WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2012年02月
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ラジウムへのこだわり 「千代田ラドン温泉センター」

関東には「ラドン温泉」と「大衆演劇」がセットになった施設が多い。ラドン温浴がご高齢の方に昔から親しまれていた健康法だったことがわかります。「だった」という過去形で書いたのは、ここ1,2年ほどこうした大衆演劇場を巡った感想では、お芝居を観に来ているお客さんはあんまりラドン温浴に興味を持っていないように見受けられるからです。ある施設では湯船にお湯がない(=どうせ入る人はいませんよね、ということでしょう)こともありました。
さらに昨年原発事故が起こりました。あの事故はラドン温泉にどれだけ影響を与えたのでしょうか。「放射線で健康を増進する」という発想のラドン温浴法に対して当然、本当に安全なのかとか本当に健康にいいのかという声があがってもよさそうなのに、訪問当時ネットで調べてもそのような言及はほとんどみあたりませんでした。

2011年7月1日に大衆演劇場でもある千代田ラドン温泉センターを訪ねました。
福島県の海に近い施設での公演中に東日本大震災に遭い、道具の一切を津波にのまれた不二浪劇団の復活公演を観るためです。

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北関東の大衆演劇場はほとんどが電車では行きにくい場所にあります。
千代田ラドン温泉センターは霞ヶ浦の近くにあり、「演劇グラフ」では『JR常磐線「土浦駅」からタクシーで25分または「神立駅」よりタクシーで10分』と書かれています。いかにも行きにくそう。
東京から車で訪ねました。カーナビを頼りに水戸街道を進みます。途中で左折することはわかっていたのですが、思いのほか狭い細道だったのでうっかり通りすぎてしまいました。
よく見れば曲がる地点に看板とのぼりが立っていました。

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民家と畑の中、車がすれ違うのも難しいような細い道を進む。この先に本当にラドン温泉施設があるの?

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と思ったらすぐ千代田ラドン温泉センターが現れました。ここが正面入口です。

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裏手にまわると、広い駐車場がありました。
この写真で下の階に見える部分は、岩盤浴場で新たに増築された建物のようです。

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レトロ感あふれる靴箱

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ラドン入浴コース
 一般入浴1400円
 会員入浴1000円
ラジウム岩盤浴・ラドン入浴コース
 一般入浴1600円
 会員入浴1250円

六月のキャンペーン
毎週(木)行います
一、入場無料券
二、食事割引券
  ・五百円・三百円・二百円・一百円
※福引券で当たります

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ロビー

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食事処=大衆演劇場

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このテーブルのたたずまい。日本の大衆食事処のたたずまい。

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後方に小さいテーブル席があります。

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食事注文所そばにおすすめ料理の写真が貼ってあります。その下に焼酎のボトルが陳列されていました。
一番左「おすすめラドンオリジナル焼酎\1200」
白いラベルに青い文字で大きく「ラドン温泉」と印刷されています。なんという安直なネーミング。

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もちろんラドン温泉に入りました。僕の体ははラドン温泉にとてもよく反応するようで、いつもたくさん汗をかきます。
ラドン温浴の劇的な効果を綴った利用者からの手紙が貼ってありました。

ここは岩盤浴も大きく売り出しているようです。こちらもやってみました。気持ちよかった。
ラジウム岩盤浴の休憩所で涼んでいたら、テレビで福島の児童の尿から微量の放射性物質が検出されたというニュースが大きく報道されていました。自らすすんで放射線を浴びている自分があまりにものんきな気がしてきました。

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ラジウム吸入室。中はほぼ真っ暗です。このご時勢にあまりにも不気味な?部屋です。

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「ラジウム水 ※お一人様2Lまでとさせて頂きます」
横に「ラドン水飲用の効果」の紙

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ラジウムマット 五万円也

ラジウムへのこだわりが印象的なセンターでした。

大衆演劇とお風呂(健康ランド)のコラボレーションは今後いつまでも日本の文化として存続するでしょう。けれどもラドン温泉施設と大衆演劇の組み合わせは何故だか消えゆく文化のような気がしてなりません。でもそれは杞憂でしょう。そのように感じてしまうのはこうした施設が「昭和のはかなさ」の雰囲気をたたえているからだと思います。僕の大衆演劇場探訪の旅は昭和の郷愁を求める旅でもあります。

↓不二浪劇団の復活公演については別レポートをご覧ください
「不二浪劇団復活公演2011.7.1」

「ゆ」の奥に巨大なシアター 「ホテル水戸ラドン温泉」

「北関東最大級のレストランシアター」が売りのホテル水戸ラドン温泉。
そもそもレストランシアターの定義はなんなのだろうか。文字通り「食事ができる劇場」であればほ多くのの大衆演劇のセンターもそうですね。そういうところを含めて「最大級」と謳っているのでしょう。北関東と限定しているからにはおそらく東京にとても大きなレストランシアターがあるのだと思いますが、そこがどこなのかもついでに知りたくなります。

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水戸駅から車で約15分。ホテルの看板が見えてきました。「北関東最大級のレストランシアター」があると思わせるサインではありません。

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そしてこれが建物外観。もっとでっかい建物をイメージしていました。国籍不明な建築デザイン。「ゆ」が何か異空間めいた雰囲気をかもしだしています。

駐車場の隅に高さ3mくらいの白い建物があり、そこに「このタンクは地下2000mから汲み上げた℃50度の源泉貯湯槽 当温泉は源泉のみの温泉です」と書かれていました。

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東日本大震災の後、6月いっぱい休演していましたが、めでたく7月から復活となりました。
関東の人気劇団、一見劇団を迎えての公演です。

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噂のレストランシアターへ

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シアターへ向かう廊下にゲーム機が並んでいます。

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おお、本当に大きなホールが。外観はこじんまりした印象だったのに。あの不思議な建物はやはり異空間への入口だったのか。

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椅子とテーブルが一体となった什器。
テーブルに座りながら真正面に舞台を見ることができるのはここのウリでしょう。

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その後方はこのような家族向けテーブル

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大衆演劇場らしく桟敷席もあります。

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最後方には椅子だけの席が。
確かにキャパシティは大衆演劇場屈指でしょう。

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これだけ広いレストランなのにメニューのラインナップがさみしい。しかも高め。
メニュー内容の庶民度はいかにも大衆演劇場。

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1000円の道の宿膳。高級弁当って最初の見た目で「わあっ☆」となります。道の宿膳にもそういうものをちょっと期待していましたがあくまで質素で庶民的でした。

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芝居&ショーが始まりました。あの広い客席にお客さんがたくさん入っています。
震災後の応急設備だったのでしょうか、スピーカーの音がとても悪く聞けたものではありませんでした。
さすがに舞台は広く、役者さんが一度にたくさん登場できます。

お芝居昼の部と夜の部の間はもちろんおフロへ。
広い露天風呂が気持ちいい。ここはラドン温泉もあります。

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ラドン温浴健康法
体験談・私はラドン温浴で病気を克服した
・驚くべき快眠効果 ストレス解消 胃炎も治り未来が開けた
・ラドンで水虫が治った 高血圧による半身不随にも効果
・医者も見放したヘルニアをラドン療法で克服
・奇跡!三十五年来の糖尿病に入浴後一週間で効果が
・細くなってしまった骨に三日めにはや効果 夜もグッスリ
・私の強い見方ラドン 打撲傷 五十肩が治り 楽しい骨休め

ラドン温浴の効果ってすごいんだな~

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マッサージ室。ものすごく入ってみたい誘惑にかられます。どのような方がどのような施術をされるのでしょうか。

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この日宿泊した部屋。そう、ここはホテルなのです。平日宿泊1泊3500円。安い。
訪ねたのは7月。部屋がむんむんしているので空気を入れようと思ったら窓が開きません。故障かなと思っていじっていたら外から女の人の声が。真下に露天風呂があるので窓が開かないようになっているのでした。
この部屋にも風呂場はありましたが「老朽化のために使用はできません」の貼紙が。

日常からちょっと脱却したようなトリップを味わいました。
妖しさ不思議さをどことなく秘めていて(いや実際は妖しくも不思議でもないのですが)自分は「千と千尋の神隠し」を思い出しました。
またひとつ魅力的な大衆演劇場を探訪することができました。
(2011年7月)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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