WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 2010年09月
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下町の小さな庶民劇場 「梅南座」

地下鉄四つ橋線花園町駅。この西方に鈴成座、梅南座の二つの大衆演劇劇場がある。この二劇場の距離は歩いて10分ほど。この広い大阪においてこの下町の狭い地域に二つの劇場が共存しているのはヨソ者には不思議である。

鈴成劇場は鶴見橋商店街というかなり大きなアーケード商店街の近くにあってその存在もアピールされているが、梅南座はごくのどかな下町の風景にでしゃばりすぎることなく佇んでいる。
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あまりに日常に溶け込んだ劇場。この通りに入らないと劇場の存在に気づきません。初めて訪ねる人はグーグルマップ等で地図をプリントアウトしておきましょう。

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開演まで時間があるのでとなりの中華料理店で昼食をとることに。
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サービスランチ。これで399円。下町価格。

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入口の手作り看板。

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こぢんまりした劇場。映画館でいえばミニシアターといったところ。

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マジック書きの予告演題。いいですね~。

下町の味わい深い小劇場。
近くの鈴成座とあわせて、大衆演劇が日常に溶け込んだ界隈。こんな町に生まれ育ちたかった。

東北の郊外にできた新しいセンター 「山桜桃の湯」

東北旅行がてら、一関の山桜桃の湯に宿泊しました。
一関駅からしばらく車で走れば宅地は見えなくなります。めざす宿はさらに山の方に。
下界から隔絶されたかのような高台の上に桃の湯はありました。

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新しい施設とあって、さすがに中はキレイでピカピカ。
1階の大きな広間が劇場です。

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廊下壁のポスター

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かなりスペースがあります。

お客さん入るのだろうか?の心配も杞憂でした。かなり熱心のおばさま方が大勢来ています。大衆演劇のファンというより劇団(座長)目当てでしょうか。

住宅街から離れた場所に大衆演劇を観劇できるホテルや健康ランドが全国的にオープンしていますが、どのような経営判断で大衆演劇を招致することにしたのか興味があります。どのようにマーケティングしているのでしょうか。自分が経営学部の大学生だったら研究テーマにでもしてみたい。

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(2010年1月)

華やかりし往時の賑わいはいずこ 「松山劇場」

松山の商店街といえば、三越近くから南に延びている大街道。そして松山市駅近くから東に延びている銀天街。2つの商店街はその端っこでつながってL字型のアーケード通りを形成している。この結合部分は商店街の中ではあんまり賑わっていなさそうなところ。商店街から横道に出れば寂しい雰囲気の路地。そんな場所に松山劇場があるビルがみつかりました。

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松山劇場はこのビルの6階にあります。

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通りに面した掲示板に「本日のお芸題」。自分が見ていると、おばあちゃんが来て本日の芝居の演題をチェックしていました。話しかけると、「母恋鴉」いいわよ~、とのこと。かなりの大衆演劇通のようです。松山劇場は昔は大変賑わったが今はすっかりお客が減ってしまったそう。

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エレベーターで6階に上がると、すぐ入口があります。入口右横にチケットを買う窓口があります。

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入口左にも「本日のお芸題」が。

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自分が想像していたより大きい劇場でした。緞帳も立派。
平日の夜の部に行きましたが、開場しばらくしてもほとんどお客さんがきません。

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一番前の座席とステージの間に若干のスペースがあります。賑わっていた頃にはここにもお客さんがたくさん座って観劇したそうです。

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劇場に行くとお芝居の演題予告を見るのが楽しみです。そこには劇場の文化が反映されています。プリンター出力か、マジック書きがほとんどですが、筆書きはめずらしい。目に鮮やかなカラフルさ。字もカッコイイ!華やかりし往時を想起させるものがあります。

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終演後、お客さんがエレベータで降りる間に座員さんがダダダッと階段を駆け降りてきて、送り出しをしてくれました。

とてもいい劇場なのにお客さんが少ないのはもったいない。
大都市なのだから潜在的な需要?はあるはず。
今度来るまでに賑わいを取り戻していることを切に願います。
(2010年7月)

アットホーム度満点の庶民的劇場 「大衆劇場 仏生山」 (香川)

仏生山駅は琴平電鉄で高松築港駅から約16分。
改札を出ると、線路と垂直に道路が横切っている。寂れているでも賑わっているでもなく、旅人にとって何も感興をそそられるものもない平凡な町の通り。この道を左に歩く。

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少し歩けば右手に仏生山劇場が見えてくる。

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チケット売り場は入口の右手の場外にある。

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おお、手作り感あふれるつくり。座席ではなく座布団である。低いテーブルが公民館的雰囲気を醸しだしている。最前列や花道両側にある座椅子は指定席で有料。ここに着席すると後で劇場の方が席料を徴収しに来てくれる。

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前方より。入口入って左に売店があり、食事を注文できる。
お客さんの雰囲気も和やか。ほとんどご近所の常連さんでしょうか。

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見よ、この舞台と客席の近さ!舞台と客席がピッタリくっついている劇場もなかなかない。口上挨拶もとってもアットホームな雰囲気。

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舞台と客席との高低さが少ないので親しみが感じられて良いですね。
花道や舞台に接っする席だと、役者さんの迫力やオーラを感じるライブ感がすごい!

役者さんを身近に感じられて、近所の集会所のような家庭的なくつろげる雰囲気。これぞ大衆演劇劇場。
ぜひまた訪れたいですね。次に香川に来るのはいつになるでしょうか。

夜間の琴電の本数が少なく、終演時間と電車の接続が悪いのがやや難点。酒場の閉店時間のことがあるので早く繁華街に移動したい。
夜の部を2日通いましたがいずれの日も帰りの電車のホームに人気はなく。電車で来たのは僕だけだったようです。
(2010年7月)

娯楽感のない娯楽の街 「四国健康村」

JR高松駅から予讃線で西方へ。坂出駅で快速電車から普通電車に乗り換え。坂出駅を出ると車窓には瀬戸大橋が見えてくる。そこから列車は左にカーブして間もなく宇多津駅に到着。

改札を出て線路の海側に出る。・・・。本当にこの界隈で大衆演劇が行われているのであろうか。駅前なのに飲み屋、商店というものがない。住宅地でもない。かといって田畑が広がっているわけでもなく、こぎれいに区画された平地に広めの道路が整然と交錯し、ビル的建物が点在している。人もほとんど歩いていない。あまりの生活感のなさが「大衆」演劇と結びつかない。前方に金色の細い長い建物が見える。駅にあったチラシによると、あれは「プレイパークゴールドタワー」といって、レストラン、お土産店、ゲームコーナー、カラオケなど楽しい施設が盛りだくさんとのこと。今ゴールドタワーに向かう大通りを歩いているのは自分とおばちゃん一人だけである。いつどのように若者が集まってくるのだろう。どうも所在なさを覚える町である。こういうところ、町田康の小説にでてきそう。とにかく地図をたよりに四国健康村の方向へ向かう。


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ついに発見。しかし何か大衆演劇的賑やかさが薄い。

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正面玄関

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1階のロビー。日替わりのイベント予定表。「定番ビンゴ」「スペシャルビンゴ」「多当りビンゴ」「券ビンゴ」。つまり毎日ビンゴなのだが、どう違うのだろう。

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奥がふれあいひろば(食堂・劇場)入口。開場時間前には良い席を確保したいお客さんが並んでいる。自分も並んだ。

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テーブル席には青い座布団。テーブル席の間に赤い座布団。赤い座布団は席とりOK。皆タオルやら風呂敷やらを座布団に被せている。自分は呑み・食事をするためにテーブル席に。テーブル席は荷物等をおいての場所確保は禁止。食事の前にお風呂に入りたかったが、席の確保はいけないとのことなのであきらめ、開演まで呑むことに。

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思いがけず長い昼食時間となり、呑みすぎて芝居の途中で眠りそうになった。眠りはしなかったが、このとき書いていた芝居メモが後で判読不可能であった。

事前にネットで調べたら、ここはいつも賑わっているとのことだったが、この日も大入り。
ゴールドタワー内部も界隈の雰囲気と違ってこのように賑わっているのだろうか。

終演後、駅行きの送迎バスが出るまでお風呂に入ることができました。
(2010年7月)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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