WIKIレンタル 大衆演劇探訪記 和歌山・七福座
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さびれた駅前商店街に移転した小さな芝居小屋 「七福座」

さびれた駅前商店街に移転した小さな芝居小屋 「七福座」

和歌山市内の繁華街のはずれのビルにあった七福座が、和歌山駅近くに移転しました。
光命座という大衆演劇場があったまさにその場所に七福座という看板を掲げて2021年10月にリニューアルオープンしたのです。
新生七福座はみその商店街の中にあります。

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JR和歌山駅のすぐ近く、みその商店街のゲートがあります。

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そこから少し行くと、商店街東通の入口が見えてきます。

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みその商店街内部。昭和レトロな商店街です。

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現在は多くの店舗が閉店となっているようです。

商店街はけっこう広い。でもほとんど人の通行がなく、いかにもさびしい雰囲気、、、

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商店街の中に貼ってあった七福座公演のポスター

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喫茶マリンナという趣きある店は営業中。七福座の開場まで時間があったのでここで休憩しました。

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では七福座に向かいましょう。
鮮魚とくつの奥に見えてきたのが七福座。

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七福座外観

それにしても商店街はガラーンとしていてゴーストタウンのようだ。
そこにぽつんと提灯に明かりが灯っていて、エンターテインメント施設とは思えぬ寂寥感が漂っている。

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別のアングルから

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七福座正面

あたりには誰もおらず、客が来る気配もない。
私はみその商店街に漂う一体のゴーストになった心持ちで吸い込まれるように七福座の扉に入ってゆきました。

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小屋に入ってすぐ右が受付。
受付下の靴箱に靴を収納します。

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七福座後方より

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この幕も前の七福座から移転してきたのですね

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舞台前から劇場内後方を見たところ
コンパクトな劇場です

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前方は座椅子席

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後方は椅子席

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小さい花道もあります。
花道の先は劇場の出入り口。
ここから出た役者さんは商店街を通って楽屋に行くのだろうか。

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客席と受付との間にある窓口

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トイレは劇場内右手サイドに男女兼用の個室が1つ。
こりゃお客さんがたくさん入った時にはたいへんだな。

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劇場内右サイド

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澤村一門の座長の名が連なっています。

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公演中の様子
3人が大きく動くのも窮屈そうな小さな舞台

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終演後の写真撮影タイム

駅からとても近くにあるのに、なんてさみしい商店街なのだろう。
駅に隣接した商業ビルはとても近代的で賑わっていましたが、みその商店街の一角だけ別の時間が流れているかのようだ。
時代に取り残されたさびしい商店街。そこで毎日旅役者が踊り、演じ、暮らしている。
それを知っているのは地元の一部の方と私のようにわざわざここを訪ねてきた旅人だけなのです。

(2022年4月探訪)

元役者が経営者となってリニューアルしたビル内劇場 「七福座」

元役者が経営者となってリニューアルしたビル内劇場 「七福座」

和歌山市内にある大衆演劇場七福座(しちふくざ)は2017年10月に杮落とし公演を行いました。
かつて新吉宗劇場として運営されていた施設をリニューアルして、七福座というとてもおめでたい名称の劇場に生まれかわりました。

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新吉宗劇場が入っていた頃のビル

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このように七福座にかわりました

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建物入口

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入口左手にある看板には1階レストランでテイクアウト可能なメニューが書いてあります。

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入口入ってすぐ左のレストランの中に劇場受付があります。

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劇場は3階。エレベーターで移動します。

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七福座入口

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劇場内。
もともと劇場仕様でなかった施設を劇場に転用したことは、客席前方にある黒い柱を見れば明らか。

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劇場前方
七福神の絵が描いてある定式幕

天井が高めなのは劇場向きといえます。
しかしこの黒い柱はやはりいかんともしがたい。お客さんにとって客席のポジション取りがとても大事になります。

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定式幕には「澤村一門會与利」とあります。
七福座は元役者の澤村龍太郎さんが経営しているのです。

船に書かれている字はどこの国の文字なのだろうか。

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澤村一門の劇団の座長の名が入った提灯が飾られています。

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場内後方

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客席

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この日は劇団花組むらさきの公演
花組むらさきは前年9月にも七福座にのり、約1年ぶりにこの劇場に帰ってきました。
「劇団花組むらさきの皆様 お帰りなさい」の横断幕が吊ってあります。いいですねこの暖かい雰囲気。

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劇団花組むらさき 三代目南條のぼる座長の女形
照明もよいですね

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二代目藤間美香

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光はじめさん

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のぼる座長と美香さん

この公演では特に私の目をひいた役者さんがいました。

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それは、二代目彩姫さん(当時12歳)
選曲も服のコーディネイトも振付も自分で行ったものと思われますが、12歳ながらしっかりと自分の世界を表出していて、かつ魅惑的なムードを醸し出しており私はかなり引き込まれました。
個人的に今後注目の役者さんです。

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ラストショー
奥の方にせり上がる舞台があります。七福座の設備のようですね。

この公演の休憩中に、前の席にすわっていたおしゃべりな地元のおばちゃんとお話していたところ、急にそのおばちゃんが「私のこと知ってる?」と言い出しました。当然知らないのでそう答えると、おばちゃんは最近テレビで話題になっている人物であることを教えてもらいました。
マツコの「月曜から夜ふかし」という番組で「ザ行が言えない和歌山のお母さん」として何度か出演した方だそうで、県内外から何千人もこの方のやっているお店に会いに来るのだとか。そんな有名な方なら是非和歌山大衆演劇PR特使になっていただきたいです。

和歌山市内には「ぶらくり劇場」もありますね。七福座とぶらくり劇場は歩いて10分も離れていません。
市の中心地にふたつも大衆演劇場があるなんて和歌山の旅芝居ファンは恵まれていますね。
全国の大きな都市はどこもこのような状況になってほしいものです。

(2019年8月探訪)

城下町にある、殿様の名前を冠した劇場 「新吉宗劇場」

城下町にある、殿様の名前を冠した劇場 「新吉宗劇場」

徳川吉宗は1684年紀州二代藩主徳川光貞の四男として生まれました。兄たちの相次ぐ急逝で紀州藩主となった後、33歳のときに徳川八代将軍となりました。武芸・学問を奨励し、質素倹約がモットーで、木綿を着用し食事も一日二食の一汁二菜。
独立した廟を建てないようにという遺言を残して68歳で亡くなったという。

和歌山駅付近を観光しているとあちこちに「吉宗」の文字を見かけます。

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徳川吉宗像

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徳川吉宗公誕生地

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和歌山城

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天守閣から海を眺める

和歌山市民の誰もが吉宗に親しみをもっていることでしょう。
この地に生まれた大衆演劇場に吉宗の名が冠せられるのは自然なことだと思います。

2013年7月にオープンした新吉宗劇場(オープン当時は吉宗劇場)を訪ねました。

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新吉宗劇場が入っているビル

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葵の御紋の周りに「Wakayama Yoshimune Theater」の文字。
劇場のロゴマークがでかでかとビルに描かれています。

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入口

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入口前に受付(チケット売り場)があります。
入口入ってすぐ左には鈴蘭という喫茶店があります。

劇場は2階です。

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劇場図面
劇場にしてはちょっとかわったレイアウト。

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劇場後方より。
劇場内に入ってまず気が付くのが・・・

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この柱。

これまでいろいろ大衆演劇場を見てきましたので
舞台の前の目立つところに柱があっても驚かなくなりました。

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横から見た舞台前

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新吉宗劇場の客席

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花道

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この日は大入り。
このキャラクターは吉宗公でしょうか。

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お客さんは左の方にかたまっていました。
右の方の席にいた私は公演中にその理由がわかりました。
右側の席にいると花道を見ようとすると例の柱が邪魔するのです。
休み時間に席替えをするお客さんが何人かいました。

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天井は高い。、
このような広い舞台空間の中だと役者も映える。

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しかし舞台の床はそれほど高くない。そして客席の勾配もゆるやかだ。前の席のお客さんの頭が少し気になる。
劇場を設計するにあたり、舞台の高さと客席の勾配の問題は本当に難しいと思う。

写真ではお伝えしにくいのですが
新吉宗劇場はアットホームな雰囲気が魅力です。

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劇場出入り口横に置かれているのは「足置き」
座席の高さが合わないお客さんへの配慮でしょう。

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1階の喫茶鈴蘭から劇場への出前もやってくれるようです。

終演後、喫茶鈴蘭に入ってみました。

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広く明るい喫茶店です。

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人気メニューだというオムライスを注文しました。
美味しかった!

(2015年9月探訪)
プロフィール

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Author:notarico
東京在住。大衆芸能(大衆演劇、落語、浪曲、講談等)が好きです。特に大衆演劇の世界に興味をもっています。
twitterアカウント:notarico

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