WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2018年08月
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アクセス良好、木戸銭激安の大阪のミニ大衆演劇場 「遊楽館」

アクセス良好、木戸銭激安の大阪のミニ大衆演劇場 「遊楽館」

東京在住の私はたまに大衆演劇のメッカ大阪に遠征に行きます。
昼の部と夜の部を違う劇場でハシゴするのが基本的な1日の過ごし方。
しかし東京に帰る最終日は、終電の関係で夜の部の舞踊ショーの途中で帰らざるを得ないのが残念。

そんな私に朗報がもたらされたのは2016年のこと。
夜の部を終演まで観ても東京に帰ることができる大衆演劇場が大阪にオープンしました。
それが大阪の十三にできた遊楽館です。
この大衆演劇場は新大阪駅から近いうえ夜の部終演が20時30分なので最後まで観ても東京行きの新幹線に間に合うのです。

十三駅の東口側には木川劇場という大衆演劇場があります。ここは駅から10分以上歩く。
遊楽館は逆の西口側にあります。そして駅から5分という好立地。

十三駅西口を出て短い商店街を抜けると大通りに出ます。
そこからちょっと南(左)に目を転じますと大通りの向こうに「SAKAEMACHI」のゲートが見えます。

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これがその交差点の写真
遊楽館に行くにはこのゲートではなく、建物を隔ててひとつ左隣の路地(写真の黄色矢印)に入ります。

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そこをずんずん進みます。
頭上に「十三一番街」という路地標識が見えます。

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左手にグランドサロン十三の大きな建物現れます。

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ここは夜になるといかにも「夜の街」といった雰囲気

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グランドサロンを過ぎ去って少し歩けば左手に遊楽館が見つかります。
このビルの1階です。

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入口

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入場券は券売機で購入します。

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場内

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左右の壁
この壁の向こうが楽屋でしょうか。

規模が小さい大衆演劇場はたいてい手作り感が溢れていて味わい深い。
遊楽館は「転用して造りました感」に強烈な個性を感じます。

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小さな劇場でもちゃんと花道を設けてくれるのはいいですね。

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座席

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この劇場で一番気になるデザイン?は床。
もとは駐車場か何かだったのでしょうか。

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公演中の様子

「劇場」としての立派さは他の公演場所に劣るかもしれない。
でも大衆演劇ならではの大衆価格で勝負。
なんと木戸銭は1300円。前売り券は1100円です。安い!
気軽にふらっと立ち寄れるのが魅力の劇場です。

さて東京からの旅人の私は遊楽館夜の部観劇後、東京へ帰ります。
十三と新大阪は距離的には近いけれども電車1本では行けない。
まず阪急電車で十三駅から南方駅へ移動。そこから西中島南方駅へ歩いて移動して御堂筋線で新大阪へ。そして新幹線乗車。

大衆演劇場がたくさんあって、いろんな劇団を日々チョイスできる大阪の方々がうらやましいなあ。
帰りの新幹線でそう思わずにはいられません。

でも仮に私が大阪在住だったとしても「旅先で旅芝居を観る」楽しさは求めてしまうんだろうなあ。

(2017年8月探訪)

四国徳島にできた待望の常打ち大衆演劇場 「徳島天満座」

四国徳島にできた待望の常打ち大衆演劇場 「徳島天満座」

徳島にできた常設の大衆演劇場「徳島天満座」は徳島駅から徒歩で約10分のところにあります。
徳島観光の中心、眉山ロープウェイ山麓駅も併設している「阿波おどり会館」からも徒歩で約10分です。
おそらくこの界隈は徳島県の一番の繁華街なのでしょう。

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アクティ21というビル

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この6階に徳島天満座があります。

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ビルの1階
劇団のポスターが貼ってあります

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エレベーターで6階へ

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6階に着きました。
あの黒い扉が天満座入り口

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6階を別の場所から撮影
この正面が天満座
見てのとおりビルの感じからはここに「劇場」があるとは想像がつかない。

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看板

県内外お客様おもてなし地域活性化イベント、期待度満載!!
その1 不定期で阿波の達人が前座にパフォーマンスショー
その2 阿波の一流物産品が当日予約者にはステージ終了後お引き渡し
その3 郷土料理を食事ながら演芸を観覧できる。演芸弁当\1,200より
開演時間 1日1回公演(12:00~15:00)
ふるさと創生ホール 徳島天満座

などと書いてあります。
ここは「ふるさと創生」がキーワードなのですね。

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入口

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中から見た出入口扉
このように入口扉を開ければすぐ劇場
入口入って左側で受付をします

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劇場内
この日はいっぱいのお客さん

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コンパクトな劇場です

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このように舞台面からフラットな高さの通路が客席中央に伸びているのがこの劇場の最大の特徴

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前方にはこのような椅子

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その後ろはこのような座席
この列は後ろの方なので座面が高めになっている。そのため足置きが用意してあります。

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お菓子 1袋100円
この庶民的な感じがいい

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劇場後方はカウンターがあり、その後ろにボトルやらグラスやら。
この施設は大衆演劇場の前はバーやクラブだったのかな。

お品書きが貼ってあります。
コーヒー、うどん、カレー、ビール、あめ湯、焼酎、日本酒、あま酒、アイスモナカ など

私が訪ねた日はきつねうどんを食べているお客さんがいました。

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公演中の様子

この日の公演は劇団あやめ。
姫猿之助座長が活躍する「モンキーカーニバル」の日でした。

実は私は、姫猿之助座長を見たくて徳島天馬座の探訪をこの日にしたのでした。

私は姫猿之助座長を大変注目しています。
まだ若い座長ですが芝居も舞踊も、強烈に観客を惹きつける芸を持っています。そしてアドリブ力の高さとユーモアセンス。
新時代の大衆演劇の座長の象徴のように私は感じています。
しかしながら現時点では劇団あやめは座員が少なく老舗の劇場にのっていないことを残念に思います。

(2017年12月探訪)

泉州にできたワイドな舞台の大衆演劇場 「麗央泉州座」

泉州にできたワイドな舞台の大衆演劇場 「麗央泉州座」

関東生まれ育ちの私にとって「泉州」という地名はふだん耳にすることがなく、今回大衆演劇場を探訪するまでどの辺にある土地なのかと思いを寄せることすらありませんでした。

昔の国の分け方における摂津、河内、和泉の国がおおまかにいうといまの大阪府に相当し、南部が和泉の国、すなわち泉州である。という大阪の方にとってはごく常識であろうことを今回私はようやく認識したのでした。

さてその泉州地区は旅芝居の芝居小屋がなくなってしまっていた土地でありました。
ところがここ数年次々と大衆演劇場が生れました。
麗央泉州座はそのひとつです。

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南海電鉄泉佐野駅。
この駅から麗央泉州座の送迎バスが運行しています。(予約が必要かもしれません)

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送迎バス

また、泉佐野駅からは無料のコミュニティバスも運行しているようです。劇場の最寄のバス停は「泉佐野保健所」です。

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私は電車の最寄駅から歩いて向かうことにしました。
泉佐野駅の隣駅、井原里駅で下車しました。

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瀬戸内海式気候の大阪南部は盛夏に雨が少ない土地で古くから農業用のため池が多く作られたそうです。麗央泉州座も大きなため池の近くにあります。
広大なため池はハスの葉で埋め尽くされていました。

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十数分歩くと赤い幟がたくさん見えてきました。

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麗央泉州座の建物
赤黒デザインの幟が見えます。ふつう、幟には大きく役者名が書かれたりしていますが、どの幟も人物のシルエットが描かれています。
この人物は誰?

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駐車場

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喫煙所は屋外にありました。

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館内に入り受付を済ませますと、ロビーの壁一面に額が飾られているのが目に入ります。
見るとこれらは皆「一富士麗央」という少年のポスターです。
外の幟のデザインはこの少年のシルエットだったのですね。
ここで麗央泉州座のネーミングの由来がわかりました。この少年の名前をとったとのこと。
ということはこの劇場は一富士麗央のために建てたのか?その前に一富士麗央という少年は誰?
彼は「スーパーボーイ麗央」という芸名もあるようです。この名を見て私ははっきりと思い出しました。

2014年5月、大阪の天然温泉ゆの蔵で一竜座(竜美獅童さんも帯同)の公演を観ていた際に、舞踊ショーでスーパーボーイ麗央がゲスト出演で踊っていました。

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これがその時の写真
どうも沖縄(琉球)に関係ありそうな舞踊でした。伴奏の方が手にしているのは三線でしょうか。スーパーボーイ麗央はその音にあわせてゆったりと踊っていました。
私に限らず多くのお客さんは、誰この少年?と思うのが先行していたためか、あまりその舞踊を盛り上げようと拍手をしなかったのかもしれません。伴奏の方は、ここのお客さんはこの芸を理解してくれないのが残念といった感じのことをおっしゃっていたのを覚えています。スーパーボーイの舞踊の途中で客席から現れた方が彼にお花をつけました。少年の胸にはたくさんの諭吉さんが。印象に残る場面でした。

以上の記憶がよみがえりました。また後述するように麗央泉州座は沖縄色が強いです。---沖縄出身の麗央少年には同郷の熱烈な支援者がいて、その方は麗央少年や大衆演劇界に惜しみなく金銭的援助をしている、という推測が私の中で導きだされました。

さて、この麗央泉州座はいろいろ特徴のある大衆演劇場でした。

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飲み物・食べ物の持ち込みは禁止です。

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飲み物はアルコールを含め各種そろっています。
オリオンビールがあります。

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お弁当やカップラーメンも売っています。
石垣牛みそ、沖縄そば、ゴーヤーチップスなど沖縄の食材もたくさんありました。

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ロビーの奥には休憩所があります。
お湯や電子レンジが用意されていました。
家族?で来てここで食事をとって劇場内に入る方もいました。仲間でこういう過ごし方ができるのはいいですね。

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劇場内。
広い!というかあまりに広すぎやしないか?こんなに横に長い舞台はそうそう見かけません。
そして中央に見える柱が気になる。

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客席を区切るように、中ほどに花道があり、前方に柱が建っています。
ああここでも柱問題が・・・と私はどんよりした気分になりましたが、客席誘導の方がいて、柱から左の席に座るよう案内していました。大衆演劇はあの柱の左側ゾーンで行われるようです。それなら柱は気にならない。よかった。
でも大きいイベントがある時はこの広い舞台と広い客席全部使うのだろうなあ・・・

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舞台左にも花道があります。

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前方の座椅子席ゾーンには靴を脱いで上がります。

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座椅子席
前の2列は予約料金を払った者のみ座れるよう。

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後方の椅子席
4列あって、前2列は低い椅子、後ろ2列は普通の椅子。
ということは、もしここにお客さんがすべて埋まったと仮定した場合、2列目と4列目の席は前のお客さん(1列目・3列目)の席と同じ高さだから、前の席の方の頭が邪魔でかなり視界をさえぎられるでしょう。
私はいろんな劇場を見てきましたが、舞台面の高さが低いのに客席の段差をつけないのは、正直劇場としてアウトだと思っています。その不公平感を解消するためなのか、1列目と3列目には追加予約料金を払わないと座れないことになっています。この設定もどうかなあと思います。舞台が観やすい席がいいからと1列目の席を予約しても、自分が後ろのお客さんにとって迷惑な存在になってしまうのは大変居心地が悪い。舞台の作り、客席の作り、システム、どれもちぐはぐな印象を受けます。もう少し客席の造成に投資してせめて椅子席に適切な傾斜がつけられないかなと思います。
天井が低い場所に大衆演劇場を作ろうとした場合にはどうしてもこのような問題がつきまといます。
劇場物件探しの際には<天井が高い場所にする→舞台面を高くする>は優先的な条件とするべし、と多くの大衆演劇場を見て思うようになりました。そうは言っても室内の天井が高い物件なんてそうそうないのでしょうね。ここに劇場を作ろうと決めた際もいろんな候補物件の中から時間をかけて選んだのだと掲示してあった記事に書いてありました。

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前方
このように舞台面が低い。
舞台の床の質感がいいですね。

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公演中の様子。

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左側の花道も中央の花道も活用していました。


ところでこの日の口上挨拶で座長から、言いにくいことで恐縮ですが・・・という前置きを置いてからこんなアナウンスがありました。
公演のお帰りに劇場に「応援ボックス」が用意されています。前売り券をそこに入れていただきますと、その日の入場者数にカウントさせていただきます。
とのことでした。つまり前売り券を寄付することでそれが入場者数に追加カウントされて、その数で大入りかどうかも判断されるよう。
これは関西では当たり前のシステムなのでしょうか?
私は以前から関西では簡単に大入りが出ることを不思議に思っていました。私は大入りの基準値が低いからと思っていたのですが、実はこの「入場者数を金で買う」というシステムも大きな要因だったのでしょうか。

ここで、2017年7月に麗央泉州座にのった長谷川武弥座長のブログを思い出しました。
<2017年7月の長谷川武弥座長のブログ抜粋>
皆さん今晩は
今日もありがとうございました
やっとお客様が増えて来ました
もう少し来てくれたら毎日大入りに
買えば出るけど
それは違うと思うんだよね
そんな事をしてると自分で自分の首を絞めることに
良い場所に乗りたい気持ちは解るけど
なんかそんな話を聞くと虚しいよね
1枚でも2枚でも買わない劇団さんもいるし
凄いと思う!

この文章はいったいどういう大衆演劇裏事情のもとに綴られたのでしょうか?私は以下のように読み解きました。
どの劇団もよい劇場に乗りたいと思っている。
よい劇場にふさわしい劇団であるために「大入りの数」という実績値をだしたい。
そのために「前売券を寄付すれば入場者数が追加カウントされる」というシステムを利用して
自ら、自分の劇団の公演の前売券を買う劇団もある。

この解釈が的を得ているかどうかわかりませんが、もしこのとおりだとしたら、まったくバカげた話ではないでしょうか。
暗澹たる気持ちになってくるのは私だけでしょうか。
劇団の立場になっても考えてみたいと思います。
上記の文脈でいうところの「良い劇場」とは、お客さんの集客がある程度見込めて、劇団経営が助かる劇場としておきます。事実として、大衆演劇場の集客は劇場によってびっくりするくらい違うと思います。集客の少ない劇場を回り続けていたらジリ貧になってしまうでしょう。劇団にとって「よい劇場」に乗れるかどうかは死活問題といえるのかもしれません。「大入り」という、劇団の箔にかかわる数値にどうしても敏感になるのでしょう。

ひとつの背景として、その劇団を評価するにあたって、「実際の集客数=どれだけその劇団の芸をみたい人がいるか」ではなく「見せかけの集客数=前売券寄付数を含め劇団のお金を呼び込む力」の方を劇場側も重視しているということがあるのではないでしょうか。経営を考えればそれは当たり前のことかもしれません。
劇場に入ってお客さんの数を数えればその回の売上(木戸銭×客の数)は私でも判断できます。この程度の売上でなぜ劇場の経営が成り立つのかと不思議に思うこともよくあります。
劇団はご贔屓さんからの「お花」という収入によって経営の足しにすることができますが、劇場に直接寄付するお客さんはほぼいないでしょう。そこで「前売券の寄付」という劇団にも劇場にもメリットがあるシステムが定着することになったのかもしれません。

と書きましたが、そもそも私は劇団の公演先の劇場がどのように決まっているかを知りません。手配をしている演芸社さんと、劇団・劇場との間でどんなやりとりがあるのでしょう。
それはどうであれ、この業界に、一般のお客さんからは安い木戸銭しかもらわないが、一部のお金に余裕がある方の援助があるから、全体として経済活動が成立している、という構造があり、多くの関係者はその構造に依存することに慣れきってしまっている、とは言えそうです。この構造を変える、つまり一般のお客さんの木戸銭だけでも劇場も劇団もやっていける、という状態にすることが今後の大衆演劇界の一番の命題でしょう。

大衆演劇に関わる誰もがこの構図に抗したい、つまり、「実際の集客数(=芸の力)」を「見せかけの集客数(=集金力)」より重視する業界にしたいと望んでいるのではないでしょうか。けれども現実的にはそうも言ってられない。
前売り券寄付システムは大衆演劇界が難しい局面を迎えていることの象徴なのではないか。
業界に新しい潮流が必要だということは誰もが感じているでしょう。興行に対する態度がとても問われる時期だと思います。
一方で、試行錯誤しなければならない時だからこそ見失ってはいけない大切な意識というものもあると思います・・・
・・・生かじりな私が大それたことを書いてしまいました。
けれども私なりに大衆演劇の未来について考え続けてゆきたいと思っています。

(2017年8月探訪)

大震災後のリニューアルで始まった旅芝居 「なか健康センター」

大震災後のリニューアルで始まった旅芝居 「なか健康センター」

なか健康センターは茨城県那珂(なか)市に2001年にできた健康センターです。
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所在地を見ての通り、2011年3月の東日本大震災では大きな被害を受け、半年間の休業を余儀なくされました。
2011年10月のリニューアルオープンの際に「なか座」を作り大衆演劇公演が始まりました。
ですから「なか座」は震災後の復興の象徴ともいえるのではないでしょうか。

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なか健康センター
左隣にはパシフィックスポーツプラザ那珂の白い建物が見えます。

電車だとJR水郡線上菅谷駅から徒歩5分
車では常磐自動車道那珂ICを降りて3分
とアクセスしやすい場所にあります。

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入口

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ロビー
フロントに下足ロッカーキーを預け浴場のロッカーキーと館内着・タオルを受け取ります。
支払いは帰りに自動精算機で一括精算します。

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大衆演劇は昼の部と夜の部がありますが、夜の部は舞踊ショーのみです。
観劇料金は入館料に含まれています。

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大衆演劇場なか座は2階にあります。
私は事前に電話をして開場時間を確認しました。なか座の開場は「準備が出来次第」とのことでした。
この日は9時30分頃開場しました。良い席を確保したい大衆演劇ファンのお客さんはもちろん開場前に来ています。

この施設は24時間営業。
ただし8:00~10:00はお風呂やサウナは利用できません。
ですから9:30に劇場に入って席取りをしたら10:00まではお風呂以外で時間をつぶすことになります。

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なか座
センターでは飲食場が劇場を兼ねていることが多い。ここは観劇専用の部屋です。
ですから客席の椅子はすべて舞台を向いています。

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前方

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客席前の方の席は座椅子席。
2席共用の机がついています。いいですね。

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座椅子席の後ろはちょっとだけ座面が高い椅子。

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その後ろは普通の高さの椅子

椅子の種類で傾斜をつけてはいるけれど・・・
同じ高さの椅子のエリアはその最前列以外はとても見えにくいだろう。
なか座ではよい自由席をゲットすることはとても大事です。

舞台の高さを高くできないセンターでは、こうした椅子席を中央に並べることは少ない。
だいたい床&座布団です。
オール座椅子席にするか、椅子席を設けるかは、
見えやすさをとるか観劇時の疲れなさをとるか、難しい問題だと思います。
私としては、劇場とする以上、視界のほとんどが前の席のお客さんの頭に遮られてしまうような席は設けてはいけないと考えます。

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前の方が指定席のよう。
こんな掲示だけでは、知らずに前の方に座ってしまうお客さんが少なからずでてきそう。

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なか座下手の花道

私もタオルで席を確保。
10時を待ってお風呂に向かいます。

「北投の湯」というのがなか健康センターのお風呂の宣伝句。
「北投」は「べいとう」と読みます。
北投石(べいうとうせき)というラジウムを大量に含む石を使ったお風呂の他、多様なお風呂やサウナがあります。
別料金で北投石岩盤浴もあります。

食堂は1階にあります。

最近センターにある食堂で座長弁当や座長定食といったメニューを見かけるようになりました。
ここにもありました。
「1日15食限定!!ブロマイド付 スペシャルしんちゃん定食 \1,780」
というのがあったのでそれを注文しました。
しんちゃんというのは、この日の劇団、見海堂劇団の座長見海堂真之介座長のことですね。

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スペシャルしんちゃん定食
これにアイスクリームが付きます。お刺身の一切れが大きい。ボリューム満点!

妻は酢豚を単品で頼みましたが、これも予想以上の量!
お腹がふくれて幸せ。

ガラス壁で仕切られた喫煙席があるものこの食堂の特徴。

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健康センターというだけあって、健康関係の施設は充実しています。
保険診療ができる整骨院がセンター内にあります。
それとは別にボディケア、フットケアのお店もあります。私はそこでちょっとヘッドマッサージを施術してもらいました。とても気持ち良かったです。
コイン式のマッサージマシンも館内にたくさんあります。
私はコインマッサージ機が好きなので2種類試しました。
ここは珍しく寝るタイプのマッサージマシンがあります。


開演時間の13時が近づき、なか座に移動。
第1部はお芝居。

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第2部舞踊ショー
座長見海堂真之介座長の女形

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舞踊ショー
見海堂劇団らしい華やかな照明

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この日は劇団子役おまつり野郎(なんちゅう芸名だ)の誕生日公演。
おまつり野郎を主役に立てたラストショー

以上でなか健康センターのレポートを終わります。

今回私は車での探訪でした。

なか健康センター以外に訪ねた場所も紹介しておきます。

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坂東三十三観音霊場 二十二番札所 佐竹寺(さたけじ)
写真は国の重要文化財の本堂。室町時代建立。長い歴史を経た証のような重い風雅を感じる建物。時の流れの儚さを感じさせる茅葺きの屋根。規模は大きくないが歴史と由緒を感じるお寺です。
この寺に帰依した源昌義がここで佐竹と改名し、それが佐竹姓の起源らしい。
私の親戚に山形で温泉旅館をやっている佐竹さんがいます。その佐竹さんから聞いた話ですが、常陸を治めていた佐竹氏が戦国時代に秋田に左遷(?)させられた際に、土地の美人を皆秋田に連れて行ったのが秋田美人の起源だとか。ほんとかな。
佐竹寺はなか健康センターからは車で約25分のところにあります。

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道の駅ひたちおおた
2016年にオープンした新しい道の駅
なか健康センターから車で15分くらい

ここでお土産を買って帰りました。

なか健康センターは常磐道出口の近くにあるので、東京から車で行くと結構近い。
道が混まなければ2時間以内で行くことができます。


東日本大震災で被害を受けた後、大衆演劇公演が途絶えてしまった公演地がありました。
なか健康センターのなか座は大震災がきっかけて生まれた劇場。
復興の象徴として、また地域の方々の笑顔とくつろぎの場として旅芝居公演がここで続いてほしいと思います。

(2018年7月探訪)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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