WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 長野・信州大勝館
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善光寺前立本尊御開帳と信州の大衆演劇場を訪ねて

善光寺前立本尊御開帳と信州の大衆演劇場を訪ねて

今年(2015年)は7年に1度の善光寺前立本尊御開帳の年。
秘仏であるご本尊の身代わりである「前立本尊(まえだちほんぞん)」は普段は宝庫で保管されているが、「御開帳」のときだけは本堂で拝むことができる。

今年の御開帳期間は4月5日~5月31日。
休日は相当混むに違いないから平日に休みをとって長野へ向かった。

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初めて乗るかっこいい北陸新幹線。とても乗り心地がよい。

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長野駅は御開帳色にあふれている。
善光寺まで30分くらいの道のりを歩いて行く。

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8時30分頃参道に着く。まだあまり混んでいない。

遠くに善光寺山門が見えてきた。その下に人だかりができている。
始めは何の行列かわからなかったが、以前善光寺を訪れた際の記憶が蘇ってきて、これが「お数珠頂戴」を待つ人々の列であることに気が付いた。

善光寺では法要が終わると、本堂からぞろぞろと住職さんがでてきて、そのうち一番身分が高そうな住職様が手に持った数珠で境内にいる参詣者の頭を撫でて功徳を与えてくださる。これをお数珠頂戴という。お数珠を受けたい参詣者は法要が終わる時間が近づくと本堂から並んで列を作る。住職さんが出てくると人々は頭を垂れて合掌、その前を住職様がお数珠で撫でながら歩いてゆく。
ちょうどお数珠頂戴のタイミングに善光寺に着いたようだ。ありがたや。

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御開帳のシンボルといえる回向柱(えこうばしら)が本堂の前に立っている。
回向柱と本堂の前立本尊とはひもで結ばれている。回向柱に触れることで前立本尊に触れるのと同じ功徳を授かることができる。

善光寺御開帳参拝のフルコース
・回向柱に触れる
・本堂の中で直接前立本尊を参拝する
・戒壇めぐり(本堂下の暗闇の回廊を進み、「極楽の錠前」を探り当てることができると、極楽浄土が約束される)
・御印文頂戴(本堂に善光寺如来の法宝を持った住職がいらっしゃって、頭にペタッとつけてくれる)
・資料館拝観

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御祈願を申し込み法要に参加する。
一般参拝者よりも前立本尊に近い場所(内々陣)でお経に立ち会うことができる。

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長野は絵解きがさかんな土地だそうで、
この日はたまたま長野郷土史研究会による「善光寺参りの絵解き」というイベントが行われていた。
これに出席して歩き疲れた体を休める。

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善光寺は無宗派の寺だが、天台宗と浄土宗の住職がいて、それぞれの寺院が周りに立ち並んでいる。
御朱印のページが1日でたくさん埋まった。
前立本尊御開帳期間限定の散華(さんげ)もいただく。

早めの時間に来たので、ほとんど待つことなくフルコースをこなすことができた。
昼近くになると団体さんがたくさんやってきて、場内のスピーカーでは、回向柱〇分待ち、などとアナウンスしている。
昼になると戒壇めぐりの待ち時間は1時間以上。早く来てよかった。(GWでは180分待ちもあったらしい)

善光寺を後にして、長野市の街を散歩しながら駅へ向かう。


講談・浪曲・大衆演劇でもおなじみの演目「忠次山形屋乗り込み(忠次と山形屋)」はこの辺りが舞台だ。

役人に追われて一人旅をしている国定忠治が善光寺街道を歩いていると身投げをしようとしている男に出くわす。
男は越後の百姓。年貢が払えなくなり、権堂にある郭、山形屋へ一人娘を売って50両の金を受け取った。ところが帰りにおいはぎにあって身代金の50両を奪われ、死ぬより他はないと思い詰めていたところだ。
おいはぎが山形屋の一味だと確信した忠次は山形屋に乗り込む。

権堂(ごんどう)は江戸時代から栄える長野市の中心街。
忠次関連の史跡?が残っている。

権堂の商店街のすぐ近くに、「忠次柳」という木があった。
忠次が山形屋藤蔵とやり合った際に忠次が投げた柳の小枝が育ったものだという・・・どこからそんな伝説が生まれたのだろう。

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国定忠治の墓もあった。
本当の国定忠次の墓は群馬県の養寿寺にある。そこから分骨してもらったとのこと。

昭和42年の善光寺御開帳の際に記念行事として国定忠治祭りが行われ、約100人が忠次一家の仮装行列をした、ということが墓の立札に記されている。
昭和42年頃はまだ一般の方にも国定忠次は馴染みのある人物だったのだろう。

長野駅に戻り、しなの鉄道に乗って次の訪問地へ向かう。

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電車で約25分南下して戸倉駅で降りる。
予約していたホテル方が車で迎えにきてくれた。

戸倉上山田温泉は善光寺参りの精進落としの地として親しまれてきた温泉地である。
バブルの頃は団体客で大変賑わっていたという。

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温泉街は千曲川(信濃川)沿いにある。

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宿泊するホテルの近く、千曲川河原近くから山の方を眺めると、山の上の方に大きそうな建物が見える。
善光寺大本願別院の観音寺である。
戸倉上山田温泉と観音寺は善光寺御開帳にあわせて「三世詣り」というキャンペーン企画を行っている。
善光寺にある本堂および大本願、そして観音寺の計三社を参拝して「前世・現世・来世」の三世つまり「先祖の供養・現世利益・極楽往生」を願いましょう、というもの。
朝に観音寺で行われる「お朝事」に参加するためのシャトルバスが温泉街から毎朝出発している。

ホテルで夕食をとった後、夜の温泉街を散歩する。

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バブルの頃はこの温泉街の夜はだいへんな歓楽街だったよう。
しかし今日は外を歩いている者はほとんどいない。

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なつかしい感じの射的屋さんがまだ何件か現役で残っていた。ちょっと遊んでみる。
この温泉街にある大衆演劇場、信州大勝館にのってる劇団のポスターが貼ってある。
店主のおばさんに聞くと、役者の子供がよく遊びに来るとのこと。おばさんもたまには見に行って、帰り際にその子役にご祝儀を手渡すのだそう。ご祝儀を渡す余裕があるほどの売り上げではないんだけどね、とも漏らしていたけれど、そういう心意気がこの昭和な雰囲気の歓楽街に息づいているような気がした。信州大勝館にのる劇団にとって温泉街のお店の方々との付き合いはきっと大事なことだろう。

翌朝5時03分、三世詣りを完遂するため観音寺行きのシャトルバスに乗る。

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観音寺の「お朝事」に参加した。
早朝に山中のお寺で心静かにお勤めをする。清らかな時間を過ごした気分。

ホテルに戻って朝食をとる。
その後、特にやることがない。

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こういうこともあろうと旅先に絵手紙セットを持ってゆくことが多い。
友人に千曲の風景を届ける。

さて、まだ時間が余っている。
あの山の観音寺よりさらに上の方に城山史跡公園という戦国時代の城の跡地があるようだ。そこに行ってみよう。
タクシーは使わず、坂道を汗だくになって登って公園へ向かった。

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山の上にある公園から見るとこのあたりの地形がよくわかる。

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東を見れば、この山と千曲川の間に温泉街の建物がひしいめいている。
大衆演劇場信州大勝館を探してみる。

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あったあった、下の方に見えるあの赤い壁?の建物がそうだ。

山を下りると、ちょうど大衆演劇昼の部の開場時間が過ぎたところだった。

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信州大勝館。
以前ここはストリップ劇場だった。バブルの頃はかなり客が入っていたと射的屋のおばさんが言っていた。

私がこの劇場にくるのは2度目だ。
信州大勝館は2013年1月末に一度閉館した。閉館する前に行っておこうと、大雪の日に東京から日帰りで観に来たのだった。
(そのときのブログはこちら

その後、大勝館は大衆演劇公演を再開して今に至っている。

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この日は桜川翔座長率いる劇団雪月花の公演。
初めてみる劇団。

この日は特別公演で座長がかなり活躍するよう。

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ロビー
アットホームな雰囲気がいいなあ

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相変わらず暗い開演前の場内

昼間もほとんど歩いている人がいなかった温泉街。
お客さんは十数人くらいかなと予想していたけれど、今日はかねてから告知してあった特別公演の日とあって、私の予想よりもだいぶ多くのお客さんが来た。
座長もほっとした様子。

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桜川翔座長

私は劇団雪月花を観るのは初めてだけれども、調べてみたら桜川翔座長は前に鳳凰座の公演で観たことがあるようだった。

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2011年9月鳳凰座公演@バーパス松劇場
左が当時の座長

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雪月花は若い劇団。これからどんどん良くなってゆくだろう。

大衆演劇昼の部の後、再び善光寺を目指して長野に向かう。

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戸倉駅に劇団雪月花の大勝館公演のポスターが貼ってあることに気づく。

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あの回向柱に再会。
夕方は参拝客がだいぶ少ない。

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本堂の夜間ライトアップ。
もっと暗くなるまで居たかったけれど、帰りの新幹線の時間がせまっているのでこの辺で。

善光寺参拝はやはり御開帳の日の方がはるかに楽しい。7年後の御開帳もきっとここを訪ねるだろう。
その頃、信州の大衆演劇事情はどのようになっているだろうか。

(2015年5月探訪)


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雪が舞う芝居小屋の豚汁 「信州大勝館」

その日、東京は初雪が降りました。7年ぶりという大雪。高速道路は通行止め、鉄道は運転見合わせ、飛行機は欠航、普通のタイヤをはいた車が坂道を登れず何台も路上に置き去りになっている、そんな首都圏ニュースが飛び交っている頃、私は信濃路を旅していました。

早朝、東京の自宅を出た時はまだ雨。東京駅から乗り込んだ新幹線の車窓も埼玉県あたりでは普通の雨模様。軽井沢あたりだったでしょうか、気づけば外は白い世界。

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上田駅で新幹線を降りて「しなの鉄道」というローカル線のホームに移動します。

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上田駅から4駅目。戸倉駅に着きました。しなの鉄道のHPでは「信州最大の温泉郷戸倉上山田温泉」がこの駅のPRとして記載されています。

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駅前。いかにも温泉郷の玄関口。駅員さんが雪かきをしています。
歩道に降り積もった雪にはまだほとんど足跡がついていません。足首を覆うくらい深い雪を踏みながら進まなくてはなりません。トレッキングシューズを履いてこなかったことを後悔しました。

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戸倉上山田温泉は千曲市にあります。信濃川の長野県での呼称は千曲川。千曲川を越えます。

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千曲川に架かる橋を渡ればもうすぐ温泉街。傘を差していても風に煽られた雪で鞄と服はすぐに白くなってゆきます。何度も雪を払いながら川沿いの雪道を一人歩きます。あたりは深閑として。


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町の中心地に来たようです。旅館、スナック、居酒屋などがそこかしこにあります。なるほどかなり大きな温泉街です。しかし観光客らしき人、通行人もほとんどいません。人の気配といえば店の前で黙々と雪掻きしている姿がぽつぽつと。

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目指す大衆演劇場「信州大勝館」ののぼりを見つけました。

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信州大勝館をみつけました。おそらく劇場の方なのでしょう、雪掻きをしている方がいました。

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屋根の上には「ロック座」の電飾。

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裏道から見た大勝館。

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ここにも「信州ロック座」の看板が。
ロック座といえば浅草のストリップ劇場。かつてここはロック座系列のストリップ小屋だったようです。

大衆演劇ファンにとって「大勝館」といえば浅草の大衆演劇場が馴染み深いでしょう。ウィキペディアによると浅草の大勝館は、浅草ロック座の経営者の手によって2001年に大衆演劇の興行が始まったとのこと。しかし浅草大勝館は2007年に休業(後に閉館)してしまいました。信州大勝館が浅草大勝館の姉妹店としてオープンしたのが2008年1月です。

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1階に「喫茶大勝館」があります。

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劇場正面。

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「サービスタイム 舞踊ショーのみ ¥1,000」という掲示があります。芝居の後に入場すれば割引になるようです。

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入口。
「本日の外題」と書かれたホワイトボードがあります。

しかしとにかく寒い。開場時刻までしばらく時間があります。近くの温泉施設で暖まりました。

13時開演なので12時30分が開場だろうと、30分すぎに再び劇場に来ました。劇場前に人だかりができています。なんと劇団員が出迎えをしていたのでした。劇団員の方が入口ドアを開けてくれました。信州大勝館では劇団員とお客さんのコミュニケーションや「近さ」を大切にしているようです。

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入口扉を抜けると廊下。すぐ左手に受付があって突き当りが劇場入口。

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廊下を反対側から。奥右手が受付。奥左手に「喫茶大勝館」への通用口があります。

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開演時間まで喫茶大勝館で時間をつぶしてからここを通って劇場に入る方も多いでしょう。

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貸出用のひざかけがたくさんあります。

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次の土曜日に抽選会が行われるようです。その景品が陳列されていました。演歌のCD,カセット、ひざサポーター、ランタン型ラジオライトなど。

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「21日カラオケ舞踊ショー申請用紙」が置かれていました。申請書には曲名や歌手名を書く欄があり、「音源持参の方に限ります」とのことわりがありました。どうもお客様が歌って座員がそれに合わせて踊る、ということのようです。ここではいろんな趣向でお客さんとの交流をはかっているのですね。

それでは劇場内へ。

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薄暗い劇場内。ひっそりとしています。私以外誰もいないので当たり前ですが、何か地方独特の寂寥感みたいなものを感受します。

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一般的なものよりおそらく薄手の生地の幕。清楚な草花に大きな余白。大衆演劇場らしい賑やかなデザインでないところが旅情に沁みます。

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客席下手前方にストーブ席が設けられていました。いかにも「雪国の小屋」といった感じ。

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右前方より。奥に見えるのがトイレ。ここは元ストリップ小屋だったからでしょうか、単独の女子トイレはありません。一つあるトイレが男女共用となっていますが、扉に入ってすぐ男子用小便器が並んでいます。

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後方席。別々に持ち寄ったような、デザインが異なる座布団が商業的ならぬ庶民的味わいを出しています。

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横から見ると床が傾斜していることがよくわかります。

ひととおり場内を眺め終わって着席していると、たまに座員さんが劇場内を通ります。そのたびに明るく声をかけてくれました。うすら寒さと温かさの同居。これぞ芝居小屋でしょう。

12時55分、開演5分前。客席には私一人。大衆演劇観劇の一番のスリルはこういう時間帯ですね。自分以外にお客は来るのか?お客さんが3人くらいだったらどうしよう。開演直前に人がいない時の落ち着かなさったらないです。
3分前くらいに何名かお客さんが入ってきて胸をなでおろします、きっと喫茶大勝館にいたのでしょう。常連らしい地元のおばあちゃんやおじいちゃんが「〇〇さんこないの?」「〇〇さんの席とっておこう」などと話合っています。どうやら「つ抜け」はしたようです。

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第一部顔見せミニショー。

休憩を挟んで第二部お芝居。この日の外題は「恋の三度笠」
ベテラン役者はやっぱりうまい。演技はもちろんですが舞台とお客さんとの壁をなくし大きな暖かな場を生み出す術を知っています。
舞台に出始めたばかりと思われる中学生役者(女の子)も大事な役で登場。小学校学芸会レベルの演技に超棒読み。それをうまい役者がつっこんで楽しい場にしてしまうのが大衆演劇。

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第二部が終わって休憩時間。
廊下に劇団員のアンケートが張り出してありました。私は全国の大衆演劇場を訪れるたびに、何で劇団員のプロフィールがわかるものを劇場内に用意していないのだろう、と疑問に思っていました。お客さんに覚えてもらっての役者さんではないでしょうか。ここ信州大勝館でやっとそのような取り組みを目にしました。
座員の皆さんが、出身地・初舞台(の年齢)・尊敬する人・趣味・お客様へ一言などの質問に答えています。

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プロフィールを読んでいたら、劇場の方が「どうぞ」と言って豚汁を渡してくれました。喫茶大勝館で作った豚汁を無料でお客様にふるまっているようです。寒い日に暖かな豚汁。美味しくいただきました。
ここ信州大勝館はいろんなところにアットホームさを感じます。

客席に戻り、第三部舞踊ショーを待ちます。場内が暗くショー開始を告げる音楽が流れている時、私の左の掌になにかやわらかいものが押し付けられました。それはみかんでした。劇場の方がみかんを配付していたのです。「どうぞ」と言って渡すのではなく、客がどこを見ていようが早業で手にみかんを握らせる、こういうざっくばらんなお客と劇場のやりとりは都会ではほとんど味わえないでしょう。

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舞踊ショー。子役2名も登場。

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座長の女形。

舞踊ショーが終わって本日昼の部の公演は終了。座員さんは衣装を着ているので外での送り出しはできません。先ほどの廊下での送り出しとなりました。
劇場前に車が3台停まっていてそれに乗ってお客さんが帰ってゆきました。どのあたりから観にいらしているのでしょう。
雪国の劇場の経営は大変だろうなと思います。劇場のブログによると、この日劇団座長も劇場周辺の雪かきをしていたそうです。

外は傘をさすのがやっとの強い横風。寒さは増しているようです。

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駅に向かう途中で国民温泉なる施設があったので入りました。源泉かけ流し、300円。

この後帰京。日帰り長野大衆演劇探訪の旅は終わりました。

信州大勝館は2013年1月28日の千秋楽をもって閉館します。
商売を感じさせない地元に根付いた庶民的な芝居小屋がなくなってしまいます。とても残念なことです。

(2013年1月探訪)

プロフィール

notarico

Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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