WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 静岡・浜松演芸場
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浜名湖河口のリゾートアイランドにできた大衆演劇場 「浜松演芸場」

浜名湖河口のリゾートアイランドにできた大衆演劇場 「浜松演芸場」

2012年頃にかけて、静岡西部は大衆演劇砂漠化が進んでいました。大井川娯楽センター、ふくろいラドンセンター、バーデンバーデンといったセンターが閉鎖してしまったのでした。それから約10年の間に静岡西部で大衆演劇文化が復興してきました。
2013年に島田蓬莱座、2019年に掛川蓬莱座がオープン。そして今回探訪する浜松演芸場が2022年に誕生しました。

今回目指すのは静岡県最西部に位置する浜名湖、その河口にある弁天島です。
弁天島は海水浴、釣り、潮干狩り、キャンプなどが楽しめるリゾート地。

その弁天島には「開春楼」という看板を掲げた歴史の古いホテルがあります。
近年、経営不振による閉店と再開を繰り返していたようです。コロナ禍においても閉館していましたが、2022年に「弁天島グランドホテル」として再オープンしました。
再オープンにあたってホテル内に「浜松演芸場」という劇場を整備。2022年7月から大衆演劇公演が始まりました。

2022年9月、弁天島グランドホテル(旧開春楼)を訪ねました。

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弁天島があるのはここ。
JR東海道線弁天島駅があります。

東京から浜松まで新幹線で移動。浜松駅で東海道線に乗り換えて3駅目。弁天島駅に着きました。

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弁天島駅のホームから「開春楼」の赤い文字の看板を掲げた建物が見えます。
あれが現、弁天島グランドホテル。
駅からすぐ近くにあることがわかります。

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駅前の幹線道路から見たホテル

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弁天島グランドホテル正面
「浜松演芸場」の看板もかかっています

大衆演劇の開場まで時間があったので周辺を散策しました。

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浜辺に出てみました。
浜辺の何か所かに「ゆるキャン△」の記念看板のようなものを見かけます。

この界隈は漫画・アニメの「ゆるキャン△」の舞台になったらしく、ゆるキャンファンには聖地になっているようです。
弁天島グランドホテル(旧開春楼)も弁天楼という名でゆるキャンに登場しています。

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浜辺から見た弁天島グランドホテル

ではホテル内に入ってみましょう。

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ホテル入口

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ロビー、フロント

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フロントの机上に
「演芸場 上にあおがり下さい エレベーター③です」
と書かれています。

大衆演劇観劇のお客さんはフロントで受付ではなく、演芸場前での受付となります。

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エレベーターまたは階段で3階へ。
このホテルは2階がないので、実質的にはフロントのある1階のすぐ上の階が演芸場のある3階となります。

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演芸場の前に長机が設置されています。
大衆演劇観劇の方はここで木戸銭を支払います。

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浜松演芸場入口

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劇場内後方より
最近リニューアルされたことがわかるキレイな劇場です

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前方の椅子席

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後方の椅子席

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花道

お昼の部は12:30開演
この日は3部構成
第1部 顔見せミニショー
第2部 お芝居
第3部 舞踊ショー

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公演中の様子

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今月浜松演芸場に乗っているのは藤間劇団
ちょうどこの日は三代目藤間歩の祭りの日でした。
終演後の写真撮影タイム

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私は1泊2食付きでこのホテルに宿泊します。
昼の部が終わってホテルにチェックイン。
広い洋室の部屋でした。

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窓からはオーシャンビュー

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夕食は1階の「キッチン」という名の食堂でとることになります。
通常は夕食は18時からとのことですが、大衆演劇夜の部(18時開演)を観るお客さんは17時からの夕食も可能とのことでした。私は夜の部の公演も観たいので夕食を17時スタートにしてもらいました。

浜松演芸場夜の部開場時間の17時に劇場に行き座席を確保していから1階の食堂へ移動して夕食をいただきました。

夕食後大衆演劇夜の部を観て、近くのコンビニへおやつを買いにいって、お部屋でお風呂に入って就寝しました。
よく朝は8時に朝食。朝食後10時前にチェックアウトしました。

リニューアルオープンしたばかりの弁天島グランドホテルを利用してみて気になった点があったので記しておきます。

まずこの時代にあって宿泊のネット予約ができません。ホテルのサイトからネット予約することもできなければ、もちろん楽天トラベルといったサイトにも出てきません。電話でしか予約できないのです。
にもかかわらずサイトに掲載されている予約電話番号が間違っている。何度電話してもつながらないのでおかしいなと思っていたところ、ホテルサイトの別の場所に別の予約電話番号が書いてあったので、そこにかけたらつながりました。
予約電話に出た方に(おそらく高齢の男性)1泊2食付きの観劇パックの予約をお願いしました。電話に出た方は、では昼の部の一番前の座席を確保しておきます、と言っていまいた。
当日浜松演芸場の受付で予約済だと伝えると、どうも私の予約は入っていないよう。もしやと思ってホテルのフロントの方にも確認したところ、当日の私の宿泊予約自体がまったく受付されていませんでした。よって当日に宿泊申し込みをした形になりました。
宿泊料金は1泊2食および1回の観劇付きで税込12,900円(観劇をつけなければ11,000円)。
チェックイン時に宿泊料を支払いましたが、カード払いは不可で現金のみでした。
また、チェックインの際に食事や風呂などの案内はまったくなし。鍵を渡されただけでした。
部屋に入っても宿泊の案内のようなものは置いていない。当然Wi-Fiの案内もない。
このホテルは開春楼時代は「浜名湖弁天島温泉」を名乗っていたのようなので、温泉を楽しみにしていましたが、ホテルの方にうかがうと現在大浴場は機能していないとのこと。仕方なくお部屋のお風呂に入りました。

開春楼の改修オープンにあたり、なるべくコストを抑えて少ないスタッフ数で頑張っているのだろうなと思いました。
演芸場受付の方もフロントの方も食堂の方も愛想が良く気持ちよく対応いただいたのは良かったです。

* * *

さてこの日は藤間劇団の藤間歩の祭りの日でした。
せっかくなのでこの日撮影した藤間歩の写真を載せておきます。

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藤間歩さんは前年の7月にも大島劇場で拝見しておりましたが、その時に比べ芝居も舞踊も趣きが変わったと感じました。
めりはりがついて力強くなった印象です。今後どのように変わってゆくか楽しみです。

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ちなみに藤間劇団の藤間あおいさんは、大衆演劇界において「笑顔が素敵で賞」を授与したいと私が勝手に思っている役者さん。
あおいさんの笑顔にはとても癒されます。

* * *

大衆演劇の公演場所は「センター」と「劇場」に分類することができます。
弁天島グランドホテル内浜松演芸場は「センター」でもあり「劇場」でもあるような分類に困る大衆演劇場でした。
ホテルあるいは温浴施設に演芸場が併設されている施設をセンターと呼んでいますが、ここは演芸場にホテルが併設されているといった印象です。

閉店と再開を繰り返してきたホテルですが、浜松演芸場は末永く続いてゆきますように。

(2022年9月探訪)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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