WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2013年03月
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モノも空気も昔のまんま 「寿楽園」

熊本市から北に車で1時間強の場所に平山温泉郷があります。
温泉郷といっても、山に囲まれたのどかな町に温泉宿が点在しているという風情で観光地色はありません。

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カーナビを頼りに田舎の県道を走ります。ここで脇道に入る。奥には「寿楽園」の看板がある建物が見えます。

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ここが寿楽園。飾り気のない建物。とても静かな場所です。

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豪華ショー毎日上演(昼1回)
山鹿・平山温泉
働く人のオアシス
厚生省認可 国民旅館指導センター 国民旅館
寿楽園
などと書かれています。

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「昭和山ゲートボール場行き老人専用バスのりば」のベンチ。どこかからの廃品再利用でしょうか。
わざわざ「老人専用」と断る必要があったのか。

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玄関先に置いてあった白い像。どういう意図で作られ、ここに置かれたのだろう。

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「宿泊ご案内」と「休憩ご案内」
大広間での休憩(温泉入浴・お芝居見物)1100円(税込)
温泉入浴のみ(1時間)310円(税込)
と書かれています。

お風呂+大衆演劇で1100円は全国的相場からしてかなり安い。
お芝居「見物」っていう表記もゆるくていいな。

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ここは1劇団2ヶ月公演が基本のようです。

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下駄箱

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スリッパ

こういう「昔の旅館」みたいな風情は落ち着きます。

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入口入ってすぐのロビー。奥が受付。右が大広間。

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受付で支払を済ませて大広間へ。

外はひなびた田舎の静かな空気だったのに、予想外の賑やかな空間に出くわしました。すべてのテーブルにお客さんが何人かいて、これ以上は詰めあわないと座れそうにありません。

むかしむかし、ある人里はなれた山の中、森の動物たちが集まって賑やかな宴会を開いていました。。。というおとぎ話の1シーンを私は連想してしまいました。

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この売店の雰囲気、すごく昔の時代に来たような気になります。
ガラスケースの上にのっているのは「朝鮮飴」1本105円。どんなお菓子なのだろう。

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舞台前。なつかしい型の扇風機。

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典型的なデザインの定式幕。使いこまれたような色合いがいいです。

私もどこかに座らなくてはいけません。
たいていこういう施設では混みあってくると従業員がお客さんに声をかけて席を空けてくれます。
受付にいた従業員に空いている場所がなさそうだと伝えると、二階にも席があるとそっけなく教えてくれました。

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二階に上がってみました。薄暗い通路に椅子が置かれています。
一階の楽しげな空間に比べてなんともうすらさみしい二階。
これも一興と私はここで観劇することにしました。

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かなり使いこまれた椅子。
モノを大切にしているなあと随所で感じます。

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芝居が始まる前にお風呂に行きました。

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この扉を抜けて浴場がある建物に向かいます。

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途中の通路でプールを見つけました。もう使われていないようです。
正面の建物は役者さんの滞在場所でしょうか。

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お風呂

13:00から大衆演劇公演が始まりました。

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舞踊ショー

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2階の席からの眺め。
よくあるセンター公演の風景のようだけど独特の雰囲気があります。
数あるセンターの中でもノスタルジックな空気度は随一でしょう。

現代の大衆演劇が「渋さ」よりも若めの女性客層をターゲットにした「華やかさ」路線に
向かっているなか、ここはご老人のための娯楽の場としてかわらぬ雰囲気を保ち続けるでしょう。

ザ庶民感覚劇場 「座三和スタジオ」

大衆演劇の芝居は昔ながらの時代劇であり客層もご高齢の方が中心。劇場のネーミングも昔日の日本にありがちな落ち着いた名称が多い。
しかるに「座 三和スタジオ」は、ザ(the)という外国語発音を忍ばせていたり、スタジオというご老人に馴染みのなさそうな語を使っているあたりなかなか挑戦的なネーミング。

三和というのは近くの商店街の名称なのでこれを使用するとして、では何と名付けよう。「三和劇場」では平凡だしなにかパッとしない。「三和座」は語呂が悪い。「三和演芸場」は語呂はいいが関西で演芸場といったらお笑いが連想される。やむなく外来語を使うことにして「三和ホール」では?ホールというほど大きくない。浪速クラブにあやかって「三和クラブ」なんのこっちゃ。と悩んだあげく「スタジオ」という単語を発見。「三和スタジオ」なかなかいいけど大衆演劇らしさがない。じゃあ座をつけて「座 三和スタジオ」にしよう。
などと、「座 三和スタジオ」の名称の由来に関するくだらない妄想をしながら尼崎を歩く。

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阪神尼崎駅前西方にはかなり大きな商店街があります。東西を貫く長いアーケードの西出口に「座 三和スタジオ」はあります。

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商店街の電柱に貼られたポスター。

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正面。2009年にオープンしたらしいけれど、もともとは何の店舗だったのだろう。
→元パチンコ屋だったという情報をいただきました

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入口横の券売所。
開演時間の案内が朱字の手書きで書かれています。

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「募集 男子雑役65才マデ 通往自由 当劇場」

手書きの貼り紙が大衆演劇場らしさを強烈に放射している。
中はディープな雰囲気なのだろうと予感させます。
期待に胸をはずませつつ開場時間を待って、いざ劇場内へ。

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劇場後方より。うーむ、予想どおりなかなかオリジナルな風合を醸した劇場です。

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このマークはいったいなんなのだろうか。

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座椅子に座布団。これぞ大衆演劇場。

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後方の席。手作り感あふれる作り。

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座席札も手作り。

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劇場後方の提灯と投光器。

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緑と朱の墨で書かれた「特選狂言」の予告。
いいですね~。
「特別ショーMレディーショー」が気になるぞ。

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観劇弁当 松千円 梅七百円 味一番。
と書いてあるけれど、これは事前に予約しておくのだろうか。
このお弁当はどこでだれが作っているのか。

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観劇中の写真。座長口上挨拶。

至る所興味津々な小劇場。
手作り弁当のような家庭的な温かさがあります。商業的な匂いのなさといい立地といい庶民感覚の劇場です。
温泉センターよりもこのような居間感覚で落ちつける劇場がもっと日本に増えてほしいなと思います。

(2011年探訪)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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