劇団舞踊絵巻観覧記 橘小竜丸劇団鈴組 2015年6月川崎大島劇場
劇団舞踊絵巻観覧記 橘小竜丸劇団鈴組 2015年6月川崎大島劇場
今回の劇団舞踊絵巻観覧記は2015年6月から新体制となった橘小竜丸劇団です。
橘龍丸座長が修行のため5月末で休団することに伴い、橘鈴丸が5月に座長を襲名、小竜丸太夫元と鈴丸座長が率いる橘小竜丸劇団鈴組が始動しました。
舞台上の橘鈴丸が近づくと若い女性ファンたちが悲鳴をあげる。そんな光景を何度見ただろうか。関東にどのくらいの鈴丸教信者がいるのか。
他の大衆演劇役者にはない強烈な個性を持ち、その美しさかっこよさで多くの女性ファンを魅了する、大衆演劇界の女異端児橘鈴丸。私(男)も鈴丸の世界が大好きで、以前本ブログで鈴丸の誕生日公演をとりあげたことがあります。
その鈴組の最初の公演先は川崎大島劇場。小竜丸劇団が大島にのるのは2008年8月以来7年ぶりです。
自宅に一番近い大衆演劇場が大島劇場である私にはうれしい限り。
新生小竜丸劇団を見に大島に通いました。
橘鈴丸座長はステージで圧倒的存在感を放っていました。単に登場回数が増えただけでなく座長としての自覚がオーラを増幅しているようにも思えます。
もちろん他の役者さんの舞踊も魅力的だ。
以下6月から始動した橘小竜丸劇団鈴組の舞踊ショーの断片を綴ります。
※多くの写真は絵巻っぽく加工しています。
※一部、7月小岩湯宴ランドの鈴組公演の写真も含みます。
【橘鈴丸 立役編】
芝居では立役が多い鈴丸座長。初めて小竜丸劇団を見て鈴丸が男役者だと思った人は多いのでは(私もそのひとり)。

男が憧れる男の姿

月と美少年

鈴丸座長の立役舞踊は、渋くキメるバージョンも情熱的に躍動するバージョンもどちらもかっこいい。
元気いっぱいの鈴丸座長。

秋の雨の夜
古い芝居小屋に似合いすぎる

異界から降り立った妖魔が暴れているような。
鈴丸座長らしい世界。

舞踊ショー「大忠臣蔵」より
美青年浅野長矩

放して下され梶川殿!
その手を放して討たせて下され、梶川殿~っ!!

ただ無念なは上野介を打ち損じたる事。
武士らしく潔い覚悟をもって切腹する浅野長矩。
その他洋装立役舞踊もいい。
あと鈴丸は学ラン姿もとても似合います。
【橘鈴丸 女形編】
「お客様の望まれることは何でもやりたいと思います。でも、鈴丸もっと女らしくなれよ、だけはできませんので・・」というのが鈴丸座長の口上のネタ。
しかし私は座長になった鈴丸の女形に「大人の女の艶」を強く感じて驚きました。若々しくもあり大人の雰囲気も持つ鈴丸座長の今の年齢(26)は、女形舞踊の最適齢期なのかもしれません。

艶やかに美しく

鈴丸座長の舞踊は一曲一曲の歌詞や雰囲気をとても大事にする。
歌詞にあわせた所作、一曲の中でさまざまに移ろいゆく表情。

鈴丸の姐御めいたキャラも好きだ。

桜の精のような。
この舞踊ではエキゾチックな香りの香水をつけていました。
香りを楽しむのも大衆演劇の醍醐味。

芝居小屋らしい一景

花魁と煙管。
煙管を手に誘惑するような妖しい目を客に向ける。
鈴丸はこういう所作が得意。
ちなみに私が好きな鈴丸舞踊の曲は椎名林檎です(最近はやってないかな)。

数年前と比べると女形舞踊は本当に魅力を増したと思います。
大人の陰翳が滲むようになった。たまに、奥底にある深い哀しみがふと現れたような遠い表情を見せ、どきっとさせられる。そんな瞬間は客として幸福だ。だがその一瞬をカメラに収めるのは至難の技。

笑顔だけでなく、女のはかなさを宿した表情でお客さんを魅了できるかどうかが、女役者の芸のひとつのラインだと思います。
【橘鈴丸 鈴丸ワールド編】
冒頭に「大衆演劇界の女異端児」と書いたのは、この鈴丸ならでは独特な世界があるからこそ。
その鈴丸ワールドを言葉で表すなら、、、
アニメ・マンガ的、冒険活劇的、童話的、妖魔、幻想、夢想、退廃、耽美、DOLL、ロリータ・・・
いくつものワードが次々と思い浮かび、とりとめがなくなるばり。とにかく鈴丸座長の中には汲めど尽きないアイデアがある。
絵を描くのが好きで黒いものや髑髏を嗜好する少女だったという。中二病的嗜好を抱いたまま大人になってしまいそれを大衆演劇の舞台で表現している、そんな面もあるでしょう。
サブカル好きな素人がコスプレをするのとは次元が違う、カリスマ旅役者の妄想ワールドをもっと多くの人が楽しんでくれたらいいなと思います。

鈴丸といえば黒

ハイカラ女学生+金髪三つ編み+キノコのポシェット。袴の下は紅いブーツ。
鈴丸座長の妄想キャラ。

妖艶なヨーロピアン舞踊

アイドルグループのような衣装であどけない少女っぽく舞台を跳ねる鈴丸座長。

猫耳、猫手、しっぽ。

やっぱり鈴丸は黒!
・・・一番紹介したい鈴丸ワールドの写真が少ないっっ!
鈴丸独特のステージはもっと多種多様、変幻自在。
昔の写真を貼りたいところだけれども、今回はあくまで鈴組の舞踊絵巻なので私が通った数回の写真にとどめます。
私にとって橘小竜丸劇団の楽しみは新たな鈴丸ワールドに出会う楽しみでもあります。
以下鈴丸座長以外のメンバーを紹介します。
【橘小竜丸太夫元】
龍丸座長が活躍していたときはご隠居モードになりつつあった橘小竜丸太夫元。鈴組ではがっつり芝居で活躍するようになりました。小竜丸太夫元の渾身の演技はやはり龍丸よりも何枚も上手だ。年季が入った旅役者の演技を鈴組では堪能したい。

橘小竜丸太夫元の女形
【たちばな佑季・たちばな千夏】

たちばな佑季(ゆき・左)とたちばな千夏(ちなつ・右)の相舞踊
【たちばなゆり】

酒よ どうしてどうして あのひとをあきらめたらいいの・・・
【たちばな百花】

たちばな百花(ももか)と鈴丸座長の相舞踊
【たちばな朱音・たちばな三倖】

たちばな三倖(みゆき・左)とたちばな朱音(あかね・右)
ともに10代
【たちばな亮之丞】

まだ入団1年未満、修行中であるが期待の若手男子。
芝居で小竜丸太夫元や花道あきらさんにいじられる場面がおもろい。頑張れ!
【花道あきら】
橘龍丸座長の休団をニュースを知ったとき、ただでさえ女だらけの劇団なのに龍丸座長が抜けて大丈夫か?と正直思いました。その心配を吹き飛ばす強力な新メンバーが小竜丸劇団に加わりました。その名は花道あきら。

鹿島順一劇団にいた花道あきらさん。
男不足の小竜丸劇団にとって花道あきらさんの存在は大きすぎる。ベテランらしい力の抜けた演技で小竜丸劇団の芝居を支えています。

花道あきらさんの女型舞踊がいい。
特に大島劇場の雰囲気にはとても合いました。
【桜木英二】
劇団さくらぎの座長だった桜木英二さんが加入したのもとても大きい。
芝居でも舞踊でも円熟の味わいを見せてくれます。

桜木英二さんの舞踊では下手から暖色の照明があたることが多い。
それがとてもいい絵になる。

大衆演劇の魅力ここにあり、という舞台をいつも見せてくれます。

さくらぎ英二さんがどんな踊りをするのか毎回楽しみ。
【さくらぎ八重子】

呼びかけると「はーい」と返事するおちゃめなさくらぎ八重子さん。
私は立役舞踊が好き。
以上、橘小竜丸劇団鈴組の舞踊絵巻でした。
最後は男前すぎる鈴丸座長の絵で締めたいと思います。

かっこいい・・・
今後の橘小竜丸劇団鈴組の活躍がとても楽しみです。

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今回の劇団舞踊絵巻観覧記は2015年6月から新体制となった橘小竜丸劇団です。
橘龍丸座長が修行のため5月末で休団することに伴い、橘鈴丸が5月に座長を襲名、小竜丸太夫元と鈴丸座長が率いる橘小竜丸劇団鈴組が始動しました。
舞台上の橘鈴丸が近づくと若い女性ファンたちが悲鳴をあげる。そんな光景を何度見ただろうか。関東にどのくらいの鈴丸教信者がいるのか。
他の大衆演劇役者にはない強烈な個性を持ち、その美しさかっこよさで多くの女性ファンを魅了する、大衆演劇界の女異端児橘鈴丸。私(男)も鈴丸の世界が大好きで、以前本ブログで鈴丸の誕生日公演をとりあげたことがあります。
その鈴組の最初の公演先は川崎大島劇場。小竜丸劇団が大島にのるのは2008年8月以来7年ぶりです。
自宅に一番近い大衆演劇場が大島劇場である私にはうれしい限り。
新生小竜丸劇団を見に大島に通いました。
橘鈴丸座長はステージで圧倒的存在感を放っていました。単に登場回数が増えただけでなく座長としての自覚がオーラを増幅しているようにも思えます。
もちろん他の役者さんの舞踊も魅力的だ。
以下6月から始動した橘小竜丸劇団鈴組の舞踊ショーの断片を綴ります。
※多くの写真は絵巻っぽく加工しています。
※一部、7月小岩湯宴ランドの鈴組公演の写真も含みます。
【橘鈴丸 立役編】
芝居では立役が多い鈴丸座長。初めて小竜丸劇団を見て鈴丸が男役者だと思った人は多いのでは(私もそのひとり)。

男が憧れる男の姿

月と美少年

鈴丸座長の立役舞踊は、渋くキメるバージョンも情熱的に躍動するバージョンもどちらもかっこいい。
元気いっぱいの鈴丸座長。

秋の雨の夜
古い芝居小屋に似合いすぎる

異界から降り立った妖魔が暴れているような。
鈴丸座長らしい世界。

舞踊ショー「大忠臣蔵」より
美青年浅野長矩

放して下され梶川殿!
その手を放して討たせて下され、梶川殿~っ!!

ただ無念なは上野介を打ち損じたる事。
武士らしく潔い覚悟をもって切腹する浅野長矩。
その他洋装立役舞踊もいい。
あと鈴丸は学ラン姿もとても似合います。
【橘鈴丸 女形編】
「お客様の望まれることは何でもやりたいと思います。でも、鈴丸もっと女らしくなれよ、だけはできませんので・・」というのが鈴丸座長の口上のネタ。
しかし私は座長になった鈴丸の女形に「大人の女の艶」を強く感じて驚きました。若々しくもあり大人の雰囲気も持つ鈴丸座長の今の年齢(26)は、女形舞踊の最適齢期なのかもしれません。

艶やかに美しく

鈴丸座長の舞踊は一曲一曲の歌詞や雰囲気をとても大事にする。
歌詞にあわせた所作、一曲の中でさまざまに移ろいゆく表情。

鈴丸の姐御めいたキャラも好きだ。

桜の精のような。
この舞踊ではエキゾチックな香りの香水をつけていました。
香りを楽しむのも大衆演劇の醍醐味。

芝居小屋らしい一景

花魁と煙管。
煙管を手に誘惑するような妖しい目を客に向ける。
鈴丸はこういう所作が得意。
ちなみに私が好きな鈴丸舞踊の曲は椎名林檎です(最近はやってないかな)。

数年前と比べると女形舞踊は本当に魅力を増したと思います。
大人の陰翳が滲むようになった。たまに、奥底にある深い哀しみがふと現れたような遠い表情を見せ、どきっとさせられる。そんな瞬間は客として幸福だ。だがその一瞬をカメラに収めるのは至難の技。

笑顔だけでなく、女のはかなさを宿した表情でお客さんを魅了できるかどうかが、女役者の芸のひとつのラインだと思います。
【橘鈴丸 鈴丸ワールド編】
冒頭に「大衆演劇界の女異端児」と書いたのは、この鈴丸ならでは独特な世界があるからこそ。
その鈴丸ワールドを言葉で表すなら、、、
アニメ・マンガ的、冒険活劇的、童話的、妖魔、幻想、夢想、退廃、耽美、DOLL、ロリータ・・・
いくつものワードが次々と思い浮かび、とりとめがなくなるばり。とにかく鈴丸座長の中には汲めど尽きないアイデアがある。
絵を描くのが好きで黒いものや髑髏を嗜好する少女だったという。中二病的嗜好を抱いたまま大人になってしまいそれを大衆演劇の舞台で表現している、そんな面もあるでしょう。
サブカル好きな素人がコスプレをするのとは次元が違う、カリスマ旅役者の妄想ワールドをもっと多くの人が楽しんでくれたらいいなと思います。

鈴丸といえば黒

ハイカラ女学生+金髪三つ編み+キノコのポシェット。袴の下は紅いブーツ。
鈴丸座長の妄想キャラ。

妖艶なヨーロピアン舞踊

アイドルグループのような衣装であどけない少女っぽく舞台を跳ねる鈴丸座長。

猫耳、猫手、しっぽ。

やっぱり鈴丸は黒!
・・・一番紹介したい鈴丸ワールドの写真が少ないっっ!
鈴丸独特のステージはもっと多種多様、変幻自在。
昔の写真を貼りたいところだけれども、今回はあくまで鈴組の舞踊絵巻なので私が通った数回の写真にとどめます。
私にとって橘小竜丸劇団の楽しみは新たな鈴丸ワールドに出会う楽しみでもあります。
以下鈴丸座長以外のメンバーを紹介します。
【橘小竜丸太夫元】
龍丸座長が活躍していたときはご隠居モードになりつつあった橘小竜丸太夫元。鈴組ではがっつり芝居で活躍するようになりました。小竜丸太夫元の渾身の演技はやはり龍丸よりも何枚も上手だ。年季が入った旅役者の演技を鈴組では堪能したい。

橘小竜丸太夫元の女形
【たちばな佑季・たちばな千夏】

たちばな佑季(ゆき・左)とたちばな千夏(ちなつ・右)の相舞踊
【たちばなゆり】

酒よ どうしてどうして あのひとをあきらめたらいいの・・・
【たちばな百花】

たちばな百花(ももか)と鈴丸座長の相舞踊
【たちばな朱音・たちばな三倖】

たちばな三倖(みゆき・左)とたちばな朱音(あかね・右)
ともに10代
【たちばな亮之丞】

まだ入団1年未満、修行中であるが期待の若手男子。
芝居で小竜丸太夫元や花道あきらさんにいじられる場面がおもろい。頑張れ!
【花道あきら】
橘龍丸座長の休団をニュースを知ったとき、ただでさえ女だらけの劇団なのに龍丸座長が抜けて大丈夫か?と正直思いました。その心配を吹き飛ばす強力な新メンバーが小竜丸劇団に加わりました。その名は花道あきら。

鹿島順一劇団にいた花道あきらさん。
男不足の小竜丸劇団にとって花道あきらさんの存在は大きすぎる。ベテランらしい力の抜けた演技で小竜丸劇団の芝居を支えています。

花道あきらさんの女型舞踊がいい。
特に大島劇場の雰囲気にはとても合いました。
【桜木英二】
劇団さくらぎの座長だった桜木英二さんが加入したのもとても大きい。
芝居でも舞踊でも円熟の味わいを見せてくれます。

桜木英二さんの舞踊では下手から暖色の照明があたることが多い。
それがとてもいい絵になる。

大衆演劇の魅力ここにあり、という舞台をいつも見せてくれます。

さくらぎ英二さんがどんな踊りをするのか毎回楽しみ。
【さくらぎ八重子】

呼びかけると「はーい」と返事するおちゃめなさくらぎ八重子さん。
私は立役舞踊が好き。
以上、橘小竜丸劇団鈴組の舞踊絵巻でした。
最後は男前すぎる鈴丸座長の絵で締めたいと思います。

かっこいい・・・
今後の橘小竜丸劇団鈴組の活躍がとても楽しみです。

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