WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2014年07月
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人気劇団が続々やってくる山陽の娯楽の殿堂 「清水劇場」

広島、岡山には大衆演劇場が多い。
2008年の演劇グラフで、この両県の常打ち公演場所を数えると実に15か所もあります。
ところが現在(2014年)は9か所になってしまいました。たまに座長さんが口上挨拶で「今大衆演劇界は危機に直面しています」という挨拶をしますけれども、両県はその縮図といっていいかもしれません。
それでも、今であってもこの土地を「大衆演劇文化が比較的根付いている地域」ぐらい言うのはさしつかえないでしょう。
そしてこの地域の中での殿堂的存在となっている大衆演劇場は、人気劇団が続々と出演している清水劇場なのではないでしょうか。

清水劇場はJR広島駅から歩いて10分くらいのところにあります。繁華街ではないけれども民家でない建物がたくさんある、といったような界隈。広島市街の目抜き通りには路面電車が走っていて、その最寄停車場からは結構近くにあります。

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清水劇場の建物
壁に大衆演劇らしい絵が描かれています

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清水劇場は3階です。
2階にあるティーラウンジしみずでは、待ち合わせ・休憩ができます。
エレベーターに乗らずに左へ抜けると、ピンク映画・薔薇族映画を上映する映画館が・・・

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これぞ大衆演劇場といった絵看板

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3階でエレベーターをおりるとちょっとした広さの廊下があって受付窓口がみえます。
窓口に「本日の特選芸題」が筆文字で書かれています。
「前狂言」「切狂言」「第3部」となっているところに歴史を感じますね。
この筆文字も古きよき時代の大衆演劇の世界を彷彿とさせてくれます。

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別の日の芸題
全部フォントが違うのだけれどもそれがなんともいい味わいとなっています。

もうちょっと受付回りを観察してみましょう。

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「今春 ビッグスターがずらり揃いぶみ!」
絶対昭和の人でないと書けないコピーですね。

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開幕案内。「開演」ではなく「開幕」というのがいいな。
「半」の字の形も昭和を感じる。

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おお、英語の案内が!?
外国人観光客をとりこもうという意欲が昔からあったのですね。
実際どのくらい外国人の方が来ているのか気になる。

公演の予告演目掲示やチラシもあり、広報もかなり充実していました。

その他、清水芸能企画主催 島津あやコンサート、同じく天童よしみコンサートのポスターなどが貼ってありました。

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この日は特別公演で混むようだったので指定席券を入手しました。
このチケットのデザインもぐっときますね。

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開演からずいぶん早い時間帯の受付前の様子。
やはりあると思った「娯楽の殿堂」の文字。
あの扉の向こうがチケットがないと入れない劇場スペース。

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開演直前になると、このように人でごった返していました。
早い時間に受付にゆくと入場整理券を入手できます。しかしお客さんを整理券の順番に並ばせようとする劇場スタッフはおらず、かなり混沌としています。でもあの出入口扉の向こうには特に忙しいわけではなさそうなスタッフが立っている。こういうおおらか?な感じも昔ながらなのでしょうか。

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劇場スペースに入りました。
貸し座布団。

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アンケートでお客さんのリクエストに応えるという試みもあるようですね。
実際には箱の中には「お客様の声で清水劇場をもっと居心地の良い空間に」と題されたアンケート用紙がありました。
このようなアンケートを実施しいている劇場は初めて見たかもしれません。
お客さん目線で劇場を運営しようという姿勢はうれしいですね。
とりあえず受付前のお客さんを整理してください、と書きたい。

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劇場ロビーから劇場内へ

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座席配置図(前方部分)

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劇場内

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緞帳

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ステージのすぐ下にマット席が。
この日は人気劇団の誕生日公演。もちろんこのマット席にもたくさんお客さんがいました。

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花道

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ドリンクホルダー付きのソファ席。
大衆演劇観劇環境としてこれ以上望むものはありません。

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近くのコンビニで買った缶チューハイをセットすれば、気分はたちまち観劇モード。

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前の席の背に荷物をひっかけるフックがあります。こういう荷物かけがある劇場をたまに見かけます。結構便利です。

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公演中の様子。
客席の勾配がゆるやかなので、前の席のお客さんの頭部がちょっと気になります。

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別の日。この席は、前の席のお客さんはあまり気になりませんでした。

劇場の広さもちょうどよい。席は心地よい。くつろげる庶民的な雰囲気がある。
とてもいい大衆演劇場だなと思いました。
この先さらに大衆演劇の衰退が取り沙汰されることがあっても清水劇場は地元の大衆演劇ファンから愛される劇場として存続してゆくことでしょう。

楽しい気分で清水劇場公演を観終えた後は夜の広島の街へ。
旅人、というか観光客である私はやはり広島風お好み焼きが食べたくなる。事前に友人から聞いていた店を目指す。

清水劇場から繁華街方面にしばらく歩いて、ディープな界隈に足を踏み入れました。

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ありました。「中ちゃん」という店。
見るからに大衆演劇の後に行くのにふさわしい店。

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お好み焼きと煮込みと名物のウニクレソン。
初めて食べるウニクレソン、おいしかったです。

清水劇場夜の部には2回行ったのですが2回とも観劇後に中ちゃんに寄りました。
思い出深い広島の一夜となりました。

(2013年9月探訪)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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