大衆演劇ファンが劇団を立ち上げ! とんかつ屋さんの中の劇場 「金太郎劇場」
大衆演劇ファンが劇団を立ち上げ! とんかつ屋さんの中の劇場 「金太郎劇場」
旅芝居専門誌KANGEKI 2019年10月号に大衆演劇ファンのとんかつ屋店長が店内に劇場を作ったという記事が載っていました。なんてわくわくする話なんでしょう。2019年9月、さっそく私はその「金太郎劇場」を訪ねました。
目指すお店、とんかつ屋金太郎本店(2019年8月にとんかつレストランてつ兵衛から改名)は宮城県の北、岩手県との県境近くにあります。
幹線道路沿いにありお客さんのほとんどは車で来店するものと思われます。旅人である私は公共交通機関と徒歩にて向かいます。

岩手県の一関駅から東北本線に乗り隣の有壁駅で下車。
この駅に電車は1時間に1本くらいしか停まらない。帰りの電車の時刻をチェック。

広い空。民家すらまばらな土地を貫いている国道187号線を進む。

一般人が徒歩で歩くことを想定していないのだろうか。歩道のない道路を車に気を付けながら進む。緑に囲まれた誰もいない道路をリュックを背負って一人歩くのはさみしいようで旅人ならではの楽しさがある。
この道の突き当りで大きな幹線道路国道4号線にぶつかります。そのT字路交差点を左折してすぐそばにお店があります。

とんかつ屋金太郎本店に着きました。
KANGEKIには有壁駅から徒歩18分と書いてありましたが、私は早歩きしたので15分で着きました。

国道4号線をはさんで見た店舗

「とんかつ屋金太郎」と「金太郎劇場」の看板がかかっています。

店内
昼食はここでいただくことにしました

たくさんのメニューの中から、「上ロースかつ定食(150g)」(1280円:消費税込み・当時価格)を選択。お店のイベントで人気投票を行った際に4年連続人気No.1だったというメニューです。

お肉やわらか~
衣サックサク
美味しかった~!

お品書きに異彩を放っているメニューを発見。
「ばななカツ」
ばななのカツ!? OH MY GOD. これ取材だったら絶対頼まないといけないやつだよね?引くに引かれぬ男一匹。チョコレートとストロベリーのハーフ&ハーフを注文。
生クリームでデコレートされたいかにも女子が喜びそうなフォルムのデザートにアイスクリームが添えられて届きました。だが生クリームの下に見えるのは紛れもなくカツ・・
フォークとナイフでいただきました。
美味しい!ウマいよこれ!甘くやわらかいバナナとサクサク衣とまろやか生クリームのハーモニー。衣に油を感じないのです。あと熱いバナナと冷たいアイスクリームのコントラストもいいですね~。
私は本題の劇場をレポートしなければならない。

お店に貼ってあった金太郎劇場の案内
「当店奥のお座敷席にございます!」「舞台付のご宴会場!」「ご宴会料理!」「ご宴会・イベント各種のご予約承ります!」
金太郎劇場はとんかつ屋さんの一部。通常営業の客席としても使われています。

店内北側の奥に劇場(=宴会場)の入り口があります。
劇場内をレポートする前にここでどのような公演が行われているのか確認しておきましょう。
KANGEKI 2019年10月号に詳しく掲載されておりますがここでは簡単に紹介させていただきます。
* * *
とんかつ屋金太郎の店長の息子金太郎さんが劇団要に入団。一方大衆演劇好きな店長は地元を盛り上げる場を作りたいと店内に舞台付きの宴会場を設ける。その後金太郎さんが劇団を退団してお店で働くようになり、この機に店長は家族とお店のお客さんとで「劇団夢処族(むしょぞく)」を立ち上げる。族頭銀太郎(店長)、副族頭金太郎を中心に劇団夢処族は金太郎劇場での不定期公演の他、介護施設の慰問公演やお祭りでの公演を行っている。
* * *
私が訪ねた日は店長銀太郎さんと金太郎さんは介護施設慰問のため不在でした。

劇団夢処族のロゴ

2017年11月13日金太郎劇場のこけら落とし公演、劇団要による舞踊ショーの写真が飾ってありました。

金太郎劇場場内

舞台上に宴会の盛り上げグッズのカツラがありました。

舞台上手にカラオケセットもあります。

舞台の前の座敷の天井近くの照明設備。ライトがたくさん。
この照明の下の襖の先にはさらに大きな宴会場があります。

舞台から遠い方の座敷

奥の座敷からの眺め
襖およびテーブルを全部取り払って座布団を敷いた場合の最大席数は80にもなります。

舞台用照明だけにするとこのようなムードたっぷりのステージとなります。

写真ではお伝えできませんが、実際は色も豊かできらびやかに変化する照明なのです。
この日は金太郎劇場のイベント日ではありませんでしたが、いつかここで公演を観てみたいです。

この店に来ていろんなところに目を向ければ、店長の銀太郎さんがアイデアマンで何でも明るく楽しくやっていこうという姿勢の方なのだということがよく伝わってきます。
たとえば、お店の前にはかかし人形があってそのコミカルな姿が見る者を和ませます。これまでに設置されたたくさんのかかし人形作品の写真が店内に飾られています。
大衆演劇の原点は旅芝居。全盛期は日本全国津々浦々で公演が行われたことでしょう。どこに行っても受け入れてもらえる芸能。
その特性を活かして大衆演劇の力で地元に元気と明るさをもたらそうという取り組みはとてもいいなと思います。
劇団夢処族と金太郎劇場の認知度がますます高まりますようご活躍を祈念しております。
(2019年9月探訪)
旅芝居専門誌KANGEKI 2019年10月号に大衆演劇ファンのとんかつ屋店長が店内に劇場を作ったという記事が載っていました。なんてわくわくする話なんでしょう。2019年9月、さっそく私はその「金太郎劇場」を訪ねました。
目指すお店、とんかつ屋金太郎本店(2019年8月にとんかつレストランてつ兵衛から改名)は宮城県の北、岩手県との県境近くにあります。
幹線道路沿いにありお客さんのほとんどは車で来店するものと思われます。旅人である私は公共交通機関と徒歩にて向かいます。

岩手県の一関駅から東北本線に乗り隣の有壁駅で下車。
この駅に電車は1時間に1本くらいしか停まらない。帰りの電車の時刻をチェック。

広い空。民家すらまばらな土地を貫いている国道187号線を進む。

一般人が徒歩で歩くことを想定していないのだろうか。歩道のない道路を車に気を付けながら進む。緑に囲まれた誰もいない道路をリュックを背負って一人歩くのはさみしいようで旅人ならではの楽しさがある。
この道の突き当りで大きな幹線道路国道4号線にぶつかります。そのT字路交差点を左折してすぐそばにお店があります。

とんかつ屋金太郎本店に着きました。
KANGEKIには有壁駅から徒歩18分と書いてありましたが、私は早歩きしたので15分で着きました。

国道4号線をはさんで見た店舗

「とんかつ屋金太郎」と「金太郎劇場」の看板がかかっています。

店内
昼食はここでいただくことにしました

たくさんのメニューの中から、「上ロースかつ定食(150g)」(1280円:消費税込み・当時価格)を選択。お店のイベントで人気投票を行った際に4年連続人気No.1だったというメニューです。

お肉やわらか~
衣サックサク
美味しかった~!

お品書きに異彩を放っているメニューを発見。
「ばななカツ」
ばななのカツ!? OH MY GOD. これ取材だったら絶対頼まないといけないやつだよね?引くに引かれぬ男一匹。チョコレートとストロベリーのハーフ&ハーフを注文。
生クリームでデコレートされたいかにも女子が喜びそうなフォルムのデザートにアイスクリームが添えられて届きました。だが生クリームの下に見えるのは紛れもなくカツ・・
フォークとナイフでいただきました。
美味しい!ウマいよこれ!甘くやわらかいバナナとサクサク衣とまろやか生クリームのハーモニー。衣に油を感じないのです。あと熱いバナナと冷たいアイスクリームのコントラストもいいですね~。
私は本題の劇場をレポートしなければならない。

お店に貼ってあった金太郎劇場の案内
「当店奥のお座敷席にございます!」「舞台付のご宴会場!」「ご宴会料理!」「ご宴会・イベント各種のご予約承ります!」
金太郎劇場はとんかつ屋さんの一部。通常営業の客席としても使われています。

店内北側の奥に劇場(=宴会場)の入り口があります。
劇場内をレポートする前にここでどのような公演が行われているのか確認しておきましょう。
KANGEKI 2019年10月号に詳しく掲載されておりますがここでは簡単に紹介させていただきます。
* * *
とんかつ屋金太郎の店長の息子金太郎さんが劇団要に入団。一方大衆演劇好きな店長は地元を盛り上げる場を作りたいと店内に舞台付きの宴会場を設ける。その後金太郎さんが劇団を退団してお店で働くようになり、この機に店長は家族とお店のお客さんとで「劇団夢処族(むしょぞく)」を立ち上げる。族頭銀太郎(店長)、副族頭金太郎を中心に劇団夢処族は金太郎劇場での不定期公演の他、介護施設の慰問公演やお祭りでの公演を行っている。
* * *
私が訪ねた日は店長銀太郎さんと金太郎さんは介護施設慰問のため不在でした。

劇団夢処族のロゴ

2017年11月13日金太郎劇場のこけら落とし公演、劇団要による舞踊ショーの写真が飾ってありました。

金太郎劇場場内

舞台上に宴会の盛り上げグッズのカツラがありました。

舞台上手にカラオケセットもあります。

舞台の前の座敷の天井近くの照明設備。ライトがたくさん。
この照明の下の襖の先にはさらに大きな宴会場があります。

舞台から遠い方の座敷

奥の座敷からの眺め
襖およびテーブルを全部取り払って座布団を敷いた場合の最大席数は80にもなります。

舞台用照明だけにするとこのようなムードたっぷりのステージとなります。

写真ではお伝えできませんが、実際は色も豊かできらびやかに変化する照明なのです。
この日は金太郎劇場のイベント日ではありませんでしたが、いつかここで公演を観てみたいです。

この店に来ていろんなところに目を向ければ、店長の銀太郎さんがアイデアマンで何でも明るく楽しくやっていこうという姿勢の方なのだということがよく伝わってきます。
たとえば、お店の前にはかかし人形があってそのコミカルな姿が見る者を和ませます。これまでに設置されたたくさんのかかし人形作品の写真が店内に飾られています。
大衆演劇の原点は旅芝居。全盛期は日本全国津々浦々で公演が行われたことでしょう。どこに行っても受け入れてもらえる芸能。
その特性を活かして大衆演劇の力で地元に元気と明るさをもたらそうという取り組みはとてもいいなと思います。
劇団夢処族と金太郎劇場の認知度がますます高まりますようご活躍を祈念しております。
(2019年9月探訪)