WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 秋田・康楽館
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現存する日本最古の木造芝居小屋 「康楽館」 <場内編>

現存する日本最古の木造芝居小屋 「康楽館」 <場内編>

<場外編>はこちら

場外編に続き、「康楽館」の館内をレポートします。


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館内から見た出入口。


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売店

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桟敷入口
いよいよ中へ

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ご覧のとおりとても広い小屋
1階 754.06㎡
2階 312.55㎡
定員607名(1人0.5㎡)

お客さんのほとんどは団体の観光客のようです。
団体ごとに色の違う座布団を用意しています。
まだ寒さが残る5月の東北。桟敷にストーブも置かれています。

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本花道

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花道下手側の桟敷席

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舞台前から後方を見たところ。
2階の向う座敷が見えます。

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上手の方には仮花道があります。

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2階の大向う

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大向うから見た舞台

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康楽館は和洋折衷の建物。
天井は洋風につくられています。

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康楽館の公演ポスター
平日は1日2回公演(10:00~、12:30~)
土日は1日3回公演(10:00~、12:30~、15:00~)
となっています。
公演時間は75分。観光客の方にはこのくらいの公演時間がちょうどよいのでしょう。

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団体のお客さんが到着。
まずはお弁当の時間。

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康楽館にはさまざまなお弁当メニューがあり事前予約を受け付けています。
これは「百彩」というちらし寿司弁当、1,100円。

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おみやげ用に康楽館まんじゅうを大アピールしていました。
私も購入。おいしかったです。

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小坂町はアカシアの木の植栽に力を入れ数百万本のアカシアが自生しており、アカシアの蜂蜜は町の特産品になっています。
康楽館のある明治百年通りのアカシアは、環境省選定日本の香り風景100選に選ばれています。
場内でアカシアの蜂蜜入りのソフトクリームを食べました。

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定式幕

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公演の様子
お客さんを舞台にあげて殺陣に挑戦してもらったり、観光客仕様の演出でした。

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康楽館公演の見所
本花道にある切穴(すっぽん)から役者がせりあがってきて登場。

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康楽館公演の見所その2
写真ではわかりにくいと思いますが、回り舞台上の4人の役者が回っています。

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康楽館の公演には舞台裏見学ツアーもついています。
回り舞台の下層部。

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切穴を床下から見たところ

こんな素晴らしい芝居小屋が今も現役で冬季を除くほぼ毎日公演を行っていることは感動的です。
これからもずっと「日本の芝居小屋」として大衆演劇公演が続くことを願います。


参考文献:星雲社「ザ・康楽館」

(2011年5月探訪)

現存する日本最古の木造芝居小屋 「康楽館」 <場外編>

現存する日本最古の木造芝居小屋「康楽館」は秋田県鹿角郡小坂町にあります。

康楽館は明治43年に小坂鉱山で働く人々の厚生施設として完成しました。

小坂鉱山は江戸末期から開発が始まり、明治中期に革命的な精錬方法を造りだし当時世界第一級の溶鉱炉が完成してからめざましく発展しました。明治40年には鉱産額全国一を記録し、小坂町には水力発電により秋田県内初の電灯が灯り、上水道、電信電話、病院、鉄道などの社会資本を鉱山会社が整備したそうです。

歌舞伎芝居小屋として建てられた康楽館は、桟敷、花道(本花道・仮花道)、切穴(すっぽん)、回り舞台、奈落などを備えていました。大正期には新劇が上演され、昭和に入ってからは映画が上映されるなど、幅広い用途の娯楽場として賑わいました。
建物の老朽化やカラーテレビの普及により昭和45年に一般の興行は中止となりました。その後、町に康楽館復活の声があがると、施設は鉱山会社から町へ移管され昭和60年に修復工事が始まりました。
昭和61年の再オープンから大衆演劇の常設公演を中心にさまざまな公園が行われてきました。

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近くに鉄道の駅はありませんので車かバスで行くことになります。
私は秋田駅から車で行きました。約135kmの道のりです。
「樹海ライン」を進むと康楽館の案内看板と幟がみえてきました。

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廃線となった小坂鉄道の終点小坂駅がすぐ近くにあります。

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樹海ラインを左折、康楽館までの道の両側には賑やかに幟が並んでいます。

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康楽館に着きました。正面に立ってちょっとびっくり。モダンな洋風建築。予想以上の豪壮さ、美しさ。

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実は康楽館は和洋折衷の建物。横からみるとそれがよくわかります。

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正面から見えない部分はこのようにとてもレトロな「和」です。

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康楽館の背後。小川が流れ草木が風にそよぎいたってのどか。

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近くの鉱山事務所(この建物もすばらしい)の2階から康楽館の方を見やる。
のどかというか閑散としているというか。小坂町の最盛期はここから見た景色はもっと賑やかだったのでしょうか。
ここで毎日芝居が上演されているという。どんな芝居が行われどんな人が観に行っているのでしょう。
<場内編>へ続く

参考文献:星雲社「ザ・康楽館」
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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