泉。いかにも肌によさそう。とても気持ちよかったです。

sasai07.jpg
夕食
「観劇ご宿泊プラン」もありますが、
私は「十勝産牛すきやき付和洋中約50品ビュッフェ」というプランにしました。

翌日。
チェックアウトしてから大衆演劇を観劇します。
昼の部・夜の部とは別れておらず、1日1回昼間に公演があります。

sasai10.jpg
ホテル入口の公演看板。
今月は劇団三桝屋。ゲストに劇団秀。

私は10時の開場時間を目指して大衆演劇会場へ向かいました。

sasai13.jpg
1階。この右手の扉が食事会場の大広間。
大衆演劇会場へは、この扉の左手廊下を進んでゆきます。

会場の前の廊下に、受付の紙を貼った講演卓の後ろにスタッフが3名ほどいらっしゃいました。

sasai15.jpg
大衆演劇会場。広い。

sasai17.jpg
前方は畳&座布団&低い長テーブル席

sasai20.jpg
後方はテーブル席

sasai23.jpg
後方席は靴のまま。前方の畳席に上がる際には靴を脱ぎます。

sasai25.jpg
前方

sasai27.jpg
花道

10時の開場から11時の開演までの間に、団体のお客さんが多数到着しました。
あらかじめ席は決まっていたのですが、前方の畳席ではなく後方のテーブル席を希望するお客さんが多く、スタッフが臨機応変に対応。
昨今の大衆演劇場を観察しておりますと、年配のお客さんには、舞台からの距離が遠くなってもいいから座布団席ではなく椅子席を希望するという傾向が強くなってきていると思います。

団体のお客さんはおのおの席を決めますと、お菓子を広げ、缶ビールやお茶なども用意し、あっという間に賑やかな雰囲気に。

開演10分前、10時50分にホテルスタッフ(大衆演劇公演の責任者の方でしょうか)のSさんよりご挨拶がありました。

11時開演。第1部は舞踊ショー。

sasai30.jpg
舞踊ショーの様子

11時50分頃第1部が終演しました。
劇団挨拶と物販に移ります。
その後またスタッフよりアナウンスがあり、団体のお客さんは食事会場へ移動。

sasai33.jpg
団体のお客さんの昼食会場。

第2部お芝居は13時から始まります。
開演数分前にまたスタッフのアナウンスがありました。

この日のお芝居は「出世街道」
大衆演劇でよくかかる「浜の兄弟」と同じバリエーションの話。
主演は三桝屋花形真珀達也と劇団秀の千澤秀座長。
私の大好きな市川市二郎座長が出演しなかったのが残念だ。

14時お芝居が終わり、10分の休憩をはさんで、14時10分に第3部舞踊ショーが始まりました。

sasai35.jpg
市川謙太郎座長の舞踊。
久し振りに拝見しましたがぐっと魅力が増していました。特に女形がいい。

15時5分終演。スタッフのアナウンス。

sasai37.jpg
送り出し。

何度もスタッフのアナウンスがありました。その様子を見ていますと「大衆演劇でお客さんに楽しんでもらおう」「ゆっくりくつろいで笑顔になってもらおう」という主催者側の思いが伝わってきます。

公演が終わり、ホテルの建物を後にしました。
私は夜にとかち帯広空港から飛行機で東京に帰ります。3~4時間くらい自由に過ごせます。

sasai40.jpg
まずは、笹井ホテルの敷地の隣にある「ガーデンスパ十勝川温泉」へ。

sasai43.jpg
十勝を堪能できるレストランとマルシェ。スパは水着で入るモール温泉とのこと。
観光オフシーズンの平日だったためか空いていました。

さてまだ時間があります。どこに行こうか。
帯広と聞いてまず思い浮かべるの豚丼と六花亭。というよりそれ以外は思いつかない。

sasai45.jpg
「ぶた丼のとん田」でぶた丼をいただきました。

次は六花亭本店へ。
私はマルセイバターサンドが好きなのです。

sasai47.jpg
六花亭本店にはイートインがあって、東京には売っていない(賞味期限が短すぎて売れない)お菓子を食べることができます。
ぶた丼を食べたばかりですが、スイーツは別腹と自らに言い聞かして六花亭レアスイーツ3種を食べました。
「サクサクパイ」「雪こんチーズ」「マルセイアイスサンド」

お腹いっぱいの状態でとかち帯広空港から帰京しました。

広~い北海道で、大衆演劇公演を行っている場所はわずかしかありません。
長い年月継続してきた笹井ホテルの旅芝居公演が今後も変わりなく続きますように。

(2019年11月探訪)
プロフィール

notarico

Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR