WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2015年02月
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豊富な湯量の温泉と大衆演劇特化の専用劇場 「桃太郎温泉」

今回は岡山県の大衆演劇場「桃太郎温泉」を目指します。

桃太郎温泉のホームページに「岡山桃太郎温泉送迎バス路線」という案内を入手できます。
それによると、JR岡山駅西口からは9:00および10:30に送迎バスが出発するようです。

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週末の連休の初日の土曜日に岡山駅西口バス乗り場に来ました。
「湯迫温泉健康村」「やま幸」や閉館したらしい「乃利武」への送迎バスもここが乗り場でした。

ところが10:30近くになっても桃太郎温泉の送迎バスがこない。
渋滞で遅れてるのかもしれないと思ってしばらく待つ。
10:40になってもこない。おかしい。桃太郎温泉に電話をする。
「バスは10:00出発です。10:30に出るのは日曜日です」
なんじゃそりゃ~。バス案内には「毎日」としっかり書いてあるではないか。

まあ、こういうことは大衆演劇界では珍しいことではない。
HPで予告されていた演題が行ってみたら変わっていたり、
HPに書いていないのに、開演時間が変更になっていたり、公演が休みになっていたり。

路線バスで桃太郎温泉に向かうことにしました。

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岡山駅の東口のバスターミナルに移動して、宇野バスを利用します。
先ほどの電話での指示では「黒田団地」というバス停で降りるとのこと。

団地?
私は桃太郎温泉が郊外の民家が少なめのところ、言ってしまえばひなびたところにあると勝手に想像していました(湯迫温泉や乃利武がそうだったので)。集合住宅が並ぶ街中にあるのだろうか。

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バスは岡山駅を出発すると北の方に向かいました。

市街地を過ぎると車窓はどんどん田舎っぽくなってゆく。
どうみてもこの先に「団地」が出現するとは思えない。
自然の景色を目で追いながら路線バスに揺られるという旅の旅情は好きなのだけれども、今はバスを間違えているのではないかと気がかりで落ち着かない。

心配しましたがバスは無事「黒田団地」というバス停に停車してくれました。

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バス亭のまさに目の前に桃太郎温泉がありました。

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桃太郎温泉と併設のホテル
桃太郎温泉は幹線道路沿いにあります。

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ちょっと離れた場所から。
どこに「黒田団地」があるのだい?
団地の謎は結局解けずじまいでした。

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「大衆演劇開催中」
お~やってるやってる

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「湯元」がありました。
平成6年にカナダ油田採掘企業総勢25名が採掘を行い、温泉日量450tを湧出することに成功した、と館内の案内に書いてありました。この豊富な湯量により、岡山県初の全浴槽かけ流しで営業しているとのことです。

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温泉運搬車もありました。

では桃太郎温泉館内に入ります。

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受付を済ませて進むと正面に歓迎のパネルと館内図。
2階建ての施設で、1階に温泉施設、2階に大衆演劇施設があります。

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超ミネラルウォーター。
飲むと桃太郎のように元気になれそうだ。

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センターは全国にあるけれど、「種」を売っているところにここの土地柄を感じる。

では大衆演劇場がある2階へ。

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2階への階段の途中にあった掲示

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多くの大衆演劇場はプリンターによる掲示に移行している。
手書きの掲示の味わいこそ大衆演劇場の味わいでもある。

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2階。
向こうに見えるのは大広間。
大広間の食事サンプルが左手のショーケースに並んでいます。

以前私は全国の大衆演劇場をその形態から3つに分類したことがあります。

A 劇場
B センター(大衆演劇をする場所が飲食所を兼ねている)
C センター(大衆演劇をする場所は舞台公演専用の場所である)

ここ桃太郎温泉は上記BとCを併せ持つ大衆演劇場です。
すなわち、
昼の部(芝居+舞踊ショー)は専用の劇場で行う。
夜の部(舞踊ショー)は飲食できる大広間で行う。
のようになっております。

初めて来た私はそんなことを知らないものだから、昼の部も大広間で行うものと思ってしまい、最初は広間でぽつねんと佇んでいました。
やがて「何かが違う」と感じ取り、別の場所にある劇場の存在に気づいたのでした。

そういえば同じ岡山県の「やま幸」もBとCを併せ持つ公演場所でした。

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大広間の横の廊下を進むと劇場へ続く通路があります。

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劇場入口

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場内後方より

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左前方から入口方面を見て。

なかなかいい感じで芝居小屋の雰囲気がでています。
センター内の劇場で床がナナメなのも珍しい。

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後方は座椅子。

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前方にあるのは、座椅子とふつうの椅子の中間くらいの椅子。(なんて呼ぶのだろう)
このような高さの椅子はほとんど見たことがない。

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緞帳

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花道も立派なものが拵えられています。
そして驚くことに花道の床にライトが仕込まれている。

この劇場を設計したのは相当の手練れの方と見ました。
設計した方に取材してこの劇場製作への思いをいろいろ聞いてみたい。

この日は、錦はやと座長率いる劇団錦の公演です。
開演時間が近づくと、劇場内はたくさんのお客さんが集まって賑やかになってきました。
でも、よくある地方のセンターののんびりした雰囲気とは違う。
あちこちのお客さんから「熱心なファンですオーラ」がたちこめている。
実はこの日の翌日に錦はやと座長の誕生日公演があり、遠方から劇団錦ファンの方々がやってきていることがわかりました。
私はこの日の夜は桃太郎温泉併設ホテルに泊まろうと思っていたのですが満室で予約できませんでした。
まさか満室とは、、と思ったのですが、その理由がここでわかりました。

全国のあちこちからコアな劇団錦ファンが詰めかけているようです。
「14年間追っかけているんだ」といった会話も漏れ聞こえました。

第一部お芝居は「かなわぬ恋の花かんざし」
弁太郎(錦はやと)とその弟分の政吉(カムイ☆龍虎)が同じ女に恋をして対決する、といった場面がありました。

私が劇団錦を観るのは数年ぶり。
前回三吉演芸場で観たときはカムイ☆龍虎は小学生だった。
ずいぶん背も伸びたし、もうこんな役ができるようになったのかとその成長ぶりが感慨深い。
カムイ☆龍虎熱烈ファンっぽい若い女の子も観に来ていた。
そりゃそうか今や「美3BOYS」だものな。

第1部お芝居の時間は12:30~13:30となっているけれど、この日は長引いて、お芝居後の口上挨拶が終わったのが14:00。第2部舞踊ショーは14;30からがいつもの時間。桃太郎温泉では第1部と2部との間にお客さんの昼食の時間を確保する、という方針があるようで、第2部は14:50からの開始と決まりました。

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舞踊ショー
カムイ☆龍虎の女形
劇団は若い座員が多い。今はやりたい芝居やショーができないかもしれないが、数年後若手が成長したら楽しみな劇団だ。

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錦はやと座長

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私は「3枚目的な役を受け持つ味わいのあるベテラン役者」が好きだ。
劇団錦の翼ゆうきさん(写真右)もそんな役者さんのひとり。
カムイ☆龍虎との相舞踊。

お昼の部が終わったら、夜の部が始まるまで温泉へ。
「岩風呂」「元湯」「檜風呂」いろんな種類のお風呂がすべて源泉掛け流し。うれしいな。
「韓国黄土風呂」というのもあった。これは屋外にあるごく小さな小屋に狭い出入口から入るオンドル式のサウナである。寝床が4床にカマボコのような竹の枕が置いてある。こういう一風変わった施設に私は興味をそそられる。

夜の部は大広間で行われます。

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大広間。
ステージから一番遠いところより。
遠いエリアはテーブルと椅子の席、近いエリアは低い長机と座布団の席。

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ステージ

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桃太郎弁当(1600円)を注文

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夜の部、舞踊ショーの幕が開きました。

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カムイ☆龍虎のきりっとした舞。
和の所作を受け継ぐ若手が成長するのはうれしいものだ。
彼の芸名が「☆」付きでなくなるのはいつになるのだろう。

終演後は桃太郎温泉の送迎バスで岡山駅まで帰りました。

単なる郊外の温泉施設ではない。岡山県屈指の湯量を誇り立派な劇場を擁する宿泊施設付温泉だとは、幹線道路を通過するドライバーのどの程度が知っているのだろうか。
是非多くの方に桃太郎温泉での大衆演劇体験をしてもらいたいなと思います。

(2014年6月探訪)

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童話の国の人情芝居 「カッパ王國」

雪が降り始めた12月半ばの福島県。
私はひとり、みちのくの大衆演劇場を目指していました。

福島市の北のおとなり伊達市に「カッパ王國」という健康ランドがあります。
ここで行われる大衆演劇を観に来たのです。

カッパ王國へ行くのには福島駅前から出ている送迎バスに乗るのが便利そうです。
しかし私は旅情を求めて電車と徒歩で向かうことにしました。

平日の朝、人気の薄いホームに短い車両がすべりこんで来ました。
10:00JR福島駅発東北本線白石行きの電車。
夜にうっすらと積もった雪に朝の陽光が反射して、流れてゆく車窓の景色の中できらきらと輝いていました。
がらんとした車両は10:09に伊達駅に到着しました。

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伊達駅舎
とても静かです

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駅前に設置されていた放射線量計

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駅舎正面からまっすぐのびる道を進みます。
昨晩降り積もったばかりの雪にはすでに今朝の多くの通勤者・通学者に踏まれた跡がありました。

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昨晩の雪から一転して今日はとてもよい天気。
遠くの山もきれいに見える。
スーパー「ヨークベニマル」の向こうに小さく黄色い建物が見えてきました。

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駅から歩いて約15分。
カッパ王國に着きました。
その名にふさわしく童話的な建物。

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これは夕方の写真
「カッパ王國」の文字とカッパのイラストにライトが灯っています。

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入口横のカッパの像。

中はいたって普通の健康ランド。
例によって靴は入口脇の靴箱にしまいます。

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入口付近のポスター。
「大衆演劇旅一座」この歌、今後舞踊ショーでかかるようになるのかなあ。

受付でロッカーキーを受け取り浴場へ。
ロッカーに旅の荷物が入らなかったので受付で預かってもらう。

温泉施設の楽しみは露天風呂だ。空は晴れているけれどもまわりには雪が残っている。気持ちよい。

風呂から上がって館内着に着替えました。
カッパ王國の館内着は男性は緑色、女性はピンク。

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大衆演劇は1階大広間で行われます。

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場内

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東京大衆演劇協会系の劇場にはたいていこれと似たデザインの定式幕がかかっている。

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上手にあるお座敷席から

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座布団貸出は無料だが一人一枚まで。
座椅子は貸出料100円。

もちろん広間では食事ができる。
かなりメニューが充実している。
私は朝食を食べ過ぎてしまったので何も注文せずのんびり開演を待つ。
近くのお客さんが「今日は年金をもらう日だからお客さん多いね」などと話している。

今月の公演は橘小竜丸劇団。
小竜丸劇団はたまに龍丸・鈴丸が創作したと思われる少年漫画的なテイストの芝居がかかることがある。
それもまた他劇団にない面白みがあっていいのだけれど、この日は大衆演劇では定番的な外題であろう「浮き世人情比べ」だった。やはりみちのくの旅の途中にあっては気分的に人情芝居が観たいものだ。
鈴丸の演技が秀逸だった。やはり芝居での鈴丸の立ち役はいい。

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芝居終演後、第2部までの休憩時間の間にスタッフの方がアイスクリームを販売していました。
昔の大衆演劇場では休憩時間に売り歩くものといえば「おせんにキャラメル」だったようだけれども、現代ではアイスが主流ですね。

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橘小竜丸劇団の舞踊ショー。
橘龍丸の女形。

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橘鈴丸。
鈴丸ワールド全開のステージ。GO!GO!7188の歌。このバンドや椎名林檎を躍ったら鈴丸の右に出る者はいないな(と私は思う)。
また、若い女性ファンの熱狂的な黄色い声が飛ぶ大衆演劇女優は橘鈴丸しか知らない。この日はそういう声はなく、龍丸座長目当ての女性客が多かったようです。

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帰りはシャトルバスで福島駅へ移動することにしました。
16:30発のバスがカッパ王國出口で待っていました。

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約30分でシャトルバスは福島駅前に到着。

カッパの国を抜け出して私はまたみちのくの旅路に戻りました。

(2014年12月探訪)

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若水照代&大日方忍 W誕生日公演 @大島劇場 2015.2.11

2015年2月11日 川崎大島劇場で満劇団の特別公演がありました。

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若水照代&大日方忍 W誕生日公演
ゲスト
新喜楽座 松川さなえ
劇団駒三郎 南條小竜
まな美座 里見剣次郎

大日方皐扇座長の息子「浪花の若だんな」は大日方忍という名になりました。でも愛称は「若ちゃん」。
皐扇座長の祖母で川崎在住の若水照代先生は、ふだんは関東の劇団にたまにゲスト出演したりしますが、今月は娘(大日方きよみ)と孫(皐扇)がいる満劇団にいらっしゃいます。

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満劇団が大島劇場にのったのは十数年ぶりだそうです。

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昼の部はいつもより30分早く12時30分開演。
特別公演ですが木戸銭はいつもと同じ1600円。

混むことが予想されましたので、私は早めに劇場に行きました。
劇場内にはいってびっくり。
大島劇場の桟敷席が座布団で埋め尽くされています。多くの座布団は予約席として確保してあるようでお名前を書いた紙が置かれています。紙がのっていない座布団に座ってください、と劇場の方よりアナウンス。

開演時間になりますと大島劇場の客席には見たことがないくらいお客さんが埋まりました。
私はふだんの大島劇場では、お客さんが50人も入ると「ずいぶん混んでるな」という印象を持ちます。でもこの日は、ざっと数えてみただけで、ゆうに100人を超えるお客さんが詰めかけています。客席に上がれなかった方は立ち見しています。
大島劇場でのこれほどまでの盛況は初めて見ました。

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第一部「踊る花籠 顔見せミニショーより」
皐扇座長と浪花の小とら
大日方忍の弟小とら君は舞台度胸があるというか、純心に舞台を楽しんでいるというか、天性の大衆演劇役者という感じがします。将来かなりの大物になる予感。

第二部お芝居「めくらのお市 地獄旅」
松川さなえと南條小竜が立ち役、やくざの役というのがうれしい。
立ち役がうまい大衆演劇の女優には、私は松川さなえさんを筆頭にあげたい。私は芝居も舞踊もさなえさんの大ファンなのです。この日はやくざの親分役で、まさに私が好きなさなえさんを見ることができました。
若水照代先生は25歳の娘役。この暴挙はもちろん芝居中にいろんな登場人物からいじられるネタとなり笑いをとっていました。

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芝居が終わり口上挨拶に登場したのは、
皐扇座長の母であり若水照代先生の娘である大日方きよみさん。
東京大衆演劇協会演劇部長の林友廣さんの姉でもあります。
特別公演でバタバタしているので座長のかわりに挨拶に登場。
きよみさんは19歳まで川崎で育ったそうですが、今は完全に大阪のおばちゃんで関東弁はしゃべれないとか。
子供の頃、大島劇場の布団部屋や近くのお寺で弟(林友廣)と遊んでいて母(若水照代)に叱られたエピソードなどを楽しくお話しされました。

以下第三部舞踊ショーの写真

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大日方忍女形「ありのままで」

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衣装を一枚脱ぐと背中にオラフが

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若水照代先生の歌謡ショー

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お客様から衣装をいただきました

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特別ゲスト 松川さなえ
やっぱさなえさんカッコイイ~

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特別ゲスト 南條小竜

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特別ゲスト まな美座 里見剣次郎の女形
とても美しい指先の所作に見とれてしまった。
寄生獣ではないけれど美しく妖しい別個の生き物が両手に宿っているかのよう。
剣次郎さんの本名は照代先生が名付け親だそうです。

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大島劇場客席の黒山の人だかり

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ややシースルーな衣装に煙草。ワイルドな皐扇座長。

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まだまだ元気な若水照代先生
(ボケボケの写真ですみません)

若水照代先生が踊りの最中に懐から何かの束を取り出して客席にばらまいていました。
私は運よくそのひとつをキャッチしました。

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それは大入袋でした。
中には浅草寺の干支絵馬が入っていました。
篠原会長が手配してくれたもののようです。

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大日方忍「ぐでんぐでん」

からのラスト「酒持ってこい」

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ラストショー

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ショーの後の挨拶。
孫・祖母のツーショット。

電報が発表されました。
なんと恋瀬川翔炎座長からでした。
翔炎座長の本名も照代先生が名付けたそうです。

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誕生日ケーキが用意されました。
大日方満先生は芝居には出演しましたが舞踊ショーには登場せず。裏方としてケーキを用意したりロウソクに火をつけたりしていました。

若水照代先生の本当の誕生日は前日の2月10日。77歳になったそうです。

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ひ孫の小とら君から若水照代先生にお祝いのメッセージ。
その最後に「遺産を残してね。僕だけにね」というセリフを放たれ、ズッこける照代先生。

大盛況の誕生日公演が終わりました。

照代先生が自ら手配した今朝つきたての紅白もちがお客さん全員にプレゼントされました。

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紅白もちは白→紅の順に食べるそうです。

夜の部は、芝居・舞踊とも取り替えての公演とのこと。
演題は「極道の妻」
どんな配役なのかが気になる。

しかし他の用事があったので昼の部だけを見て帰りました。

満劇団の舞台に立つ若水照代先生はとても楽しそうでした。
来年の2月も満劇団が大島劇場にのるといいな。

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日常に溶け込んだ大和国の芝居小屋 「やまと座」

子供の頃からデパートや観光地に置いてあるスタンプを集めるのが好きだった妻は、私が持っている御朱印帳を見つけて目を輝かして以来、神社仏閣を訪ねて御朱印をいただくのが趣味になった。歩くことも好きだから、秩父34観音霊場は何日もかけて徒歩メインで巡拝した。この秩父札所めぐりはもう2回行っており、この先も私たち夫婦の恒例行事となりそうだ。そんな妻が自然と「奈良か京都に行きたい」と漏らすようになったが、私には国内旅行となると大衆演劇観劇を結び付けようとする癖がついていた。

私も妻も大衆演劇は好きだけれども、好みの劇団や楽しみ方はだいぶ違う。私は芝居の方が好きだが妻は舞踊ショーの方が好き。私は他の大衆演劇ファンの方のブログを読むのが好きだけれども、妻はそういうものには全く興味がない。私のこのブログも一切読まない。気になる役者のブログはたまに見ているようだけれども。
もちろん私と妻の好みが一致することもよくある。なかでも「すごく好き」という意見が珍しく一致している劇団がある。それが「剣戟はる駒座倭組」。

倭組が奈良の「やまと座」に乗ると知って、私と妻は奈良観光&観劇旅行の計画を立てたのでした。

6:37品川発の新幹線に乗って関西へ。9:35近鉄奈良駅着。
興福寺を拝観。予約していたイタリアンでランチした後、東大寺~春日大社を巡る。
16時過ぎに近鉄奈良駅へ戻る。そこから鉄道で南下。大和八木駅で近鉄大阪線に乗り換え。17:30頃榛原駅着。

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榛原駅

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駅のロータリーから東方面の線路沿いに細い商店街があります。

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商店街の入口のファミリーマート前にやまと座の看板が。「前売り券取扱い店」と書いてあります。

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ファミリーマートで前売入場券を入手しました。

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しばらく歩きますと道路の左側にのぼりがたっている建物が見えました。ここが「やまと座」です。

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やまと座正面。
ものすごくまわりの風景にとけこんでいます。

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入口脇に本日の演目が掲げられていました。

建物のたたずまいから「庶民的」な劇場であることはすぐわかりましたが、その中に入ってそのことがより一層強く感じられました。

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やまと座には売店兼休憩所のようなスペースがあります。
誰かの家の居間におじゃましたかのような、文字通りアットホームな雰囲気。

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ソファーの置かれた喫煙室。
その手前にバナナ、すいか、パンなどが陳列され値札が添えられている。
なんとも独特な、けれども親しみを感じてしまう風景。

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劇場内には、受付すぐからも入れるし、売店経由でも入れる。

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ショーケースのなかの果物。
普通の劇場には、大衆演劇場ならではの一抹のシュールさを私はそこに嗅ぎ取ってしまう。

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売店のメニューも充実

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劇場と売店との連絡通路。
木の壁、ちょうちん、積まれたひざかけ、「やきいも」ののれん、この劇場のアイデンティティがつまっているような景色。
もし庶民的な芝居小屋を舞台とした映画を作るのであれば、美術スタッフさんはこの写真を参考にするとよい。

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劇場内

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広角で撮っているので写真ではひろびろと見えますが、実際には、芝居小屋らしい密な空気が心理的な距離を縮めているのか、「ナマの舞台」を肌で感じることのできる距離感におさまっていると思います。

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庶民的=簡素・質素、というイメージがありますが座席はさにあらず。
快適な座席。

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全国の座席系大衆演劇場の方々に参考にしてほしい、座席背板裏ポケット。これは便利。

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緞帳

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奈良らしく鹿が描かれてします。

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本格的な花道。すばらしい。

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予告演題の貼り出し

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近くの旅館と提携した観劇パックもあるようです。

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櫓のような投光所。
これも味わいがある。

さてお待ちかね剣戟はる駒座倭組の舞台が始まります。
大和の国のやまと座で倭座長の公演。
いかにも近所からやってきたという感じのおじいちゃん、おばあちゃんが客席に集まっています。

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いつも明るい不動倭座長とその一行。

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勝小虎と勝彪華(ひゅうが)
小虎さんは座長より7つも年上なのに若くみえる。

大好きな倭組の公演を満喫して、楽しい旅の1日がもうすぐ終わります。
電車で宿へ移動します。

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榛原駅ホームの待合室。地元の手芸クラブが寄付したと思われるクッション。この町の庶民的な雰囲気がここにも見てとれます。


最近は大衆演劇業界が危機に直面しているという声をよく聞きます。
どの劇団も、劇場もどうしたら集客力をつけられるかを考えていることでしょう。
そのひとつの方向性として、若い女性客だけをターゲットとした演出が多くなっているように思います。

おじいちゃんおばあちゃんが肩の力を抜いていて見られるような公演が、やまと座のような「日常」の雰囲気に満ちている劇場で行われる。
私はこれをもって、日本の大衆演劇の存続の要件としたい。そのために、どのような変化が必要なのか、一ファンとして常々考えています。そんな私にとって剣戟はる駒座倭組の登場は嬉しい衝撃でした。倭組は新しい時代の大衆演劇の可能性をいろいろ試している劇団だと思います。

大衆演劇においては、劇場は「観る場」である以前に日常の延長上にある「くつろぐ場」でなければならないと思っています。
やまと座での倭組の公演は私にとって印象深いものとなりました。

(2014年6月探訪)

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プロフィール

notarico

Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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